結果
そうして試験当日。
この時期は夏なのでこれから既に出来たがった輪に入って行けるか不安だったがそれでも、そう言うのを考えるのは合格が決まった後にすればいいと思い、今日は景気よく送り出そうと思った。
昨日はかつ丼を食べて受験に勝つなんてゲン担ぎをしたりした。
「じゃあ行って来ます」
「うん、頑張っておいで」
「はい」
「あまり緊張せずに頑張ってください」
「はい、先生」
「先生?」
「それは後で言います」
「分かった」
「では、頑張って行きます」
そう言ってカストラを見送った。
「先生って何?」
「勉強を教えていたらその過程でそう言われてしまいまして」
「随分と楽しそうだな」
「まあそれなりに」
「そうか、まあ楽しめ」
「はい」
受験は午前で終わるがその間は随分とソワソワとしてしまう。
「落ち着きがないですね」
桐生にはばれてしまった。
「まあな、子供がこれから受験する親の気持ちが分かった」
「そうですね、私も子供と受験を乗り越える親の気持ちに触れられた気がしました」
桐生の子供は成長していれば今頃高校生くらいのはずだ、それなりに思い入れもあったのだろう。
「受かれば皆の輪に入れるだろうか?」
「それは受かってから心配することでは?」
「まあそうだが、それでも仮にこれからどんな時間を送ろうとそれは変わらない、カストラのGiftを抑えられるのは俺しかいないんだから」
「そうなんでも背負い込む必要はございませんよ」
「まあ俺が死ぬまでに考えればいいことだ、まだ時間はある」
「はい」
そうして何気なくテレビをつけるとニュースが流れていた。
それはとある議員を何者かが殺し遺体として発見されたと言うことだった。
「これは…」
「会長に電話します」
「分かった」
そうして桐生がスマホを持った瞬間に俺のスマホに着信があった。
『もしもし、どうしました姫野さん?』
『ニュース見ました?』
『今偶々』
『そうですか、実はその遺体について見てほしい物があるのでこちらに来てもらえませんか?』
『分かりました』
そうして電話を切った。
「姫野さんですか?」
「ああ、協会に行こう」
「はい」
直ぐに準備をして車で協会に向かった。
協会に着くと直ぐに姫野さんがいて通してくれた。
地下に向かい遺体安置所に向かった。
その過程では会話はなかった。
部屋の入り口を通ると寒気がした、それは部屋の寒気だけでなく遺体からも感じられるものだった。
「この人が今回の?」
「人と言って良いのか分かりませんが」
「どう言う意味ですか?」
「生態調査をしたらエーテル反応がモンスターだったんです」
意味が分からなかった。
「それは一体?」
「分かりません、でも検査ではモンスターと記録されてました」
何が起きているか分からなくどうにも言えない虚しさが残る。
「これから調査は続けますがどうしても直接見てもらいたくて」
「取り敢えず情報は分かりました、あとは任せます」
「はい」
そうして協会を出た。
もう少し残って色々と調査をしたかったがカストラが帰って来た時に家に居ないことが嫌だった。
そうして家に帰り桐生がお昼の準備をしていた。
「今日はなに?」
「カストラ様が頑張ったご褒美にお昼と夜は頑張りますのでお腹を空かせておいてください」
張り切った様子で料理を始めたので俺は自室に行き、準備を始めた。
様々なアニメや漫画を用いて何か有効になる物がないか確認を始めた。
それが二、三時間経った辺りでカストラが帰って来た。
「ただいまです」
「お帰り、どうだった?」
「まあ精一杯頑張りました」
「そうか、じゃあ後は祈るのみだな」
「はい」
そうして、お昼を食べてその後はテレビを見ることにした。
「あの?」
「ん?」
「その、アニメと言うのはどう言ったものなんでしょうか?」
カストラがアニメに興味を持つとは思えなかったので以外だった。
「アニメ?」
「はい、こちらに来て色々とスマホなどで知って面白そうだと」
「そうか、まあ受験も終わったからな、取り敢えずどんな感じの物語が好きなんだ?」
「えっとほのぼのとした感じのものが」
「ならそれなりにお勧めがあるからあらすじとかを見て何を見るか決めよう」
「はい」
そう言えばこっちに来た際にスマホを契約したのだが、その時と同じ目をキラキラとさせていたので、その風景を思い出いした。
スマホを見ながらこんな便利な物があるのか、と疑問と面白さが勝っていた感じで面白そうだった。
そうして、お昼から夜までアニメを見続けた。
「そろそろ、お風呂に入ってください」
「もうそんな時間か」
「はい」
「カストラ~」
カストラはテレビに引っ付いて見ているので声が耳に入らない様子だった。
「俺が先に入るから後できりが良い所で声をかけてやってくれ」
「かしこまりました」
そうしてシャワーを浴びて湯船に入りながら朝の出来事を思い出していた。
あの議員の遺体はモンスターになっていた、犯人はセブンシンズだと分かる。
だとしたら人をモンスターに変えるのか?
そんなことを考えたいたらさっき見たアニメで使えそうな物があったことを思い出した。
あれを使えば、可能かもしれない。
そう思い直ぐに風呂を出て部屋に戻りイマジンを使った。
暫くしてノックが聞こえた。
「ご飯出来ましたよ」
「ああ、今行く」
そうしてドアを開いたら目の前に桐生がいた。
「あの?」
「ん?」
「何やら部屋が異様に光っていましたが何かありました?」
「いや、まあ色々あってな」
そうしてご飯を食べて、再びアニメをカストラと二人で見続けた。
それから合格の発表までの間アニメだけでなく、俺が持っている漫画なども興味を持って漫画やアニメ漬けの毎日を送っていた。
自分が受験を終えた後だと言う自覚がないのか、それともそれが終わった後の解放感なのか存分に楽しんでいた様子だった。
まあ趣味を見つけてくれたと言う意味では良かったのかと感じて、発表の日になった。
今の時代はスマホで確認できるようになったらしく、時間になるまでカストラと桐生と何度も番号を見て過ごしていた。
「これだけ頑張って来たんだ、後は信じよう」
「は…い」
カストラは緊張でドギマギしていた。
そうなっても時間は過ぎていく。
そうして時間が来た。
「入れました!!」
そうしてスマホを見て画面続けること数秒で…
「ありました!!」
声が震えていたが聞き逃すことはなかった。
「本当か?!!」
「はい、これ」
合格とページにでかでかでと乗っていた。
「良かったな」
「はい、お二人のお陰です」
「いや、頑張ったのでカストラだ。今は取り敢えず頑張ったことに対して喜ぼう」
「はい」
そうしてその日はお昼に軽くチェーン店のハンバーガーを食べて夜ご飯は焼肉を食べるこ
とにした。
家を少し早く出て池袋でアニメイトに行き、これまでカストラがはまったアニメのグッズなど漫画やラノベを買って焼肉店に向かった。
席について、どんどんと肉を頼む。
「こんなお店で焼肉なんて初めてです」
「そうか、十分に食べてな」
「はい」
そういして二時間ほど食べて店を出た辺りで姫野さんからメッセージが来た。
《御影さん、今すぐ渋谷に向かってください。モンスターが出ました》
詳細は分からないがそれを伝えるよりも現場に来て欲しいと言うことだろう。
「桐生」
「はい?」
「カストラを連れて先に帰ってくれ」
「何かありましたか?」
「いや、野暮用だ」
「かしこまりました」
そうして、マイクロポータルで渋谷に向かった。
そこでは地獄絵図が起きていた。




