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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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中央の反応

中央。王都にある行政省本部。

重厚な石造りの建物。

その一室。


「――地下都市視察報告書です」


書記官は、静かに提出。

机の向こうには数名の高官。

そして行政大臣。


「置いておけ」


淡々と。

いつもの地方報告。その程度、そう思っていた。


数分後――


「……ん?」


行政大臣の手が止まる。

報告書の最後の一文。そこに目が留まった。


『反乱兆候は確認されず』


「……」


室内の少し空気が緩む。

その時、別高官が鼻で笑う。


「ほら見ろ!騒ぎ過ぎだったんだ!地方の開拓地だろう」


「……」


行政大臣は、黙ったまま続きを読む。

そして次の一文。


『極めて高い自治能力を有する』


「……?」


高官達は、少し首を傾げる。

更に最後を読む。


『軍事的脅威ではなく、統治モデルとして注視を要する』


室内は、静かになる。長い沈黙。

その後、一人の高官が小さく言う。


「……どういう意味だ?」


「解りませんか?」


行政大臣は、静かに報告書を置く。


「反乱なら簡単です」


「――」


「潰せば良い」


空気が少し重くなる。


「ですが」


一拍。


「成功している地方は厄介です」


「……」


皆、黙る。

その時、別高官が不機嫌そう。


「地方が発展して何が問題なんだ」


「問題は発展ではありません」


行政大臣は、即答。


「比較です」


「――?」


その時、報告書の別ページ。

広げるとそこには地下都市。調査結果。治安良好。教育普及。通信網整備。配給制度機能。

住民支持高。


「……」


高官達は、少しずつ理解を始める。


「もし」


行政大臣は、静かに続ける。


「他の地方がこれを知れば?」


「……」


「なぜ我々は出来ないのか?」


「という話になります」


空気が変わる。

その時、年配高官が顔をしかめる。


「つまり成功例そのものが危険?」


「そうです」


即答。

そこが問題。

その頃――別室の軍務省。

こちらにも報告書が届いていた。

軍務官は、ざっと読む。

そして呟く。


「軍事的脅威ではない……か」


資料を閉じる。


「今は、な」


軍人らしい発想。当然だ。

その時、副官は確認。


「警戒しますか?」


「する」


即答。


でも次の言葉は、少し意外。


「ただし軍じゃない」


「――?」


「行政だ」


空気が静か。

つまり中央も理解した。

今、問題なのは、軍隊じゃない。

人々が支持している事。

そこが本質。


その頃――地下都市。市場。学校。診療所。人々。普通に暮らしている。

当然、王都で自分達の話が。議論されている事など知らない。


でも遠く離れた中央では。

一つの認識が生まれ始めていた。


「危険だから潰す」


ではない。


「成功しているから注視する」


という新しい警戒。


その日。

王都では――地下都市を巡り、初めて本格的な政策議論が始まっていた。

文明とは、ただ発展する事じゃない。


その成功が周囲へ影響を与え。

新しい基準を作り始めた時。


初めて本当の意味で、時代を動かす力になるのだから。

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