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86伝説エーペックス  作者: SAI
吾妻GT編
PR
503/534

吾妻編第43話 ちとせのRZ34

若林「なんという衝撃音だアアア!! 抜き去りざまのRZ34のリアが、花のWRXのフロントを無慈悲に叩いたアアア!! ゴフッ!ドギャアアアン!!! まさに獣神の重い一撃ッ!!」

若林「なんということだアアア!! 激しい削り合いの最中、腹切 カナタが不敵に微笑んでいるッ!! 岡田の猛攻を凌ぎ、眞鍋に背後を獲られながらも、その走りはどこまでも軽やかだアアア!!!!」


吾妻スカイライン、セクター3。双竜の辻の立ち上がりで漆黒のGR GTと完全に並走し続ける腹切 カナタは、ステアリングを通して伝わってくるタイヤの「鼓動」を、冷徹なまでに正確に読み取っていた。


腹切 カナタ「運良く意外とタイヤはここまであまり使っていない....!!!! ここからがREVIVE86の本当の勝負だ!!」


カナタの脳内には、四本のタイヤそれぞれの接地面の温度、そして内圧の変化が、まるでデジタルメーターのようにリアルタイムで可視化されている。岡田のパワーに抗うのではなく、そのパワーをタイヤのしなりで受け流し、路面のギャップを「逃げ」として利用することで、摩擦熱を極限まで抑えていたのだ。


岡田 大成「……(この並んでる86は、何かタイヤの使い方が根本的に違う....!!!!)」


岡田は隣を走るハチロクの挙動に、戦慄に近い驚きを覚えていた。自身のGR GTは、500馬力オーバーのV8トルクを路面に叩きつけるたび、タイヤの悲鳴を肌で感じている。しかし、カナタの86は、あれほど激しく踊るようなスライドを見せながらも、タイヤの表面が全く「荒れて」いないのだ。


岡田 大成「(カナタは、恐らくタイヤリアやフロントの低さや高さ……温度がわかっているはずだ....!!! 摩擦の頂点を指先でなぞるような、異常な感覚……!!)」


岡田の脳裏に、かつてこの峠で伝説を残した面影が過る。


岡田 大成「(これは、亡くなったNSXの吉田さんと……あのケイマンのフリス、ちとせのRZ34や腹切 カナタしか分からないことだろう....!!! 上手いぜお前....美味しいターゲットに出会えたものだな....!!!!!)」


岡田は屈辱を通り越し、一流のレーサーとしての歓喜に震えた。自分の目の前にいるのは、ただのハチロク乗りではない。峠の深淵を理解し、タイヤというゴムの塊を自身の神経の一部にまで昇華させた、選ばれし者の一人。


岡田は再びV8エンジンの咆哮を上げ、カナタの神懸かり的なタイヤマネジメントに、自身の「魂のブロッキング」で真っ向から立ち向かう決意を固めた。


若林「岡田が認めたアアア!! 赤い戦闘機の走りは、かつての伝説・吉田、そして今大会の怪物フリスやちとせに匹敵する領域にあるというのかッ!! 選ばれし者たちの、極限の共鳴だアアア!!!!」


エアリ「……ふふ、岡田さんの言葉は重いですね。タイヤの温度を『高さ』として立体的に捉える感覚。……それは、路面と対話できる者にしか許されない神の領域。……カナタさん、あなたがその若さでその深淵に辿り着いているのなら、岡田さんの厚い盾も、もう長くは持ちませんね。……さあ、ダンスのフィナーレを見せてください。」


セクター3のラストコーナー。

タイヤを温存し、牙を研ぎ澄ませたハチロクが、V8エンジンの防壁を突き破るための「最後の一蹴り」を繰り出そうとしていた。


若林「ついに並んだアアアア!!!! 黒いボディの横に、白銀の閃光を纏った赤い戦闘機がアアアア!!!!! 岡田 大成 VS 腹切 カナタだアアアア!!!!!」


吾妻スカイライン、セクター3の最終複合コーナー! ついに、ついにその瞬間が訪れた!!

鉄壁のブロッキングで王者の威厳を保ち続けてきた岡田 大成の漆黒のGR GT。その右サイド、わずか数センチのデッドスペースに、腹切 カナタのTOYOTA 86 REVIVEがその鋭いノーズをねじ込んだ!

