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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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水道化計画

水道化計画、始動。


まずは領主館から井戸の底に試作型ポンプを設置。魔石補助回転機構。逆止弁。圧力管。

館内へ引き込まれた管の先に、簡易蛇口。


「……本当に出るのですか?」


侍女が半信半疑で捻る。


ぎこちない金属音をたて、そして水。

一定量が、滑らかに流れ出る。


「出た……!」


歓声が上がる。


今までの水汲みは重労働だった。

桶を持ち、井戸まで往復。

雨の日は滑る。冬は凍える。


それが蛇口一つ。


私は満足げに頷いた。

これで、重労働から解放。

今まで水汲みに取られていた時間を大幅短縮出来る。


ここで、現実に戻る。


私は腕を組んだ。


「……でも」


侍女達の為に、とは思う。

これを普及させるには?

どうやって利益を出す?


水道代?いや、元は井戸水。


「お金を取られるなら、皆使わないかしら?」


私は唸る。


インフラは難しい。作るのも。維持するのも。管の補修。ポンプの点検。人件費。


無料では回らない。


「普通に水道代を取るか……」


「如何なさいました?」


文官が不思議そうに尋ねる。


「一般家庭から、どうやってお金を稼ぐか悩んでいるの」


文官は少し考え、さらりと言った。


「それならば、井戸代を水道代と呼び名を変えれば宜しいのでは?」


……は?


「井戸代?」


「はい。元々、各地区の井戸管理費として徴収しております」


元々取ってたんかーい!

私は思わず机を叩きそうになるのを堪えた。


「金額は?」


「家屋規模に応じて」


なるほど。


既に制度はある。ならば名称変更。

管理内容変更。維持費はそのまま。

設備が高度化するだけ。


「じゃあ、それで行きましょう!」


私は即決した。


「井戸代を水道代へ変更。維持管理内容も更新」


文官が書き留める。


「それに、かなり設置数が増えると思うわ」


個別井戸。共同井戸。館。工房。市場。

広がれば広がる程、管理が必要。


「新しい部署を設立しましょう」


文官が顔を上げる。


「部署名は?」


私は少し考える。


「水道局」


静寂。文官が淡々と答える。


「では井戸局から名称を変更致します」


局も有るんかーい!

私は天井を見上げた。制度は、既にあった。

私は、それを“進化”させるだけ。


水道局。維持管理。修繕計画。将来的には配水網。


私は机に地図を広げた。


領主館。市場。住宅区。段階的拡張。

まずは裕福層。


次に商業区。最後に一般区。


インフラは一気にやらない。


段階的かつ確実に。

水が安定供給されれば衛生は改善する。

病は減る。労働効率は上がる。

人口は増え都市は強くなる筈。


私は小さく笑った。


光。水。


次は何か?文明を積むのは楽しい。

この領地を強くする。


その積み重ねが、いずれ――力になる。

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