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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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滞る物流

「……ん?」


私は報告書に目を通しながら、眉をひそめた。


「遅延?」


出荷記録。


いつもなら流れるように更新される。

だが今日は――


「止まってる」


私は顔を上げる。


「文官さん」


「はい」


「これ、どういう事?」


文官が少し困った顔で答える。


「はい……街道で渋滞が発生しております」


私は一瞬止まる。


「……渋滞?」


聞き慣れない言葉だが意味は分かる。


「荷馬車?」


「はい」


文官は頷く。


「出荷量が増えた影響で、一部の区間に荷馬車が集中しております」


私は腕を組んだ。


「……ああ」


思い当たる。出荷量の急増。


「そりゃ詰まるわね」


一本道。すれ違いも難しい場所。

そこに――大量の荷馬車。


「詰まって当然か」


私は小さく息を吐いた。


「事故は?」


「軽い接触が数件。大きな被害はありません」


「ならまだマシね」


私はすぐに思考を切り替える。


「で、どれくらい遅れてる?」


「半日から一日程度です」


私は舌打ちしそうになるのを抑える。


「……結構ね」


この遅れ。そのまま信用に繋がる。


「放置は無理」


私は立ち上がる。


「対処するわよ」


文官が姿勢を正す。


「指示を」


私は即答する。


「まず、出発時間を分散。一気に出すから詰まるのよ」


「はい」


「それと、ルートの整理。往路と復路で分けられる所は分けて」


「承知しました」


私は続ける。


「あと」


少しだけ考え。


「鉄道」


文官が一瞬だけ反応する。


「……使いますか?」


私は頷く。


「一部だけでも回す」


全部は無理。


「負担は減る」


文官が記録する。


「了解しました」


私は窓の外を見る。動き続ける荷馬車。

どこか詰まり気味の流れ。


「……回りすぎたわね」


良い意味で。悪い意味で。

需要と供給。そして――物流。


「全部繋がってる」


一つでも詰まれば全部に影響が出る。

私は小さく笑った。


「面白いじゃない」


問題が出る。


だから――改善する。

私は軽く肩を回した。


「さっさと流すわよ」


初めての“物流の壁”にぶつかりながら――さらに一段、成長しようとしていた。

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