タイヤの熱を完璧に管理し、この瞬間のために温存してきたグリップの全てを、カナタはアスファルトへと叩きつける!!


岡田 大成「……バカなッ!! この出口のラインは完全に潰していたはずだ……!! なぜそこからノーズが入ってくる!? まるで、俺のV8の排気熱を避けるように……一番冷えている路面を選んで走ってやがるのかッ!!」


岡田はバックミラー越しに、カナタの「赤い戦闘機」——REVIVE86の強烈な殺気を感じ取っていた。カナタはタイヤの温度を読み切ることで、岡田のV8が撒き散らす熱によるグリップ低下すらも計算に入れ、誰も通らない、誰も通れない「冷たいライン」を独走していたのだ!


腹切 カナタ「……今だ!! 行け、REVIVE86!! オレに……新しい景色を見せてくれ!!」


カナタがアクセルを踏み抜くと、ターボチャージャーが「クオォォォォン!!」と咆哮し、ハチロクの車体が一気に岡田のGR GTと完全に横並びになる!!


若林「並走ォォォォ!!!!! 漆黒のV8重戦車と、魂を宿した280馬力の軽量戦闘機!! トヨタが誇る二つの魂が、セクター3の出口を火花を散らしながら並んで通過していくッ!! どちらも引かない!! どちらも譲らない!! まさにトヨタ同士のガチンコ勝負だアアア!!!!!」


エアリ「……ふふ、鳥肌が立ちましたねー。岡田くんの『王者の防壁』を、カナタくんが『タイヤの知覚』という異次元のナイフで切り裂きました。……岡田くんも、ここで抜かれればトヨタの継承者としてのプライドが許さないはず。……若林さん、このギリギリの並走状態のまま、いよいよダウンヒルの最速区間……セクター4へと雪崩れ込むッスよオオオ!!」


漆黒のボディを削り、火花を散らしながら、二台のトヨタ車は完全にシンクロした状態でセクター3を突破!!

その後方では、この激闘を冷徹に見つめる眞鍋のランエボIXが、銀色の翼を広げて獲物を狩る準備を整えていた。


岡田大成「....うまい!?馬鹿野郎...ッ!!橋から落ちたいのか....!??お前は死にたいのかカナタ....ッ!!!!」


ギャアアアアアアアアア!!!!!!!!


岡田大成「その領域はもう道路じゃなくて橋の先端のハズだぞ...!?

....一体どこ走ってるんだ!!???」


ドガアアアン!!!ぎゅんぎゅうううううううんっ!!!!!!


若林「赤い戦闘機、REVIVE86がGR GTの前に出たアアアア!!!!!! セクター3の最終ターン、タイヤの限界を見極めた腹切 カナタが、ついに漆黒の防壁を突き破ったアアアアッ!!!!!!」


セクター3の出口、複雑な複合コーナーの脱出。パワーで勝る岡田 大成のGR GTがわずかにリアを滑らせた瞬間、カナタのREVIVE86は吸い込まれるように最短ラインを駆け抜けた。280馬力のターボエンジンが過給音を響かせ、V8の咆哮を背後へと追いやっていく。


若林「エアリさん! 今のシーン、振り返ってみませんか? あの鉄壁だった岡田のブロッキングを、カナタはどうやって攻略したんでしょうか!?」


エアリ「……ふふ、明らかに見事なリプレイッスね。スローで見るとよく分かります。岡田くんはV8のパワーを活かそうとして、どうしてもタイヤに『縦』の負荷を強くかけすぎていました。一方でカナタくんは……見てください、このステアリング修正の少なさを。タイヤの温度を完全に把握しているから、滑り出す直前の『最も美味しいグリップ』だけを指先でなぞるように走っています。」

「しかも...まさかの橋でオーバーテイクを仕掛けていきます....。あんな大外から抜くだなんてまるでラリーストのようなテクニックッスね....。鳥肌立って怖くて仕方ありません....ッ。」


モニターには、路面のギャップを柳のように受け流す86と、力でねじ伏せようとしてわずかに跳ねるGR GTの対照的なスロー映像が映し出される。


エアリ「岡田さんが熱でグリップを失いかけた一瞬、カナタさんはあえて岡田さんの排気熱が届かない『冷えたライン』を選んで飛び込みました。……路面の温度変化すら味方につける。それは、かつての伝説的なドライバーたちが持っていた、峠と対話する力そのものです。……岡田さんは負けたのではありません。カナタさんの『異常な知覚』が、物理法則の隙間を縫った……そう言うべきでしょうね。」


