86伝説エーペックス ティザーストーリー
86伝説エーペックス6thSEASON
7月17日から開始!!!
この内容はこれからの86伝説の描写があります。よろしくおねがいします。
ネタバレはしてません。
山吹 花「『女王』? ……ふん、安っぽい称号ね。あたしはただ、身の程知らずな雑魚を掃除しただけよ? 道路交通法とかマナーとか、そういう退屈なルールに縛られてる凡人どもに、本当の『速さ』と『絶望』を教えてあげてるの。感謝してほしいくらいだわ!」
フリス「そろそろ我の目の前から消えろ......ッ!!!」
エアリ「……的確な判断ッスね。現在のフリスさんは、サテラを弄びながらも、全体ベストに近いタイムで巡航しています。カナタくん、後ろの『痴話喧嘩』に巻き込まれている場合ではありませんッスよ!!!!」
サテラ「ボクが……エボの足を引っ張ったって言うの……? フリスちゃん……君は……」
エアリ「……辛辣ですが、真理です。弘法筆を選ばずと言いますが、今のサテラさんは筆の性能に甘えて、筆使い(ドライビング)をおろそかにしていました。フリスさんは、それを見逃さなかっただけです。……残酷な授業料ですね。」
セノ「そうさ... あのR35 GT-R NISMOは、ECUは俺が組んで... 残りのセッティングや足回りは大塚がやっているんだ。わかるか? アランにマヒロ。」
相川 律「こんな所でただのヘタレでくたばって溜まるかよっ!!!」
柊 蒼真「せっかく予選2位なんだ.....!! この調子で気持ちよく1位でゴールしたいのに、あのZが邪魔だ....!!!」
柊 蒼真「なっ!? なんだ今の動きは!? FRのZが、あんなラインで曲がれるはずがないッ!!」
ちとせ「もへ〜......。じゃあね〜、柊く〜ん。ちょっとだけ、頭を冷やしてきなよ〜......。」
次のヘアピンカーブ。蒼真は通常よりもはるかに遅いタイミングでブレーキペダルを踏み込み、FL5のノーズをちとせのZのイン側へと強引にねじ込もうとした。
だが、その瞬間だった。
ちとせ「せっかく予選2位だったんだからさ〜、そのまま2位で満足しておけばよかったのにね〜......。おじさんの前を走ろうなんて、ちょっと身の程知らずじゃないかなぁ......?」
眞鍋 琉世「......殺す。全員殺す......!! 俺はまだ終わっちゃいねぇ......!! ランエボの底力、見せてやるッ!!!」
腹切 カナタ「遅くなったのか......!? 確かに直線じゃ置いていかれるッ......!!
だけど、この86はコーナーじゃ誰よりも速いんだよッ!!!!」
「このままだと...負けてしまう!なにかこの難題を脱出する術はないのだろうか....?」
相川 律「……悪いな、美保。お前の走りが成長したのは認める。だが、兄貴としてお前をこのまま行かせるわけにはいかないんだ。Rの真髄、俺がここで教えてやる……ッ!!」
律は、R35の圧倒的なトルクを路面に叩きつけ、4WDのトラクションで美保のインサイドを強引にこじ開けにかかる。アテーサE-TSが限界まで演算を繰り返し、フロントタイヤが路面を噛み砕くような衝撃がコクピットを揺らす。
相川 美保「……お兄ちゃん! 私はもう、お兄ちゃんの背中を追いかけるだけの女の子じゃないんだよッ!! 400Rが刻んできたスカイラインの誇り、見せてあげるんだからッ!!」
柳津 雄介「俺は一度決めたら止まれねえんだよ!! さっきのイヨへの敗北、そして菜園との泥仕合……そのすべてのリベンジだッ!このM4でねじ伏せる!!」
若林「極限のバトルをプッシュがさらに煽るゥ!! コーナー、インサイドを強奪したのは……赤い戦闘機か、それとも青い桜狼かアアアアッッ!!!!」
WRX STIのエンジンが、花の咆哮に呼応してリミッターギリギリの回転数まで跳ね上がる! 花の手が桜色の炎を掴んだ瞬間、マシンの挙動から一切の迷いが消え、物理法則を無視したような旋回スピードでコーナーを立ち上がっていく。その圧倒的な加速は、背後に迫っていたフリスのケイマンを一瞬で突き放した!
フリス「……っ!? なんだ今の加速は……!? 1周目とはマシンの『重み』が違う……! 花、お前、一体何に目覚めたんだッ!?」
イヨ「普段はね、毎日押し入れでパソコン夜もカタカタいじりながら、お菓子食べてもこもこのわたあめに包まれてるけど……レースになったらイヨ、負けないからね!! 画面の中の戦いも、この吾妻の戦いも、イヨにとっては全部『絶対にクリアするゲーム』なんだからッ!!」
若林「あああああああッ!! トンネル内の超高速域、時速300キロの壁を超えた聖域で、さらなる火花が散ったアアアアッ!! 6位のイヨちゃん、その白いGRスープラが放つ濃いピンク色の重力波動が、前を行く腹切 カナタを完全にロックオン!! ん? GRスープラが赤い戦闘機に仕掛けるッ!!!」
(ギュオオオオオオオオンッ!!! ズバババババッ!!!)
