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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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禁じ手の設計図

冒険者達の装備を改めて観察する。

剣。槍。弓。クロスボウ。

魔法使いは攻撃魔法を放つらしい。


ザッ・冒険者。


私が知っているテンプレそのものだ。


でも一般人からしたら、これを防ぐ術は、ほとんど無い。


一対一なら?


鍬や鎌で、弱い魔物なら何とかなるかもしれない。


群れは?夜間は?街道での襲撃は?

守る方法。

もっと、簡易に。

もっと、誰でも扱える方法は無いのか。


――銃火器でもあれば。


思考が止まる。


銃。

前世の世界では当たり前に存在していた。

ここは異世界。火薬技術はあるのか?


冶金技術は?

精密加工は?


……待てよ。私は、ゆっくりと息を吐いた。

まさか、とは思うけど。

スキルを使えばここでも再現出来るか?


エンジニア。分析。

設計補助。理論上は、可能。


金属加工が、この世界で精密に再現出来るのか?


鍛冶屋の技術は高いが量産レベルで?

暴発は?安全性は?


私は机に向かった。


試しによ?あくまで試し。

手工業でも再現出来そうな物は……。


単純構造。機構が比較的簡易。


!?


九四式拳銃。


ミリオタで旧日本軍推しだった私。

図面は、頭に入っている。

正確な寸法までは無理でも、概略は覚えている。


私は紙に触れた。


深呼吸。の中で、構造を組み立てる。


スライド。撃針。撃鉄。弾倉。

トリガー機構。


「……エンジニア」


紙の上に、線が走る。


寸法補正。必要材質。強度推定。

加工難易度。


なっ……!?


引けた。本当に、引けた。

ほぼ実物に近い設計図。

スキルが補正し、不足していた寸法を埋めている。


分析。


必要材料:高炭素鋼、真鍮。

加工難易度:高。

安全性:製造精度に依存。


私は、しばらく動けなかった。


出来る。理論上、出来る。


この世界に銃を。心臓が、強く打つ。

これは魔物対策になる。


一般人でも扱えるだろうし力の差を埋められる。


同時に人も殺せる。魔物だけではない。

人も。私は、紙を見下ろす。


これを出した瞬間に世界は変わる。


戦の形が変わる。

王都が放っておくはずがない。


技術は奪われる。独占される。

兵器は拡散する。


私は、ゆっくりと紙を裏返した。


まだ、早い。今はまだ。

魔石産業が軌道に乗ったばかり。

内政も盤石ではない。


選択肢は、増えた禁じ手。

最終手段。私は小さく呟いた。


「……引けるのね」


設計図は、確かに存在している。

その意味の重さを、私は理解していた。

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