若林「よっしゃああああ!!!!岡田のパワーを逆手に取った、まさにタイヤの魔術師!! 86が9位、GR GTが10位! だがすぐ後ろには眞鍋の銀色りエボが迫っている!! 順位を入れ替えたまま、舞台は超高速のセクター4へ突入だアアア!!」

「さあ!先頭グループでは1位山吹 花! 2位フリ...アアアアアアア!!!!! RZ34が吹雪のオーラを纏いながらケイマンのボディを擦り付けながら並んで来ましたアアアア!!!!!!

このままVABが首位を守り切ることができるのかアアアア!!???」


超高速区間セクター4への突入。トップを独走する山吹 花を追う「絶対王者」フリスのポルシェ 718 ケイマン GT4の真横に、物理法則を無視したような加速で日産 フェアレディZ RZ34が躍り出た。

先ほど、フリスの「手品(トリック)」によってコンマ数秒のフリーズを強制され、屈辱の3位に甘んじていた「氷雪の獣神」ちとせ。彼女の仮面の裏に隠された、タチの悪い絶対零度の殺意が、ついに火を噴いたのだ。


ドッガガガガガアアアン......ッ!!!!!


ちとせ(逃がしはしない...ッ!この絶対零度から....ッ!!!!)


ぐおおおおおおおんんっ!!


カーボンとアルミニウムが激しく削れ合い、青白い火花が夜のダウンヒルを昼間のように照らし出す。ちとせは、あえて自らの車体をフリスのポルシェに物理的に叩きつけ、その強烈な荷重と『絶対零度の冷気』をフリスのタイヤへと直接叩き込んだ。


ちとせ「もへ〜..フリスちゃ〜ん♪ このコーナーで抜かせてもらうね〜☆」


蒼色のロングヘアを揺らし、もふもふの萌え袖でステアリングを握るちとせの口元は、これ以上ないほど穏やかで楽しげな笑みを浮かべていた。しかし、そのブルーグレーの瞳から放たれるのは、すべてを死へと誘う冷徹な光。


フリス「(なっ……!? 並んだままだと……この我の『コットンアイススノー』が、彼女の放つ絶対零度の圧力に押し潰されていくッ!? なんというタチの悪い……文字通り、芯から凍らされるような重圧だ……ッ!!)」


可憐な少女の容姿をした絶対王者、フリス。彼女の顔からは余裕が消え、ステアリングを通じて伝わるRZ34の圧倒的な「質量」と「冷気」に戦慄していた。ちとせの冷気は、フリスの甘い雪を物理的に「停止」させ、ケイマンの駆動系すらも凍結させんばかりの勢いで侵食してくる。


若林「ちとせがあああッ!! 先ほどのお返しと言わんばかりのえげつない肉弾戦!! 能天気な少女のフリスを、氷雪の獣神がその巨大な牙で噛み砕こうとしているッ!! まさに極寒の共食いだアアア!!!!」


エアリ「……ふふ、ちとせさんの『お仕置き』が始まりましたね。フリスさんの心理戦に対して、ちとせさんは純粋な『暴力的な冷気』と『物理的な接触』で答えました。……フリスさんの繊細な計算式は、ちとせさんの放つこの理不尽なまでのマイナスのエネルギーの前では、ただの紙屑に等しい。……フリスさん、早くその能天気な仮面を捨てないと、本当にRZ34の重厚なボディと彼女のRZ34を取り巻く吹雪に押し潰されてしまいますよ?」


超高速の緩やかなカーブ。二台の氷雪マシンは、激しくボディを擦り合わせ、火花と氷柱を撒き散らしながら、一歩も譲らぬままセクター4の最深部へと消えていく。


若林「なんという衝撃音だアアア!! 抜き去りざまのRZ34のリアが、花のWRXのフロントを無慈悲に叩いたアアア!! ゴフッ!ドギャアアアン!!! まさに獣神の重い一撃ッ!!」