若林「……ッ!! 物理法則を嘲笑うかのような遠心力への抵抗!! GRスープラをまたREVIVE86が抜き返したアアア!!!! まさに執念、まさに『蘇った86』だアアアアアアッ!!!」
イヨちゃん「そんな..イヨの前で何をしたの!? 溝にタイヤ引っ掛けてたけど...!! えっへん☆……なんて言ってる場合じゃないよぉ! 重力で地面を重たくしてたのに、カナタお兄ちゃん、溝を使って重力を無視しちゃうなんて……そんなの、そんなのずるいよーーーっ!!」
菜園 宗一郎「次はそこのピンクの服きたちっこいのと、お前だアアアアアア!!!!!! 若造どもに吾妻の頂点はまだ早いッ!! 俺から逃げれると思うなよオオオオ!!!!!」
若林「ついに並んだアアアア!!!! 黒いボディの横に、白銀の閃光を纏った赤い戦闘機がアアアア!!!!! 岡田 大成 VS 腹切 カナタだアアアア!!!!!」
腹切 カナタ「……今だ!! 行け、REVIVE86!! オレに……新しい景色を見せてくれ!!」
若林の絶叫が、スタートラインに漂う緊張感を一気に加熱させた。
若林「続いては10人目!前戦は、インフルエンザで欠席を取りましたが今回はそうはいかないッ!!黒カラスの帝王!松島で赤い戦闘機を倒したこの男!黒川海斗ッ!!!!」
漆黒のランサーエボリューションIX MRが、野太い排気音を轟かせてゲートに滑り込んできた。
エボ特有の直列4気筒ターボが、獲物を前にした獣のように唸り声を上げている。
だが、車内の黒川海斗は、カメラに向かってふざけきった表情を作ってみせた。
86伝説エーペックス蔵王編 11月上旬開幕へ
黒川海斗「バブー☆おかあちゃ元気〜?」
その挑発的な視線は、ピットで待機している山吹花へと向けられていた。
山吹花「……アンタは毎回毎回イイイイ!!!!」
花は我慢の限界を超え、車を降りて黒川の元へ詰め寄ると、その脛を全力で蹴り飛ばした。
ゲシッ!ガシッ!!!バキイイッ!!
若林「黒川海斗、スタートッ!! 荒々しい!! 相変わらず接触を恐れない狂気を感じるスタートだアア!!」
黒川海斗「頼もしいぜ...4G63はよォ.....ッ!!!!」
山吹花「ごめんねッ! 芽衣、伊藤くん、カナタくん、ちとせッ!!」
車内でハンドルを叩き、花は悔しさに唇を噛んだ。
妹に背中を見せると誓い、仲間の期待を背負って走った15キロ。
その最後で見せた微かな綻びが、彼女を暫定6位へと押し止めた。
だが、そんな彼女の感傷を粉々に打ち砕く声が響く。
黒川海斗「おかあちゃスピンしたのー? おめでとう〜♡」
ゴール後の待機エリアで、黒川がニヤニヤしながらエボから身を乗り出していた。
山吹花「……スピンじゃなアアアアアい!!!!! おかあちゃも二度と言うなアアア!!!!!」
クレア「ま、どうせ我のブラックホール幅寄せで事故るんじゃろーな☆」
フブキが残した鉛色の静寂を切り裂くように、金属的な高音がスタートラインに響いた。
若林「さあ、予選はさらに過酷なステージへ!!14人目は銀の戦闘機!!眞鍋琉世、エボIXがゲートに現れたアアア!!!」
眞鍋琉世「どうせまた俺の事罵倒すんだろ? 大人しく犬のエサでも食ってなよ」
その毒を孕んだ言葉は、いつもの「生意気な眞鍋」そのものだった。
だが、今の花は、黒川とのやり取りで「ツッコミの導火線」が最短距離まで短くなっていた。
山吹花「そんなことしねエエエエエ!!!!! 何考えてるのよアンタアアア!!!!」
花の怒号が蔵王の山々に響き渡ると同時に、鋭い蹴りが琉世の乗るエボのタイヤ付近を襲った。
ゲシッ!!!
サテラ「いくよ、ボクの相棒! ちとせさんが驚くような、最高に冷たい水飛沫を見せてあげようねッ!!」
相川律「よっしゃアアア!!! この先輩の力とくと見やがれエエ!!!
一瞬で森下やRomaにエミーラ蹴散らしてやんよオオオ!!!!」
律はアクセルを軽く煽り、VR38DETTの咆哮を夜空に突き刺した。
彼にとって、暫定1位の遊矢も、2位のカリンも、すべてはR35という怪鳥が飲み込むべき獲物に過ぎない。
ギャアアアアアア!!!!
ずざあああああああああああああ……!!!
