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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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土砂の価値

その日の午後。

私は拠点の作業状況を確認していた。

井戸の周囲では農民達が畑を広げている。

井戸もかなりの本数増やした。

大工達は新しい建物の骨組みを組み始めていた。


そして山の方では――トンネル掘削。

遠くから金属が岩を叩く音が聞こえてくる。

少しずつだが、確実に前に進んでいる。


そんな時だった。


「お嬢様!」


私は振り向く。

開発部の若い作業員が、息を切らして走ってくる。


「どうしたの?」


男は少し興奮した様子で言った。


「領都から来た開発部の連中から報告です!」


私は首を傾げる。


「報告?」


男は続けた。


「トンネル工事で出た土砂です!」


「土砂?」


私は思わず聞き返す。

男は頷いた。


「はい!」


「焼けばレンガに出来るそうです!」


私は一瞬止まった。


「……そうなの?」


男は力強く頷く。


「はい!開発部が石炭を使って試し焼きを行いました!」


「結果は問題なしです!」


私は思わず笑った。


「やるじゃない」


トンネル掘削。当然だが大量の土砂が出る。

今まではそれを適当に積み上げていただけだった。

それを焼いてレンガに出来るなら話は変わる。


私は腕を組む。石炭はある。

燃料には困らない。


そして土砂は――山ほどある。


私は笑った。


「それなら」


男を見る。


「規模を拡大」


男は目を丸くする。


「規模……ですか?」


私は頷く。


「そう」


そして地面を指す。


「トンネルの土砂を全部利用する」


文官もすぐ理解した。


「レンガ生産ですな」


私は頷く。


「そうよ」


建築資材。今一番足りないものだ。

木材も使えるが、耐久性には限界がある。

レンガなら。拠点の建物。

工房。倉庫。様々な建築に使える。


私はすぐに指示を出す。


「焼成炉を作る!土砂はそこへ集めて」


「レンガに加工」


男はすぐに頭を下げた。


「承知しました!」


男は走って戻っていく。

私は腕を組みながら山を見る。


トンネル。石炭。そしてレンガ。


全部が繋がってきた。私は小さく笑った。


「やるわね」


そして呟く。


「うちの開発部」


トンネルを掘れば土砂が出る。

土砂を焼けばレンガになる。

レンガがあれば建物が作れる。


つまり開拓が加速する。


私は空を見上げた。


「これで」


そして笑った。


「資材削減出来るわね」

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