超高速のセクター4、ダウンヒルがさらにその傾斜を増す中。トップを奪い返したちとせのフェアレディZ RZ34は、ただ前へ出るだけでは飽き足らなかった。

山吹 花のWRXをパスする瞬間、ちとせは意図的にテールをスライドさせ、重厚なリアバンパーを花のフロントフェンダーへと叩きつけたのだ。


山吹 花「……っ!」


激しい衝撃と共に、WRXのステアリングが激しく暴れる。花は沈黙し、歯を食いしばってマシンをねじ伏せるが、その瞳には屈辱と怒りの炎が静かに、しかし激しく灯っていた。氷の女王としてのプライドを、ちとせは文字通り物理的な暴力で踏みにじったのだ。


ちとせ「ひゃっほほっほほ〜い♪ もへ〜……やっぱりおじさんが一番だねぇ☆ 花ちゃん、今の『おじさんキック』、効いたかなぁ〜?」


若林「ちとせのテンションが完全におかしいことになっているウウウ!! ひゃっほほっほほ〜いと叫びながら、夜の吾妻を爆走していく!! まさに氷雪の獣神、覚醒だアアア!!!!」


エアリ「……ふふ、ちとせさん、完全に楽しんでいますね。あののんびりとした『おじさん』の面影はもうどこにもありません。……自分を追い抜いた生意気な後輩たちに、格の違いを物理的に教え込む。……若林さん、今のちとせさんの笑い声、山々に反響して地響きのように聞こえますよ。」


フリス「(っ……あの女、我を弾いただけでなく、花まで力ずくで……!! なんという野蛮な、そして圧倒的な実力だ……!!)」


3位まで後退したフリスも、ちとせの狂気じみた速さとテンションに戦慄を隠せない。

1位に返り咲いたちとせは、吹雪のオーラをさらに巨大化させ、後続を突き放すべくセクター4の闇へと消えていく。


若林「ちとせの独走が始まったアアア!! 花、そしてフリス!! このまま獣神の背中を見送るしかないのかアアア!!??」


若林「なんという衝撃音だアアア!! 抜き去りざまのRZ34のリアが、花のWRXのフロントを無慈悲に叩いたアアア!! ゴフッ!ドギャアアアン!!! まさに獣神の重い一撃ッ!!」


超高速のセクター4、ダウンヒルがさらにその傾斜を増す中。トップを奪い返したちとせのフェアレディZ RZ34は、ただ前へ出るだけでは飽き足らなかった。

山吹 花のWRXをパスする瞬間、ちとせは意図的にテールをスライドさせ、重厚なリアバンパーを花のフロントフェンダーへと叩きつけたのだ。


山吹 花「……っ!」


激しい衝撃と共に、WRXのステアリングが激しく暴れる。花は沈黙し、歯を食いしばってマシンをねじ伏せるが、その瞳には屈辱と怒りの炎が静かに、しかし激しく灯っていた。氷の女王としてのプライドを、ちとせは文字通り物理的な暴力で踏みにじったのだ。


ちとせ「ひゃっほほっほほ〜い♪ もへ〜……やっぱりおじさんが一番だねぇ☆ 花ちゃん、今の『おじさんキック』、効いたかなぁ〜?」


若林「ちとせのテンションが完全におかしいことになっているウウウ!! ひゃっほほっほほ〜いと叫びながら、夜の吾妻を爆走していく!! まさに氷雪の獣神、覚醒だアアア!!!!」


エアリ「……ふふ、ちとせさん、完全に楽しんでいますね。あののんびりとした『おじさん』の面影はもうどこにもありません。……自分を追い抜いた生意気な後輩たちに、格の違いを物理的に教え込む。……若林さん、今のちとせさんの笑い声、山々に反響して地響きのように聞こえるッスよー...。おっかない....ッ!」


フリス「(っ……あの女、我を弾いただけでなく、花まで力ずくで……!! なんという野蛮な、そして圧倒的な実力だ……!!)」


3位まで後退したフリスも、ちとせの狂気じみた速さとテンションに戦慄を隠せない。

1位に返り咲いたちとせは、吹雪のオーラをさらに巨大化させ、後続を突き放すべくセクター4の闇へと消えていく。


若林「ちとせの独走が始まったアアア!!

花、そしてフリス!! このまま獣神の背中を見送るしかないのかアアア!!??」

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