相川律「んなあああああああ!!???」
白い怪鳥は、路面を掴む力を完全に失い、独楽のように激しく回転を始めた。
若林「相川律がアアア!! R35 NISMOごと360度スピンしながらアンダーで飛んでいくウウ!!!!」
マシンのノーズは、ゴールラインとは全く別の方向、ガードレールの途切れた「奈落」へと向けられた。
律の悲鳴と共に、数千万円のR35は真っ白な雪煙を上げながら、コース外の深い闇へと吸い込まれていった。
ぴゅーん……。
一瞬の静寂の後、遠くの方で雪が崩れる音だけが響いた。
腹切カナタ「……」
カナタは、モニターに映し出された静止画のような雪煙を見つめ、ただ言葉を失っていた。
あんなに熱く自分を応援してくれた人の、あまりにも無惨な幕切れ。
山吹花「……ッ!? え? ちょっと待って、何が起きてるのよ!! あのフリスが、あんな鈍いタイムで走るわけないじゃないッ!!」
花はモニターに掴みかかるようにして、ケイマンの車載映像を凝視した。
エンジン音は完璧、ライン取りも精密。だというのに、速度計の数字だけが、現実味のない低空飛行を続けている。
岡田大成「へ? 嘘だろ……。俺のタイムより下なんて、天変地異でも起きない限りあり得ねえぞ」
大成は信じられないといった様子で、何度も自分の目を擦った。
山吹芽衣「……カナタくん、見て。フリスさん、あんなに怒ってるの初めて見たよ」
芽衣は、フリスから放たれる圧倒的なプレッシャーに身をすくめながらも、隣に立つカナタの腕を優しく抱きしめた。
若林「あああ!! 失礼しました! 古田のりあき、エントリー確認しました! とりあえず……ビリに入れておきます!」
その瞬間、山吹花が運営テントのパーテーションを蹴破るような勢いで飛び出してきた。
山吹花「ビリって何よ! 運営!! あんたたち、適当なこと言ってんじゃないわよッ!!」
相川律「カリンさんのラインは完璧だ。……だが、完璧すぎて遊びがない。花、あのアタックは長くは続かないぞ。どこかで必ず反動が来る」
10位を走行する相川は、カリンの走りを冷静に分析し、クールな声で無線を飛ばした。彼はスイスポの4WDシステムを駆使し、硝子の光を浴びながらも、虎視眈々と前方のリリィやフブキの隙を狙っている。
山吹花「相川、分析はいいから今は走りなさいよッ!! 私たちはあの光の中に突っ込むしかないんだからッ!!」
花はWRXのブースト圧を上げ、カリンの光とフリスの雪が混じり合うカオスな戦場へと、電撃を纏いながら突き進む。
若林「さあ、シグナルが点灯しますッ!! 蔵王の頂点に立つのは誰かッ!! 24台の化け物たち、今、解き放たれますッ!!!!」
シグナルがオールレッドに染まり……。
ブラックアウトッ!!!!
ドガガガガァァァッ!!!!
24台の排気音が爆発し、雪の壁の狭間へと一斉に吸い込まれていった。
若林「さあ、低速バンク……うおっと! 430が立ち上がりでNSXに仕掛けたアアア!!!!」
若林の絶叫と共に、SC430のV8エンジンが重厚な咆哮を上げ、NSXのインサイドへ強引に鼻先をねじ込んだ。
高橋勇太「ふざけるなアアア!!!!」
高橋勇太はステアリングを握り締め、MR特有の鋭いレスポンスでラインを死守した。
がッ!!!!
金属が擦れ合う不快な音が静寂を切り裂く。
若林「しかし、さすがのNSXとあの高橋だアアア!!! 簡単にはいかせまいッ!!!!」
高橋は冷静にマシンの姿勢を立て直し、SC430の突進を最小限の接触で弾き返した。
バニラ「流石、私の弟子だな。高橋のNSXってミッドシップだけど、430はコーナリングには程よい馬力だからな。しかもTOMS仕様の430で」
解説席のバニラは満足げに腕を組み、愛弟子の粘り強い走りに目を細めた。
バニラ「430は重いが、あのTOMSのセッティングは侮れない。だが、高橋は私の教えを忘れていないようだな。氷の路面でMRを御すのは至難の業だが、あいつは今、完全に車と一体化しているッ!!」
伊藤翔太「……高橋か。後方もかなり荒れてるな。だが、あいつなら大丈夫だ。バニラさんに鍛えられただけあって、守りは鉄壁だよ」
10位をキープする翔太は、後方の混乱をバックミラー越しに冷静に確認し、クールな声で分析した。彼は前方の順位変動を虎視眈々と狙いながら、スイスポの安定した姿勢を維持し続けている。
若林「ん? アアアアア!!?? 80スープラが滑り込みすぎてしまうウウウウ!!!!!」
若林の悲鳴が蔵王の霧を切り裂いた。先頭を行く東條ヒカルが、勝利への焦りからかブレーキングポイントを僅かに誤った。
ギャアアアアアアッ!!!!!
