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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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都市の転機

こっちに、新たな荷が届いた。

私は搬入された車両を見て、小さく息を吐く。


「……来たわね」


小型蒸気機関車。


ゆきちゃんの領地で開発されたものだ。

コンパクトな車体だが、しっかりとした造り。


私は車体を軽く叩いた。


「悪くない」


文官が横で書類を確認している。


「開発担当者と開発資料、マニュアルも届いております」


私は頷く。


「それなら操縦士と整備士ね」


機関車は便利だが、人がいなければ動かない。私はすぐに指示を出す。


「募集をかけて」


文官がメモを取る。


「承知しました」


鉄道が本格的に動き出す。


それはつまり――

この都市の次の段階だ。


その時、別の文官がやってきた。


「お嬢様」


「何?」


「冒険者ギルドですが」


私は少し笑った。


「来るのね」


文官は頷く。


「はい」


「小規模な支店ですが、設置が決まりました」


私は腕を組む。


「やっぱり」


人口が増えれば自然と来る。


依頼。

討伐。

情報。


この都市は、もうただの開拓地ではない。

私は小さく笑った。


「いいじゃない!よいよい」


文官が少し苦笑する。

これは良い兆候だ。

町として認められた証でもある。


私はふと別の事を思い出す。


「それと、とうもろこしの件」


文官が頷く。


「はい」


「ゆき様の領地から人員が到着予定です」


私は聞き返す。


「どれくらい?」


「四十から五十名ほど」


私は思わず眉を上げた。


「そんなに?」


これは単なる協力ではない?ほぼ移住に近い様な数ね。


私は少し考える。


「……やっぱり。食料状況が厳しいのね」


ゆきちゃんの側は山が多い。

恐らく農地が少ない。

それなら説明はつく。


私はゆっくり頷いた。


「なら、ここでやるしかないわね」


絶対に失敗出来ない。

私は文官を見る。


「機械化農業、人員約五十名」


文官も真剣な顔になる。


「はい」


私は地図を広げた。

開拓予定地。まだ手つかずの草原。


「この条件で回せる限界の広さを出して」


文官が即答する。


「すぐに算出します」


私は続ける。


「優先度は最上位」


鉄も重要だけど食料はもっと重要だ。

私は強く言った。


「絶対に失敗しない」


文官が深く頷く。


「承知しました」


地下では鉄が生まれる。

地上では食料を育てる。


そして人が集まる。私は窓の外を見る。

広がる開拓地。そして呟いた。


「忙しくなるわね」


開拓地は今――

次の段階へと進もうとしていた。

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