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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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能力を見る目

指揮官候補生訓練。

開始から数日。訓練場。


「各班、避難経路作成!」


「通信確認!」


「集合場所選定!」


候補生達は、慌ただしく動く。

まだ粗い。でも確実に成長している。


その時――

訓練視察中の中央監督官アルヴェルト。

静かに訓練風景を見ていた。


「……」


隣の副官は、資料を確認。


「思ったより統制されていますね」


「そうだな」


監督官は、短く答える。

その時、一人の青年が目に入る。


「第四班」


「避難経路修正!」


「橋が崩れた想定に変更!」


「第二経路へ誘導!」


周囲は、少し混乱。でも青年は、冷静。

その時、監督官は興味を持つ。


「……あの青年は?」


近くの文官の資料を見る。


「ああ」


「レオですね。元経済奴隷です」


「……」


監督官。


少し止まる。


「元奴隷?」


「はい」


「数年前に解放、現在は通信補助員です」


「……」


監督官は、再び青年を見る。

落ち着いているし、指示も的確。

明らかに候補生上位。


その時、監督官は、率直に聞く。


「なぜ登用した?」


「――?」


文官は、少し首を傾げる。


「能力があるからですが」


「……」


即答。


当然という顔。

監督官はら少し黙る。


「元奴隷だぞ」


「そうですね」


「……」


文官は、本当に不思議そう。

その後、普通に言う。


「だから何か問題でも?」


「――」


監督官は、言葉が止まる。

その頃、レオは通信訓練継続中。


「第三班応答!」


「第四班確認!」


「連絡成功!」


周囲。


素直に従っている。

理由は、簡単。有能だから。

その時、文官は静かに続ける。


「まき様もよく言います」


「何と?」


「人手不足なのに、能力ある人を使わない理由が解らない、と」


「……」


監督官は、思わず苦笑。ここらしい発想。

その時、副官は、小さく呟く。


「中央では考えられませんね」


「そうだな」


監督官は、頷く。

中央。家柄。血筋。派閥が重要。

でもここは違う。

通信技師。教員。警備隊。指揮官候補生。

全部が能力優先。

少なくともそう見える。


その時、訓練終了。

候補生達は、解散しレオは、普通に仲間達と笑っている。


誰も元奴隷とかは、気にしていない。


「……」


監督官は、静かに見つめる。

そして小さく呟く。


「だから人が集まるのか」


風が吹く訓練場。遠くに物見櫓。

その向こう広がる村々。

工場や通信網だけで発展した訳じゃない。


身分より能力。出自より結果。


そういう価値観そのものがこの地域を支える力になり始めていた。


その日。

中央監督官アルヴェルトは――


地下都市が発展している理由の一端を、初めて理解し始めていた。


文明とは、ただ建物を建てる事じゃない。

誰に機会を与え、誰を信じどんな人材を育てるか。


その選択こそが――国の未来を決める、本当の力になっていくのだから。

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