東條ヒカル「しまった!! アンダーステアを出しすぎてしまったアア!!!!!」
東條ヒカルはステアリングを必死に修正しようとしたが、2JZエンジンの大トルクが災いし、重たい車体が外側の雪壁へと吸い寄せられていく。
若林「東條ヒカルスピイイイイン!!!! さらに同じラインを後ろから張り付き走っていた山吹芽衣、内藤セリナもスピイイイイン!!!!」
フリス「……っ!?」
ケイマンGT4のフロントガラスに、見覚えのない氷が張りついた。コットンアイスではない。もっと荒々しく、もっと野蛮な氷。山の氷。自然の氷。フリスのコットンアイスが通用しない――いや、自分の冷気を相手に利用された。絶対王者が初めて味わう感覚だった。
その動揺の隙を、ちとせは逃さなかった。
ギュアアアアアアアッ!!!!
RZ34のVR30DDTTが、今日一番の咆哮を上げた。ちとせの右足がアクセルを床まで踏み抜き、AWDの4本のタイヤが凍結した路面を鷲掴みにする。自分が凍らせた路面を、自分だけが走れる。獣神だけに許された絶対的なアドバンテージ。
RZ34がケイマンGT4の前に、力ずくでねじ込まれた。
ちとせ「おじさんを……舐めないでねッ!!!!!!」
リリィ「黒川海斗……あなたにはこうなってもらうわ!!!!!」
声は低く、冷たかった。だがその中に、確かな闘志が燃えていた。
リリィの右手がステアリングを切ると同時に、ヴァンテージの車体から白い冷気が爆発的に放出された。ちとせの吹雪やフリスのコットンアイスとは異なる、もっと暴力的な冷気。空気中の水分が一瞬で氷結し、微細な氷の針となって周囲に撒き散らされる。
ドガアアアアアアン!!!!!
ヴァンテージが加速し、エボIX MRの右横に並びかける。その瞬間、リリィの絶対零度のオーラが海斗のエボIXを直撃した。
パキイイイイン……ッ!!!
黒いエボIX MRの左側面に、一瞬で白い霜が走った。ドアパネルからフェンダーへ、フェンダーからボンネットへ。まるで氷の蔦が這うように、凍結が車体を覆っていく。
黒川海斗「……ッ!!!!」
海斗は咄嗟にステアリングを切った。だが遅かった。
パリイイイイイインンン!!!!!
エボIX MRの車体が真っ白に凍りついた。ほんの一瞬だったが、その一瞬ですべてが変わった。フロントガラスが白く曇り、視界がゼロになる。タイヤのグリップが瞬間的に消失し、AWDの制御が乱れる。4G63ターボの吸気が凍結し、エンジンが一瞬だけ息を詰まらせた。
七ヶ宿湖畔の高速ベント。緩やかな右カーブを、2台が横並びで突入していく。凍りついたエボIXが膨らみ、その内側をイエローメタリックのヴァンテージがすり抜けるように通過した。
若林「高速ベントオオ!!! ヴァンテージ突っ込みましたああああ!!!!! 黒川海斗も負けていないイイ!!!!!」
バニラ「公道レースに審議などない。生き残った者が正義だ。……だがリリィの本当の恐ろしさは、あの冷静さだ。怒っていない。復讐でもない。ただ"効率的に順位を上げた"だけだ。感情がないからこそ、あそこまで冷酷になれる」
黒川海斗「弁当?」
5位を走る黒川が、無線の混線を突いて阿呆のような声を出す。
山吹花「ベント!! 高速ベントだよ!!!!
嫌なこと思い出させないで! 配達員石井を思い出すじゃん!!!」
7位の花は、過去に起きた忌まわしい出前事件を想起して絶叫した。しかし、その怒りさえも今はWRXの過給圧を跳ね上げる燃料に変わる。
山吹花「ベントッ!!レースするならそんくらい覚えなさいッ!!!」
若林「おっと! 後方で……ウラカンが抜けたああああ!!!! フブキのエミーラが抜かれたアアアア!!!!!」
氷のドラゴンの息吹がエミーラの車体を掠めた瞬間、鉛色のエミーラの左サイドが一瞬で凍りついた。タイヤのグリップが消失し、コーナーの出口でエミーラがアウトに膨らむ。その内側を、セシルのウラカンが氷の軌跡を残しながらすり抜けていった。
フブキ「……ッ!!!!」
フブキの狐耳が鋭く逆立った。ぶっきらぼうな表情の奥に、悔しさが滲んでいた。先ほどまでクレアと一進一退のバトルを繰り広げていた。その消耗がまだ残っている。鉛色の吹雪を展開する余力が足りなかった。
抜かれた。それも、一瞬で。バトルですらなかった。セシルのウラカンは、フブキと戦ったのではない。ただ通過しただけだ。伊藤を追いかける道の途中にいた障害物を、排除しただけだった。
フブキ「…………」
狐耳がゆっくりと伏せられた。小さな拳がステアリングを握り締める。
フブキ「……覚えた」
短い言葉。だがその声の奥底に、鉛色の吹雪がじわりと渦巻いていた。今は追えない。だが、いつか必ず。
若林「セシル選手、伊藤選手への怒りが止まりません! その勢いでフブキ選手を抜き去りました!」
86伝説エーペックス 新城編 一部チラ見せ!
