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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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繋がる鉄路

領都。旧南国臨時政府庁舎。

私は窓の外を眺めていた。


「上手くいってくれれば良いけど……」


副官が書類を抱えて立っている。


「噂の件ですか?」


「ええ」


私は頷いた。


「所詮は噂。だから確認には時間が掛かるはず」


副官も地図へ目を向ける。


王国。帝国。旧南国。


三つの勢力が描かれている。


「確認出来る頃には」


私は少し笑った。


「こっちの準備も終わっているわ」


副官も笑みを浮かべる。


「時間を稼げれば、その分こちらが有利になりますね」


「そう」


私は頷いた。


「後は相手の出方次第。その都度対応するしかないわ」


その時だった。

コンコン。


「失礼します!」


通信士ではない。

鉄道局の制服を着た技師だった。息を切らせながら敬礼する。


「お嬢様!」


「どうしたの?」


技師は満面の笑みを浮かべた。


「地下都市より報告です!」


私は立ち上がる。


「地下都市から領都までの鉄道敷設」


一拍置いて。


「単線ではありますが、全線開通しました!」


部屋中が静まり返る。

次の瞬間、副官が思わず拳を握る。


「本当か!」


「はい!」


技師も興奮している。


「試験走行も終了!運行に支障ありません!」


私は思わず息を吐いた。


「……やっとね」


長かった。

地下都市で始まった鉄道。

村から村へ少しずつ延び、ついに領都まで繋がった。


私は地図を見る。


一本の線。地下都市。終着駅は領都。

全てが一本で結ばれている。


「これで」


私は静かに呟く。


「補給はかなり改善するわね」


技師は力強く頷いた。


「はい!」


「物資も兵員も、これまでとは比べものにならない速度で輸送可能です!」


副官も笑みを浮かべる。


「後方と前線が一本になりましたね」


「ええ」


私はさらに尋ねる。


「通信線は?」


「鉄道沿線へ順次敷設中です!」


「現在は一本目が開通しております!」


私は満足そうに頷く。

鉄道だけではない。

通信も。補給も。全てが一つに繋がり始めている。


技師は最後に報告した。


「伏線化も一本完了しておりますので、今後の複線化工事は大幅に短縮出来ます!」


私は笑った。


「ご苦労様」


そして力強く命じる。


「そのまま進めて頂戴!」


「はっ!」


技師は敬礼し、足早に部屋を出て行く。

私は再び窓の外を見る。

王国は噂に振り回され。

帝国も互いを警戒し始めた。

その間にも旧南国では、一本、また一本と。


未来へ続く鉄路が伸びていく。


「時間は」


私は小さく呟いた。


「ちゃんと味方してくれているみたいね」


そう言って微笑んだ。

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