受け入れと警戒
男は部屋を見回しながら、ふと呟いた。
「……ここ、面白そうだな」
私は腕を組んだまま返す。
「何が?」
男はあっさりと言った。
「ここに店出してもいいか?」
「……へ?」
思わず間の抜けた声が出た。
「店だよ、店」
男は当然のように言う。
私は眉をひそめた。
「何売るのよ」
男は肩をすくめる。
「俺は商人だぞ?」
そして軽く指を立てる。
「部下もいし流通もある。情報だって持ってる」
私は黙って聞く。
男は少しだけ真面目な顔になる。
「それに情報収集するなら全く知らん奴より同郷の方がいいだろ?」
私は少しだけ考える。
確かに。情報源としては有用。
それは間違いない。
「……まあ」
私は小さく息を吐く。
「そうだけど」
完全には信用出来ない。
むしろ、出来ない方が自然だ。
だが男はもう結論を出していた。
「なら決まりだな」
私は顔を上げる。
「ちょっと――」
「店の金はこっちで出す」
あまりにも早しそして強引。
私は一瞬だけ考え。
そして肩をすくめた。
「……そうね」
完全に拒絶する理由もない。
近くに置いた方が見える。
私は言った。
「これから建てるからそれまでは宿泊場で過ごして」
男は軽く手を上げる。
「ありがとよ」
そしてそのまま扉へ向かう。
「じゃあな」
バタン、と扉が閉まった。
静寂。
私はその場で小さく息を吐いた。
「……ふぅ」
腕を組む。
「敵か味方か」
判断はつかない。
同郷。それだけで信用するのは危険だ。
「間者の可能性もある」
その方が自然な場合もある。
私はゆっくりと椅子に座る。
「……なら手元に置く方がいい」
見える場所に動きを把握できる位置に。
それが一番安全だ。
私は小さく呟く。
「先ずは警戒」
同郷だろうと関係ない。
良い人間とは限らない。
危険な可能性すらある。
私は目を細めた。
「なら対策すればいい」
それだけの話だ。
その時ふと、頭に一つの案が浮かぶ。
私はゆっくりと笑った。
「……そうね」
盗聴。そして記録。
会話を拾今動きを追う。
私は机の上の紙を引き寄せる。
「盗聴機」
そして続けて考える領
「録音装置」
この世界で再現可能か?
「やるしかない」
私はスキルを使い新しい開発。
それは「見えない監視」の為のものだった。




