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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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量で稼ぐ

「……やっとね」


私は出荷報告を見ながら、小さく息を吐いた。

滞っていた物流。荷馬車の渋滞。

どうにか――


「解消してきたわね」


流れが戻っている。

出発。到着。積み込み。

すべてが滑らかに回り始めている。

私は軽く頷いた。


「これで……」


在庫が少しは。


「溜まるかしら?」


これまで。作った分がそのまま出ていく。

ゼロ在庫状態。だが今は。


「少し余裕が出るはず」


私は次の資料を見る。


「……中々ね」


出荷量の数字が並ぶ。

一つ一つの単価は低い。

だが――「量」


圧倒的。私は小さく笑った。


「これでカバーしてるのね」


高く売るのではない。

数で押す。回転で稼ぐ。


「悪くない」


むしろ。


「安定するわね」


需要は途切れない。生活に必要なもの。

だから――売れ続ける。

私は椅子にもたれた。


「暫くは」


方針は決まっている。


「大量生産」


止めないし、止められない。

回し続ける。それが正解。


「そのうち」


私は指で机を軽く叩く。


「種類、増やすか」


鍋。フライパン。今は限られている。

生活用品は――無数にある。


「広げれば」


さらに売れる。市場も広がる。

私は少し笑った。


「面白くなってきたわね。まさか」


ここまでとは思っていなかった。

武器。資材。そればかり考えていた。


「生活必需品」


これがここまで強いとは。

私は小さく呟く。


「侮れないわね」


地味だが確実。そして――止まらない。

私は窓の外を見る。動き続ける街。

煙を上げる工房。


「いい流れ」


地下都市は今。“戦うための都市”から――“稼ぐ都市”へと変わり始めていた。


新たな溶鉱炉。


ここでは共通製品の製造を進めている。主に――車両と兵器類。


「……いい回り方してるわね」


私は生産状況の報告を見ながら頷いた。

ゆきちゃん側のライン。


「L6の車体を優先……ね」


私は小さく笑う。


「流石だわ」


あの子らしい判断。機動力と火力。

どちらも確保できる基盤。


「ちゃんと戦場を見てる」


一方で――私は自分のラインを見る。


「ロイド型は……一旦停止」


資源。人員。今は共通生産へ回すべき。

そう判断した。


「間違いじゃない」


私は少しだけ考える。


「……でも」


重機ばかりでは偏る。ロイドは優秀。

だが――


「日常には重すぎる」


輸送。連絡。人の移動。


「小回りが利くものが無い」


これは少し問題。私は腕を組む。


「やっぱり……」


頭に浮かぶ。あの設計。


「くろがね」


小型で軽量。量産向き。


「これ、必要ね」


ロイドとは別系統。役割分担。

それが一番効率がいい。私は小さく頷いた。


「試作くらいなら」


資源もそこまで食わない。

ラインにも負担は少ない。


「やってみる価値はある」


私はペンを手に取る。


「よし」


小さく呟く。


「くろがね、試作車作るわよ」


地下都市は今。

重さだけでなく――“軽さ”も手に入れようとしていた。

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