繋がる防衛線
「……うーむ」
通信管理室。
朝の机の上には、通信網地図。
かなり広がった。
「領都、地下都市、ゆきちゃん側区画」
主要地点、既に。
「無線接続済」
ごぉ……
通信機の低い駆動音。
昔は、伝令馬だけだった。
でも今。
「緊急時、即時通信可能」
そこがかなり大きい。
「現状、主要区画通信は安定しています」
通信文官は報告。
「領都とも問題無し」
「ゆきちゃん側とも接続安定」
「……」
私は静かに頷く。
そこは良いかなり。問題はむしろ。
「その他」
私は地図を見る。
広い。各村々。中規模街。
まだ空白地が多い。
「結局、そこは馬なのよねぇ……」
「はい」
伝令は、今でもかなり重要。
特に緊急動員。警戒情報。害獣。全部へ。
「人が走ってる」
状態。
「……」
私は少し考える。
本当は全部を繋ぎたい。
でも。
「人手不足」
そこは重い。無線は便利。
でも設置に維持。操作も全部。
人が必要。
「中規模街にも設置したいんだけど」
「現状、通信技師が不足しています」
通信文官は、疲れた顔。
最近、地下工業。鉄道。防衛。全部に人不足。
「……」
私は地図を見る。
各地域。もし有事が起きたら。
「連絡遅れ=初動遅れ」
かなり危険。
その時、若手文官。
少し考える。
「領都警備隊、回します?」
「……」
私は少し止まる。
そして静かに頷く。
「それね」
領都警備隊。今は比較的、信用度が高い。
統率に訓練。通信規律など全部に安定。
つまり。
「通信拠点管理向き」
「文官さん」
「はい!!」
「領都へ要請、通信拠点要員派遣依頼、中規模街へ段階設置」
「了解!!」
更に。
「馬伝令網も維持、無線途絶時の予備路線化」
「了解!!」
重要。無線は万能じゃない。
壊れる。妨害?故障とかはある。
だから。
「旧式切り捨てない」
そこは大事。
その頃――
地下都市外周。新設通信塔建設。
始まっていた。木製支柱。補強ワイヤー。
発電機。かなりの。
“近代化”。
「本当に増えたなぁ」
作業員は空を見る。
以前、この辺はただの原っぱ。
でも今、鉄道。警備塔。通信塔。全部が増えてる。
「まき様」
通信文官は静かに言う。
「本当に、“繋がる”様になってきましたね」
「そうね」
私は小さく頷く。
昔、孤立してた。各村、各町でも今少しずつ線が出来始めてる。もし有事が起きても。
「助け呼べる」
それは大きい。
その頃。
北方国境地帯では――
依然として小競り合いが断続的に続き、各地で警戒体制が強化されていた。
そしてその不穏な空気は、少しずつ各地域の通信と防衛体制を変え始めていた。
その日。
地下都市では――
地域防衛網を支える新たな通信拠点整備と、無線通信網拡張計画が本格的に動き始めていた。
文明とは、ただ強い武器を持つ事じゃない。
離れた場所同士が繋がり。
危機を共有し助けを呼べる事。
その“見えない線”こそが――不安定な時代に人々を支える、本当の力になっていくのだから。