若林の絶叫と共に、ハチロクのフロントライトが、r526本宮山スカイラインへの入口となる鋭い角を照らし出した。
サツキは、そのコーナーの形状をモニター越しに注視し、紫色の杖を握り締めた。
サツキ「ここ、少し序盤から難しいのお。だって110度ぐらいの角度の微妙な位置取りをしたところから侵入せねばならない場所じゃ。見ろ。少し本宮山スカイラインへの入口が直角に見えても、入った時にはもう気づくのが遅く、アウトに膨らんで終わりなはずじゃ」
サツキの指摘は、物理的な限界を見据えたものだった。
速度を乗せすぎれば曲がりきれず、落としすぎればタイムを失う。
だが、腹切カナタの視界には、誰にも見えない「赤い閃光のライン」がはっきりと浮かんでいた。
キキィィィ!!!! ギャンッ!!! ドゴアアアアアア!!!
タイヤが路面を噛み潰すような凄まじいスキール音と共に、ハチロクのリアが僅かにスライドした。
腹切カナタは、ステアリングを最小限の動作で操作し、110度の罠を吸い込まれるような旋回でクリアしていく。
アウト側の縁石ギリギリを掠め、ハチロクは失速することなく、そのまま本宮山のヒルクライムセクションへとノーズを向けた。
若林「普通にいきましたよ.....?」
若林「しかしその先は.... 360度の本宮山スカイライン名物コークスクリュー!!!!」
若林の絶叫が響く中、腹切カナタの視界から路面が消失した。
急激な右への回り込みと同時に、視界が奈落の底へと引き摺り込まれるような凄まじい高低差。
赤いトヨタ86REVIVEは、その崖のようなセクションに対して、一切の躊躇なく鼻先を突っ込んだ。
腹切カナタ「..... ッ!!!」
腹切カナタは、ステアリングを左に僅かに切り、マシンの挙動をあえて不安定な領域へと投げ出した。
次の瞬間、赤い戦闘機がふわっと一瞬飛ぶ。
四輪が路面を離れ、重力から解放されたハチロクは、空中で放物線を描きながら、本来なら激突するはずの左側スレスレのラインへと着地した。
ぎゃぎゃぎゃああああああああんっ!!!!
着地の反動を、腹切カナタはすかさずアクセルワークで滑らせていく。
その神業とも言えるシーンを、ライブ配信のスマホでホテルから見ていた相川律と伊藤翔太は、言葉を失って画面を見つめていた。
相川律「おー! ... すごい飛距離だな! ギリギリ膨らむ寸前まで飛ばせたんじゃねぇのか?」
伊藤翔太「だよな。これはオレにもできない.....。あそこであのラインに乗せるなんて、正気じゃねえよ」
相川律は、冷や汗を拭いながらハチロクの軌道を脳内でトレースした。
蔵王での苦い記憶、頂上から池まで真っ逆さまに落ちるような死のイメージが脳裏を掠める。
相川律(わかるんだよな... こういうカナタの強み。ラリー大会でも四苦八苦するこの本宮山スカイラインのワインディングのパターンも、さっきのコークスクリューも全部頭にローディングしてやがる..... ッ!! 普通はあそこで飛ぶのは自殺行為だ..... ッ!!)
相川律の瞳には、かつて見たラグナ・セカの光景が重なっていた。
上から一気に下へと誘う、三次元的な感覚の暴力。
相川律(普通なら安全な右ラインを選択するはずなのに... カナタの奴、左スレスレで飛びやがったな? .... あんな優しそうな顔してて... なんでこんなに狂気じみた走りができるんだ.... ?)
若林「コークスクリューを越えてここからセクター3!!! ここまで文句なしの全くのコースレコードを記録中!!!」
実況席の若林は、モニターに表示される異次元のタイムに震えていた。
だが、新城の牙はまだ終わらない。
新城ラリーの猛者たちでさえ足をすくわれる、悪名高きバンピーな路面がハチロクの行く手を阻む。
若林「この先、新城ラリーではバンピーな路面で足をすくわれていました!! ものともせず腹切カナタがいくッッッッ!!!!!!!」
ドッ!! する.... っべゴンッ!!!
ギャアアアアアアアアアアアンン!!!
