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迫りくるモンスター

夜も更けて交代で休んでいる間、俺や栄太さんを含めて主力で話し合いが行われたいた。

「これからどうしましょうか?」

「どうすれば外に出れるか分からないし一旦出ましょうか?」

「いや、入って来たゲートの気配が消えました」

「え?」

まさかゲートの気配が消えたとなると、出られなくなる。

「どうしますか、外との連絡も取れないんです」

「八歩ふさがりですね」

十年封鎖されてないゲートなんだ、何かあるとは思ったがまさか外に出れないなんて。

「お困りかな」

鹿内さんがこちらにきた。

「鹿内さん、貴方今休憩中でしょう?」

「ええ、ですが歳なものでね、目が覚めるのは早いんだ」

「しかし」

「でも、私のGiftはモンスターの探知。此処がもしダンジョン性のあるゲートなら直ぐに分かるでしょう」

ダンジョン、確かにそれなら早く行けるがでも…。

「ダンジョンとなるともっと人数が必要ですね」

「ええ、しかし情報は必要だ」

「はい、やってみます」

そうして鹿内さんは杖を地面に着けて魔法陣のようなものが広がって行く。

「これは…」

「鹿内さん何か分かりましたか」

「此処から南東方向に強力なエーテルが探知出来ました、しかしそれは一つ」

「一つ?」

「ええ、ダンジョン性かと思ったのですがでもこれほどのエーテルとは」

「鹿内さんの経験からしてそのモンスターの等級は?」

「S級です、間違いない」

「そうですか、距離は?」

「歩いて一時間程です」

「分かりました直ぐに向かいましょう」


そうして、ハンター達を起こして直ぐに出発した。

薄曇りの空の下、風は止まり、森は異様な静寂に包まれていた。

「……妙だな」

鹿内が目を閉じ、探知を広げる。

エーテルは削ぎ落とされ、空白が広がる中――ただ一つ、異常な“核”。

「S級……いや、もっと上だ」

その言葉と同時に、背後で草が揺れた。

「やっぱり先に来てたか、爺さん」

軽い声と共に現れたのは、

S級ハンター――栄太和也。

その後ろには、雷のような気配を纏った男。

「先行しすぎですよ、鹿内さん」

如月颯真。

さらにその後方から、地面を踏みしめる重い足音。

「敵の匂いが濃いな……」

黒瀬岳人が拳を鳴らす。

そして――

「間に合ったぁ……!」

「ちょ、待ってください神坂くん!」

高校生コンビ、神坂颯真と桐原栞が駆け込んできた。

鹿内は一瞬だけ目を細める。

「……随分賑やかになったな」

栄太が前に出る。

「単独で突っ込む案件じゃない。協会判断で即席チームだ」

そして、静かに手をかざす。

「――展開する」

足元に淡い幾何学模様が広がる。

戦術構築タクティカル・コード》。

「まずは偵察陣形。全員、感覚が研ぎ澄まされるはずだ」

その瞬間――

空気の“解像度”が変わる。

神坂が目を見開く。

「なにこれ……めっちゃ分かる……!」

「気を抜くな、来るぞ」

鹿内の一言。

――次の瞬間。

森が弾けた。

複数の影が一斉に飛び出す。

「数、多いっすね!!」

神坂が叫ぶ。

「散るな、陣形維持!」

栄太の指示が飛ぶ。

「黒瀬、前衛固定。颯真(如月)、遊撃」

「了解」

「任せろ」

黒瀬が前に出る。

「来いよォ!!」

――ドンッ!!

拳を地面に叩きつける。

衝撃波が広がり、モンスターの足が止まる。

そこへ――

「遅い」

如月が消えた。

次の瞬間には、モンスターの背後。

――バチィッ!!

雷鳴。

一閃で二体を切り裂く。

電子機器がノイズを吐き、空気が焦げる。

「速すぎる……」

桐原が息を呑む。

「今のうち!」

彼女は手を伸ばす。

《アンロック》。

「神坂くん、今です!」

「お、おう!!」

体の奥が“開く”。

「うおおおお!!」

神坂が突っ込む。

未熟な動き――だが、爆発的な成長。

《アセンション》。

戦闘中に、限界を超える。

「はぁぁぁ!!」

振り抜いた一撃が、モンスターを吹き飛ばした。

「……やるじゃねえか」

黒瀬が笑う。

だが次の瞬間。

鹿内の顔が変わる。

「……静かになりすぎた」

ピタリと、戦いが止まる。

残っていたモンスターが、一斉に“引いた”。

「逃げた……?」

神坂が呟く。

栄太が首を振る。

「違う。――“戻った”んだ」

全員の視線が、同じ方向を向く。

森の奥。

そこに――

古びた蔵があった。

「……あそこか」

鹿内が歩き出す。

誰も止めない。

既に全員が理解していた。

“本体”は、あそこだと。

蔵の前に立つ。

扉の奥――

歪んだ“門”。

そして。

「……人?」

桐原が震えた声を漏らす。

そこに横たわる、一人の少女。

制服姿。

息はある。

だが――

鹿内の探知が触れた瞬間。

「っ……!」

一歩下がる。

「どうしました!?」

栄太が問う。

鹿内は低く言う。

「この娘……ただの人間じゃない」

全員に緊張が走る。

門が、わずかに脈打つ。

まるで――

少女に呼応するように。


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