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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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越えてはならない線

「――中央視察官死亡」


行政区画。

朝の空気は最悪。

当然、中央貴族は死んだ。

しかも地方視察中で銃殺。


「……」


私は静かに資料を見る。

予想通りに中央は激怒。


「抗議文、三通目です」


文官。


疲れ切った顔。


「“地方反乱の兆候あり”との文言も」


「でしょうね」


私は冷静に答える。

驚きは無い。むしろ想定内。

その時、別文官。


急いで来る。


「領都側より緊急通信!!」


「内容は?」


「中央監察団、追加派遣」


「……早いわねぇ」


完全に圧力。

その時、若手文官はかなり不安そう。


「まき様……」


「うん?」


「本当に、大丈夫なんでしょうか……」


「……」


空気が重い。当然、怖い。

中央が本気出せば潰される可能性は普通にある。でも私は静かに窓の外を見る。

学校。診療所。水田。通信塔。全部。

今まで積み上げた物。


その時、昨日の光景を思い出す。

怯える子供。振り上げられた杖。

そして。


「地方貴族風情」


あの目。


「……」


私は小さく息を吐く。


「文官さん」


「はい」


「昨日の件、住民側反応は?」


「……支持多数です」


「――」


「“守ってくれた”と“よくやった”との声も」


「……」


私は静かに目を閉じる。

そう結局。そこが重要。

中央怒る。当然でも住民は見てた。

誰が自分達を守ったか。


「まき様」


整備文官は少し低い声。


「中央側、証言操作して来る可能性あります」


「ええ」


私は即答する。

絶対に来る。


「こちらも証拠残す」


重要。


「記録保存、現場証言収集、視察団随行員の発言記録整理」


「了解!!」


更に。


「子供達への接触禁止、保護優先」


「了解!!」


その時、通信室から緊急無線。


ヴゥ……


「――ゆき様より通信」


「繋いで」


数秒後。通信機の向こう側。


「……やったわねぇ」


ゆきちゃん。完全に疲れた声。


「ええ」


「中央、かなり荒れるわよ」


「でしょうね」


「でも」


一拍。


「こっちの領民側、かなりまきちゃん支持に傾いてる」


「……」


やっぱりそうなる。

旧南国地域は元々、中央からの嫌われてる。

そこへ今回。


「子供へ暴力」


しかも公衆の前。完全に悪手。


「……越えたのよ」


私は静かに言う。


「何を?」


ゆきちゃんは確認。


「越えてはいけない線」


「……」


通信越し少し沈黙。

その後、ゆきちゃんは小さく言う。


「本当に、“国”になったわね」


「……」


私は窓の外を見る。

農地警備隊。巡回中。通信塔。貨物列車が走る。

そして学校帰りの子供達。

笑ってる。昨日、守った日常がそこにある。


その時、中央側追加文書。

届く、内容。


「事情説明要求、武装状況報告、地域治安組織詳細提出」


「……」


来た。完全に探り始めてる。

でももう以前とは違う。

この土地、ただ命令されるだけの場所じゃない。


「文官さん」


「はい!!」


「監察団受け入れ準備」


「ただし」


私は静かに続ける。


「住民保護最優先」


「――了解!!」


空気が張る。でも誰ももう下を向いてない。


その日。


地下都市では――


中央からの圧力が強まる中、“自分達が守るべきもの”を巡る静かな対立が始まっていた。


文明とは、ただ発展する事じゃない。


どれだけ力ある相手でも、越えてはならない線を示し、守るべき人々を守り抜く事。


その覚悟こそが――本当の意味で、国を国たらしめる力になっていくのだから。

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