路面の不規則な突起に足元を掬われ、赤いハチロクのテールが大きく外側に振り出された。
ガードレールが迫る。
だが、腹切カナタのカウンターは、マシンの挙動が乱れるよりも一瞬早く、既に当てられていた。
若林「うわ!やっぱり1度は滑らせるも... すぐに鮮やかにコントロールしてみせます!! マシンコントロールも凄まじい素早さッ!!! まるで神を見てるかのようです!!!!」
サツキ「……くくく。神、か。あやつ、自らの恐怖心を燃料にしておるな。滑ることを恐れず、むしろ滑ることで次のコーナーへの最短距離を稼いでおる。恐ろしい男じゃ」
腹切カナタの瞳は、一点の曇りもなく、ただひたすらに前方のゴールラインだけを捉えていた。
赤い戦闘機は、もはや物理法則の限界さえも「最適化」の一部として取り込み、新城の夜を焼き尽くしていく。
赤いトヨタ86REVIVEは、セクター3の荒れた路面を、まるで水面を滑る石のように軽やかに、そして力強く駆け抜けていた。
ターボチャージャーの過給音と、水平対向4気筒特有の乾いたボクサーノートが、夜の「道の駅つくで」の静寂を粉々に砕き散らす。
若林「赤い戦闘機が速くなってるのかああああ!!?? セクター3の道の駅手前のつくで直角コーナーを通過あああ!!!」
山吹花「ミルキークイーン! うふふうっさいわアアアア!!! 藤原うふふ店ってアンタのレクサスにデカール貼ってやるぞ!??」
ミルキークイーン「あらあら〜..... 花様、そんなに大きな声を出しては、喉を痛めてしまいますわよ〜.....☆ 藤原うふふ店.....? まぁ、わたくしに相応しい、とっても可愛らしい響きですわね〜.....♪ うふふ♡」
津軽半島の最北端、龍飛岬を吹き抜ける風がさらに鋭さを増した。
階段国道の起点に立つ少女は、紳士服の襟元を正すと、穏やかな表情のまま深く、静かに息を吸い込んだ。
そして彼女は、空気中に極寒のチョコアイスの吐息を優しく放った。
少女の唇から零れ落ちたその吐息は、目に見えるほどの白い霧となり、瞬時に周囲の空気を凍りつかせた。
それは単なる冬の吐息ではない。
濃厚なカカオの深みと、上質なミルクの甘みが混ざり合った、まるで最高級のチョコレートアイスをそのまま氷晶に変えたような、甘美で残酷なまでの極寒。
シュオオオオ……ッ。
吐息が触れた手すりや、階段の石段が、瞬く間に薄い氷の膜で覆われていく。
しかし、彼女自身の表情には厳しさはなく、どこまでも包容力のあるおおらかな微笑みを保ったままだった。
彼女から立ち昇るチョコレートの香りは、この極寒の吐息によってさらに際立ち、荒涼とした北の岬に場違いなほどの甘美な空間を作り出していく。
???「あら……少し冷やしすぎてしまったかしら。でも、この龍飛の厳しさには、これくらいの甘さがちょうどいいのよ」
彼女は自らの手が生み出した氷の結晶を愛おしそうに見つめ、ゆっくりと歩みを進める。
一歩踏み出すごとに、彼女の紳士靴が氷をパキリと踏み砕く音が響いた。
背後に残された漆黒のアルピーヌA110Rチュリニは、主人の放つ冷気に呼応するように、そのカーボン製のボディを静かに冷却させていく。
彼女が放つ「極寒のチョコアイスの吐息」は、新城スカイロードを戦う者たちにとって、福音となるのか、あるいは凍てつく試練となるのか。
???「風を読み、道を切り裂く若き勇者たち。……その熱い鼓動を、この私の氷でどこまで冷ませるかしらね。ふふっ、楽しみで仕方がないわ」
そして.......。
大長編86伝説エーペックス天使編PART1の一部公開。
5月26日から引き続き制作中。
若林「続いては山吹花! WRX STi VABの登場です!! 鮮烈なスバルブルーを身に纏った青い戦闘機が、小名浜バイパスに来てしまったああああ!!!!」
ドゴオオオオオオン!!!!!
全幅の信頼を寄せる古田が施した吾妻仕様のセッティングが、超高速域でその真価を発揮する。
4輪が路面を鷲掴みにし、スバルブルーの車体がバイパスの緩やかなカーブをレーザーのように鋭く切り裂いていく。
山吹花「軽やかに曲がっていくっ.... 滑らかに吸い付く感じに....ッ!」
ぎゃぎゃああああ!!!!
山吹花「すごいよ古田さん! これならもっと上に行けるっ!」
山吹花はステアリングから伝わる確かな接地感に、しおらしくも芯の強い笑みを浮かべた。
チームの精神的支柱として、カナタや伊藤翔太に良い流れを繋ぐための完璧なアタック。
しかし、その極限の集中力を切り裂くように、車内の無線インカムから突如として間の抜けた声が鳴り響いた。
黒川海斗「バブーおかあちゃ〜☆ 暫定6位なんだって〜?まだまだでちゅねー☆」
山吹花「なっ、黒川っ!! 何で勝手に回線に割り込んできてバブバブ言ってんのよっ!!」
花の目が青く怒りで光る。まさに怒り満点、お姉ちゃんの逆鱗に触れた瞬間だった。
山吹花「黒川あああああ!!!!罰として遠隔からの雷落としてあげるッ!!
