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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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加速する開拓

機械化の効果は、すぐに現れた。

私はトンネル工事の現場に立ちながら、その様子を眺めていた。


「順調ね」


履帯の音が響く。


ガガガガ……!


カーデン・ロイド型ショベルカーが地面を削り取っていく。

その後ろでは作業員達が土砂を運び出している。

以前はツルハシとスコップだけだった作業。

今は機械が先頭に立って掘り進めている。

掘削速度は明らかに変わった。


私は腕を組んだ。


「これは……」


文官が横で頷く。


「以前の数倍です」


それも当然だ。

人が一日かけて掘る量を、機械は数時間で終わらせる。


しかも休まず動く。


私は笑った。


「いい感じね」


トンネル工事は当初、かなり遅れていた。

地盤の硬さ。作業人数。道具の限界。

色々な問題があった。


今は違う。


ショベルカー。掘削機。運搬トラック。


これらが揃ったことで、作業は一気に進み始めた。


私は地図を見る。

トンネル予定線。


現在地点。


そして小さく呟いた。


「このペースなら……」


文官も同じ計算をしていた。


「後、数十日で半分は掘れるかと」


私は頷いた。


「そうね」


ただ問題が一つある。

ゆきちゃん側。

向こうの進捗は、はっきりとは分からない。

もちろん無線で話はしている。

だが掘削状況は現場でないと細かくは分からない。


私は少し笑った。


「まあ」


ゆきちゃんも同じような事をしているだろう。そう簡単に負ける相手ではない。


私は再び工事現場を見る。


掘り出された土砂が、どんどん外へ運び出されている。


そして私はふと気づいた。


「……土」


文官が聞き返す。


「土?」


私は頷いた。


「ええ」


トンネルを掘るという事は――

大量の土が出るという事だ。


そしてその土。


私は遠くを指さした。


レンガ工房。そこでは煙が上がっている。


「レンガね」


文官も気づいた。


「確かに……」


掘削速度が上がった。

つまりレンガ用の土も大量に確保できる。


私は笑った。


「良い循環ね」


掘る。土が出る。レンガを作る。 

建物を建てる。


拠点が大きくなる。

作業効率が上がる。

完全に流れが出来ている。


私は拠点の方を見る。


数ヶ月前。ここはただの草原だった。


今は違う。レンガ建物。工房。精錬炉。

燃料設備。そして工事現場。


全てが動いている。

私は満足そうに頷いた。


「回り出したわね」


開拓はようやく、軌道に乗り始めていた。

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