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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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適材適所

奴隷の方々と、面接を行った。

最初は空気が重かった。まあ当然だ。


買われた側。買った側。立場は明確。


私は椅子に座り、淡々と質問した。


「前職は?」


「農民です」


「鍛冶補助をしていました」


「帳簿を少し」


「織物を……」


経済奴隷とはいえ、元々は普通の民だ。

借金で身動きが取れなくなっただけ。


技能はある。経験もある。


私は一人一人を見た。


分析。筋力。手先の器用さ。理解力。

適性。魔法的能力ではなく、純粋な観察。


「あなたは水道局へ」


「あなたは工房補助」


「あなたは記録係の補助」


ざわめきが広がる。単純労働ではない。

技能職へ回す。文官が小声で囁く。


「よろしいのですか?」


「ええ」


単純労働だけに使えば、短期効率は良いが長期利益は薄い。

技能を覚えさせれば、生産性は跳ね上がる。


返済も早まる。

解放も早まる。

結果、忠誠も得やすい。

これは慈悲ではない。


合理的なと、私はそう割り切る。


「住環境は改善を」


水道優先。簡易照明設置。最低限以上。

法の上限まで。


お父様は黙って見ていたが、止めはしなかった。


数日後。配置は完了。


水道局は人手が増え、工房は回転率が上がった。

記録係は帳簿整理が速くなり、魔石管理も安定。


私は深く息を吐く。


「これで、少しは楽になるかしら」


改善点は、まだ山ほどある。

私一人で全てを見るのは限界。


人を動かし任せ仕組みにする。

それが今の段階。


文官が報告する。


「作業効率、二割向上」


「予想より早いわね」


私は小さく笑う。


これが上手く回れば。

私は、開発に専念出来る。


水道網拡張。発電効率改善。

無線長距離化。


やる事は尽きない。


私は椅子に深く座る。


「さて……」


何するかなぁ〜。

頭の中には幾つも案が浮かぶ。


冷蔵庫的なもの?

魔石動力粉挽き機?

簡易洗濯機?


だが今は、領地の基盤を強くする。


強ければ選択肢が増える。

私は窓の外を見る。

奴隷だった者達が、水道管を設置している。

表情は、少しだけ前向きだ。


もしかするとこの領地は、再出発の場所になれるかもしれない。


私は小さく頷いた。


「よし。次の設計に入るか」


休んでいる暇はないが焦りもない。積み上げればいい。


いずれこの力は。


もっと大きな局面で、使う事になるのだから。

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