くらええええええええ!!!!!!」
びしゃああああん!!!
黒川海斗「やめて〜おかあちゃ♡」
山吹花「新品ボディで今回参戦してるんだから邪魔しないでよねエエエ!!!!」
はあ...はあ......。
走行風を切り裂くスバルブルーのWRXは、一切の無駄なく次のセクターへと突き進む。
だが、その「新品ボディ」という言葉を聞いた瞬間、インカムの向こうで黒川海斗のバブー暴走期が急激に霧散した。
受話器の向こうから地を這うような、本来の攻撃的で荒い暴走族のトーンが漏れ出す。
黒川海斗「あ? 新品、ボディ、だと??」
黒川海斗の脳裏に、かつて自分がランエボで接触を恐れずに他車をねじ伏せてきた狂気の記憶が冷酷に蘇りつつあった。
山吹芽衣「....お姉ちゃん、勝って。」
暫定2位の位置からモニターをじっと見つめる妹の山吹芽衣が、祈るようにその小さな声を漏らした。
山吹花「...ここで....前に行くッ!!!!!」
山吹花はすべての想いを右足に込め、床が抜けるほどの力でアクセルペダルを完全に踏みちぎった。
山吹花「シルキー...アンタのようね。アンタには負けないッ!!!!」
パドックのモニター前で拳を握りしめた山吹花が、同じ4ドアセダンとしてのプライドを激しく燃やし、画面の向こうのライバルに向けて力強く宣言する。
高槻健永が叩き出した異次元のレコードタイムの余韻が残るなか、3日目のラストを飾る銀色のプレミアムスポーツが、今ゆっくりとスタートラインへ滑り出した。
シルキー「...見せてあげるよ。一瞬で赤いドラゴンを...ボクのミルクアイスのドラゴンが蹴散らしてあげるんだからねエエ!!!!」
シルキーは王子様のようなマントを激しく翻し、コックピットに滑り込むと同時に、その瞳にひんやりとした冷徹な闘志を宿らせた。
ヴおおおおおおおおおん!!!!
ちとせ「いや〜...カナタくんの予選レース遅いなーって...運営さんと抗議しようかね〜...っておじさん思っちゃって〜....」
ちとせは萌え袖を口元に当てて首をコテンと傾げながら、口調こそ「もへ~」とのんびりしているものの、そのブルーグレーの瞳の奥には、運営すらも凍りつかせて強引に順番を狂わせかねない「裏」の冷酷なタチの悪さをギラリと覗かせる。
大親友であるエアリと並んでのんびり屋な彼女だったが、カナタの走りを早く特等席で見たいがために、運営に極寒の圧力をかけようと本気で画策していたのだ。
腹切カナタ「いや、ちゃんと待ちますよ。そんなのいらない。」
腹切カナタはちとせの物騒な冗談(半分本気)を真っ向からピシャリと制し、頭の後ろを少し掻きながら、規律を重んじる彼らしい真面目な声で諭した。
エーペックスカップのルールは絶対であり、どれだけ待たされようとも、自分の順番が来るまでじっと牙を研ぎ澄まして待つのが、地べたから這い上がってきた求道者としての流儀だった。
山吹花「ちょっとちとせ!!運営に抗議って、そんなことしたらカナタがペナルティ喰らっちゃうでしょーが! もう、相変わらずおっとりした顔してやる国がエグいわね……!」
柳津雄介のM4がコーナーで再びブリッピング! 回転数をあげていく。
フォンッ! フォォォォンッ!!
雄介の電光石火のシフトワークに応え、7速DCTが弾丸のようなブリッピング音を響かせてシフトダウンを完了させる。
水噴射システムによって極限まで冷却された3.0リッター直6ツインターボの過給圧が瞬時に跳ね上がり、回転計の針がレッドゾーンの手前で狂暴に跳ね踊った。
若林「ギヤを落としたアアアッ!!! 直6の咆哮が最高潮に達する!!! 柳津雄介、クラッシュの傷跡を爆音に変えて、最終ストレートに向けて狂暴に立ち上がっていくううう!!!」
立ち上がりのトラクションは完璧。後輪の極太タイヤが路面のギャップをあざ笑うように路面を掻きむしり、白きトリコロールカラーの車体は、シルキーのトップタイムを引き裂くべく、猛烈な風を巻き起こしてフィニッシュラインへと解き放たれた。
柳津雄介「幸いにもクラッシュの傷は全くない.....ッ!! 行ける.....ッ!!!!」
柳津雄介は激しいGの中でマシンの挙動を五感で研ぎ澄まし、三和バイパスの壁にヒットした左サイドの足回りが、アライメントの狂いもなく完璧に機能していることを確信する。
ヴウウウウウウオオオオオオオオンッッッ!!!!!
