物流生命線
「――まき様」
鉄道管理区画。
朝、最近の駅もかなり慌ただしい。
「第三燃料便、到着!!」
「地下工業区画向け石炭搬入開始!!」
「医療物資便、優先通過!!」
「……」
私は駅構内を見る。
列車は、止まらない。
以前は人、物は、自由に流れてた。
でも今は、違う。
「優先順位」
完全に出来始めてる。
「何?」
鉄道文官は、資料を差し出す。
「民間輸送遅延報告です」
「……でしょうね」
今は地下工業へ最優先。
つまり燃料、鉄材、医療、食料全部。
「優先列車化」
され始めてる。
「一般貨物便、平均二日遅延です」
「乗客便も間引き開始」
「……」
空気は少し重い。
その時、別文官が急いで来る。
「ゆき様側から緊急運行要請!!」
「内容は?」
「工業区画向け燃料専用便増発依頼!!」
「……」
私は少し黙る。
向こうもかなり燃やしてる。
地下工業。本格稼働中つまり。
「燃料消費、跳ね上がってる」
「受ける?」
若手文官は確認。
「受けます」
重要。
ゆきちゃん側が止まる。
↓
こっちも止まる。
今は完全に。
「相互依存」
その時、鉄道文官が少し真面目。
「ですが」
「うん?」
「線路負荷、限界近いです」
「……」
列車が増える。
↓
線路摩耗。
整備必要。
↓
でも止められない。
「夜間整備増やす。警備隊も追加」
「了解!!」
更に。
「鉄橋点検、トンネル監視、主要分岐、警戒強化」
「了解!!」
完全に。
“物流防衛”。
その頃――夜。
地下都市駅。以前は静かだった時間。
でも今は違う。
ごぉぉ……
夜間貨物列車が走る。
石炭。鉄材。医療品。配給物資。全部を地下へ。
工業区画へ。
「……凄い量ですね」
若手整備員は思わず呟く。
「止めるなよ」
年配鉄道員。即答。
「今、一番止めちゃいけねぇのが線路だ」
「……」
若手は静かに頷く。
その通り線路止まる。
↓
燃料止まる。
↓
地下炉止まる。
↓
町止まる。
つまり。
「鉄道=生命線」
その時、遠くの警備灯が光る。
農地警備隊。今は線路警備まで兼任。
完全に有事体制。
その頃。
市場では――
「最近、夜でも列車走ってるな」
「軍隊でも来るのか?」
「いや、燃料便らしい」
「……本当に空気変わったな」
人々は少しずつ理解し始めていた。
今は国そのものが。
“止まらない為”に動いている。
その日。
地下都市では――
地下工業区画を支える為、鉄道網の優先運行と物流防衛体制が本格化していた。
文明とは、ただ物を作る事じゃない。
必要な場所へ。必要な時に。
止めずに運び続ける事。
その流れを維持出来てこそ――社会は、危機の時代でも崩れずに生き残っていけるのだから。




