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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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中央の視線

ヴゥゥ……


地下都市。通信管理室の昼。

緊急無線。


「――まき様」


通信文官は少し嫌そうな顔。


「中央から再度、視察が来るそうです」


「……」


私は少し止まる。


「また?」


「その様です」


文官が資料を差し出す。


「“かなり注意喚起せよ”との追記あり」


「……はぁ」


思わず。溜息。

最近、通信網。地下工業。演習。

色々やり過ぎた?


つまり。


「目立った」


その数日後――地下都市外周。

視察団到着。馬車には護衛。

そして中央貴族。


「……」


第一印象は最悪。


「ここが今、噂の開拓地ですか」


男は周囲を見回し、鼻で笑う。


「経済奴隷と寄せ集めの集まり、ですか」


「……」


私は表情を崩さない。


でも内心は、何だこいつ。

しかも空気は完全に見下してる。


「どうぞ」


私は最低限だけ言う。

男は、ふん、と鼻を鳴らす。


「全く……旧南国の奴等は」


「……」


あー。成る程。そういうタイプ。

つまり根深い。

よくまあ、この周辺で偉そうに出来るわねぇ……


私は内心呟く。


ここ、旧南国地域。つまり感情が残ってる。

かなりでも中央側は理解してない。

あるいは理解してても、気にしてない。


「一面、田畑ですか」


男は、周囲を見る。

黄金色だった収穫後の田園。


「田舎ですね」


「……」


腹立つ。その時――


「わーい!!」


子供達が走ってくる。最近、収穫祭もあった。

空気が少し戻ってた。

でも男、露骨に顔をしかめる。


「五月蝿い!!」


怒鳴る。


「静かにしろ!!」


「――!」


子供達は、止まる。空気が一瞬、凍る。


「……」


農民達の顔色変わる。でも男は、止まらない。


「ふん。品の無いガキ共が」


「……」


私は、かなり頭に来てる。

その時、小さい女の子が怯えた顔。


「お姉ちゃん……怖いね、この人……」


「……」


男は、顔を歪める。


「このクソガキ共が!!」


杖を振り上げる。


「――!」


私は即座に動く。


「辞めなさい!!」


男は振り返る。


「はぁ?」


完全に見下した目。


「地方貴族風情が、私に?」


「……」


空気が危険かなり悪い。

その時、男は更に杖を振り上げる。


「クソガキが――」


パッン!!


乾いた音。

次の瞬間――


「あ……?」


男は止まり腹を見ると赤い血が滲む。


「……何だ?」


男は理解出来てない。


「私の腹から……血が……」


周囲は完全に静止。


「……」


後方の農地警備隊が一人。試製94式銃。

静かに下ろしていた。


「……」


空気が凍る。完全に。

その警備兵は震えながらも。

静かに言う。


「……子供へ暴力を振るう者は、治安維持対象です」


「――!」


中央貴族の顔色は真っ青。


「き、貴様……!!」


男は怒鳴ろうとする。

でもその瞬間。


私は腰へ手を伸ばし革製ホルスターから引き抜く――94式。


黒い拳銃は静かに男の額へ向く。


「な……?」


周囲は息を止める。


「ま、待て……!!」


男は後退る。でももう遅い。


「子供へ手を上げた」


私は冷たく言う。


「それが貴方の間違いよ」


パンッ!!


乾いた銃声が響き男の頭が後ろへ跳ねる。

そのまま崩れ落ちた。


どさり。


静寂。完全な静寂。風だけ吹いている。

中央視察団は、顔面蒼白。

農民達は、動けない。

子供達は怯えている。


でも私は視線を逸らさない。


「ここは」


私は静かに言う。


「貴方達が好き勝手に踏みにじって良い場所じゃない」


遠く。


通信塔。地下工業区画。走る貨物列車。

そして武装した農地警備隊。

この土地。もうただの弱い旧南国地域じゃない。


「守る力」


既に持ち始めている。


その日。


地下都市では――


中央から向けられた侮蔑と暴力に対し、“絶対に越えてはならない境界線”が示されていた。


文明とは、ただ豊かになる事じゃない。


守るべき人々へ手を伸ばす者に対し、決して譲らない覚悟を持つ事。


その意思もまた――不安定な時代を生き抜く為に必要な力になっていくのだから。

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