正午の強烈な太陽光を浴びてトリコロールストライプをギラつかせながら、500馬力の直6ツインターボが最終バックストレートで最後の伸びを見せる。
シルキー「……へぇ。あのクラッシュからボクのタイムを上回るなんて、おっさん、なかなかしぶとい城壁じゃないか。でも、ボクのレクサスの5.0リッターV8のバックストレートの伸びに、その3.0リッターがどこまで耐えられるかなァ☆」
山吹花「ほら、黒川....。アンタはどう思うのよ? カナタくんの走りを見て.....」
山吹花は、電光掲示板の最上段に眩しく輝く「腹切カナタ」の名前を指差しながら、腕を組んでジト目で黒川海斗を睨みつけた。同期として、そして同じ軽量4WDの使い手として、この異次元のトップタイムをどう受け止めているのか、その本音を引き出そうとしたのだが──。
レギオン「...GRヤリスが今予選に? ...どうせ大したことないんでしょ......?
全てまた私の直線ラインで永遠に1位の席は私なの.....」
アウディR8 V10パフォーマンスのオーナーであり、「直線ラインの女優」を自称するレギオンクロックは、暫定2位という破格のポジションに自らの名を刻んでいながらも、モニターに映る佐藤裕太のヤリスを鼻で笑った。彼女にとって、タイトなコーナーを俊敏に駆け抜ける軽量4WDの技術など、自慢の超高速直線ラインの前には無価値に等しいのだ。
伊藤翔太「お前、どうせまたそう言いながらカーブしないで思い切りクラッシュするんだろ? 前それでR8思い切りぶつけてただろ」
伊藤翔太は呆れ果てた表情で、レギオンのこれまでの輝かしい(?)自爆の歴史を容赦なく指摘した。
山吹花「そうよ! こいつ勝手に直線ラインとか言って自爆した女!!! あんたのどこが女優なのよ!!!! 決勝ではどうせまたクラッシュするんでしょ? 迷惑なのよオオオ!!!!」
北斗「ハルカちゃんかい? ちょっと君の服の肉もみもみしていいかな? ほれ、もみもみ♡」
柳津カリン「...一体何が起こってるの?この国道レースで......?」
黒川海斗「マジで何を表してるんだ.....ッ!?」
予選5日目の緊迫したパドックの片隅で、メルセデスAMG GTRのオーナーである北斗が、怪しい手つきで佐藤ハルカのピンクのフリル衣装へとジリジリとにじり寄った。そして、持ち前の変態紳士っぷりを発揮しながら、その柔らかそうな二の腕や服の隙間の肉を容赦なくもみもみとし始める。
佐藤ハルカ「きゃあ♡ くすぐったーい....えへへ☆」
ハルカは嫌がるどころか、ツインテールを揺らしながら無邪気に身をよじってキャッキャと声をあげて喜んでいる。そのあまりにも無防備で不健全な光景が、周囲のツッコミ役の視線に留まらないはずがなかった。
山吹花「ひっそりと何してんだあああああ!!!!」
げしっ!!!!!
北斗「OHッ☆....これは失礼」
実況の若林の絶叫が、三和バイパスのうねるアスファルトをビリビリと震わせる。パドックのボルテージは、この5日目にして過去最高レベルへと跳ね上がっていた。
伊藤翔太「......花、やっとだな」
山吹花「....ああ、やっと来た....。待ちくたびれたわよ」
伊藤翔太と山吹花は、パドックの特等席から、真紅のボディを妖しく輝かせるREVIVE86の機影をじっと見つめ、我が事のように拳を強く握りしめた。
若林「腹切カナタのエンジェル46予選が開幕だあああああああ!!!!」
若林「スタートしたああああああ!!!! 赤い戦闘機のエンジェル46への挑戦が始まったあああああ!!! 多くのファンが待ち望んだこの瞬間、280馬力のターボパワーへと生まれ変わった真紅のトヨタ86REVIVEが、今まさに三和バイパスの暗闇を真っ赤な閃光となって切り裂いていくうううう!!!!」
実況の若林の絶叫がバイパス全域に響き渡り、パドックの全員が息を呑んでコントロールモニターを凝視した。
最初の緩やかなストレートから、超高速の第1コーナーへのアプローチ。非力だった頃の面影は一切なく、古田のりあきが魂を込めてセッティングしたボルトオンターボの過給圧がHKSのメーターを跳ね上げ、86のリアタイヤを力強く路面に押し付けている。
キュウウウウウウウンッッッ!!!!!
86伝説エーペックス6thSEASON
86伝説エーペックス新城編
大長編86伝説エーペックス天使編4部作
COMINGSOON!!!!
86伝説エーペックス6thSEASON
2026年8月29日開始予定!!!!!
初回1話!!!それ以降は毎週日曜日夜投稿へ!!!!
黒川海斗「またアイツのウワサ話かよ。俺の話でもしないか?おかあちゃー♡」
黒川はフンと露骨に顔を背け、自分のランエボのフロントバンパーを愛おしそうに撫でながら、信じられないほど自己中心的なセリフを吐き捨てた。
山吹花「今カナタくんの予選でしょおおがあがあああ!!! あんたの予選レースとっくに終わってるしッ!!!」
べしいいいんっ!!!!




