吾妻編第4話 生意気の神
K410山吹花に最大の異変が......ッ!??
ヴィヴァーチェは、とろけた瞳で震える花を眺め、残酷なほど愛らしい微笑みを深めた。
ヴィヴァーチェ「いや? まだ生意気にできそう、、、、☆」
ヴィヴァーチェが花の耳元に唇を寄せた瞬間、ガレージの空気がピリリと帯電した。
それはもはや「吐息」と呼べるような生易しいものではなかった。
ヴィヴァーチェ「ふぅーーーーーーーーーーっ、、、♡」
その吐息は、透明な「生意気」の奔流だった。
花の耳腔を通り、脳の最深部を、神経の一本一本を、神聖な魔力が白熱した針のように貫いていく。
花の視界は真っ白に弾け、耳元からは「キィィィィン」という高周波の神の歌声が鳴り響いた。
山吹 花「……っっあ、あああああああぁぁぁぁッッ!!?!?」
声にならない絶叫が花の喉を震わせる。
一無量大数年の孤独と傲慢が、花の魂を無理やり拡張していく。
花の耳は、もはや熱を持ちすぎて深紅の宝石のように輝き、あまりの刺激に完全に「自我」が溶け落ちていた。
ヴィヴァーチェ「……完成です☆」
ヴィヴァーチェが離れると、花は糸の切れた人形のようにガクガクと震え、ゆっくりと顔を上げた。
そこにいたのは、かつての「優しい花さん」ではなかった。
周囲のすべてを「自分の走りを引き立てるための背景」としか認識していない、絶対的な傲慢を纏った女神の化身だった。
山吹 花「……あぁ、うるさいわね。……世界が、私の声を求めて震えているわ」
花は真っ赤に熟しきり、ふにゃふにゃになった耳を、まるで最高級の耳飾りのように愛おしそうに撫でた。
その指先が触れるたびに、彼女の周囲に「黒い炎」がチリチリと火花を散らす。
山吹 花「カナタ、伊藤。……いいわ、私の後ろを走ることを許してあげる。
でも、もし私のWRXの『青い電撃』に目が眩んで失明しても、恨まないことね☆
……跪きなさい、この道の王者は……私よ」
花は最高に生意気な、そして最高に美しい微笑を浮かべ、WRXへと吸い込まれるように乗り込んだ。
その瞬間、VABのエンジンが、主の豹変に呼応するように、これまでにない「咆哮」を上げた。
伊藤翔太は、信じられないものを見る目で、WRXの運転席に座る花を見つめた。
今のアナウンスも、その傲慢な態度も、自分の知っている「花さん」とはあまりにかけ離れている。
伊藤 翔太「ホントに超生意気になったのか......? さっきのは何かの冗談だよな、花?」
その問いに、ヴィヴァーチェが花の肩に顎を乗せ、小悪魔のような笑みを深めた。
ヴィヴァーチェ「ふふっ☆ 疑り深いですねぇ。
試します? 花ちゃん! 伊藤くんとそのスイスポに向けて……最高に『生意気な罵倒』、聞かせてあげられますか?☆」
山吹 花「……ええ、容易いことだわ☆」
花はパワーウィンドウをゆっくりと下げ、冷徹な、しかし宝石のように美しい瞳を伊藤へと向けた。
その視線は、まるで行く手を阻む小さな石ころを見るかのようだった。
山吹 花「ねえ、伊藤。……いつまでその『黄色い玩具』に跨って、ヒーローごっこを続けるつもり?
『伊藤の言葉』? 笑わせないで。
あなたの走りは、ただの騒音よ。私の耳を汚すだけの、不快な雑音……☆」
伊藤 翔太「なっ……!?」
山吹 花「そんな非力なFF車で、私の後ろを走れると思っているのかしら。
せいぜい、私のWRXが撒き散らす排気ガスの匂いでも嗅いで、酔いしれていなさいな。
……いい? あなたの居場所は、私のミラーの隅っこにすら存在しないのよ。
跪いて、道を空けなさい。……この、鈍臭いスイフト乗りが☆」
花はフッと、真っ赤に熱を帯びたふにゃふにゃの耳を指でなぞりながら、最高に小馬鹿にした笑みを浮かべた。
その言葉の棘は、伊藤の走り屋としてのプライドを、無慈悲に、そして完璧に踏みにじった。
伊藤 翔太「……っ! くっそ……!!花……!そこまで言うのかよッ!!」
ヴィヴァーチェ「 素晴らしい!
一無量大数点、満点です!
伊藤くん、今のあなた……とっても『惨めな色』をしていますよ〜? ん〜?☆」
ヴィヴァーチェ「じゃあ、花ちゃん、今度は古田さんとそのMRーSのデメリットを言いながら罵倒してあげなさい、、、」
「あと、、、最後にたくさんざぁ〜こ......☆ってやってみて」
ヴィヴァーチェの更なる悪魔の囁きに、花は妖しく口角を吊り上げた。
彼女の視線は、ガレージの主である古田、そして彼が心血を注いで仕上げたミッドシップ、MR-Sへと向けられる。
山吹 花「ええ、いいわよ。……その老いぼれた技術の限界を教えてあげるわ☆」
古田 のりあき「……ほう、俺にまで牙を剥くか。面白い、言ってみろ」
花はWRXの窓から身を乗り出し、真っ赤に熟した耳を指先で弄びながら、古田を小馬鹿にするように鼻で笑った。
山吹 花「古田さん。……いつまでその『欠陥だらけのミッドシップ』に固執しているの?
MR-Sなんて、ただの重心バランスに頼っただけの、パワーも剛性も足りない未完成品じゃない。
吾妻の激しいアップダウンに、その貧弱なトラクションが耐えられると思っているのかしら?
……古い。すべてが古いのよ。あなたのセッティングも、その思考も☆」
古田 のりあき「…………ッ!」
山吹 花「私の『68号車』が四輪で路面をねじ伏せる隣で、せいぜい独りでスピンしてなさいな。
……ああ、そうそう。今の古田さんにぴったりの言葉を贈ってあげるわ……☆」
花は頬杖をつき、最高に生意気な、そしてとろけるような笑顔で言葉を重ねた。
山吹 花「古田さん、私の速さに追いつけないなんて……ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こぉ……♡」
ヴィヴァーチェ「ほほほ☆ 完璧です! さあ、もっと追い討ちをかけなさいな!」
山吹 花「技術も、車も、プライドも……全部私の足元。
ねえ、どんな気持ち? 自分の育てた女に完膚なきまでにバカにされる気分は……☆
ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ 走るのやめて、大人しく隠居でもしていなさいな……うふふっ☆」
古田 のりあき「……クッ、ククク……!
ヴィヴァーチェ、とんでもない化け物を生み出しやがったな。
……今の罵倒、忘れるなよ花ちゃん。
その言葉、吾妻の頂上で後悔させてやるッ!!」
伊藤 翔太「(ひえぇ……古田さんまで『ざぁ〜こ』って言われてる……。今日の花さん、マジで全方位に敵を作ってるぞ……!)」
ヴィヴァーチェ「じゃあ今度は、腹切カナタくんのREVIVE86をトヨタ86を含めたデメリットを合わせながら罵倒はどうかな?」
「さっきよりもざぁ〜こ♡を連打して耳ふーもしてあげなさい、、、、、、」
ヴィヴァーチェの更なる残酷なオーダーに、花の瞳に宿る「生意気な神性」がギラリと輝いた。
彼女はWRXのドアを開け、獲物を定める肉食獣のような足取りでカナタの元へ歩み寄る。
山吹 花「……ええ。この『不器用な主人公さん』にも、現実を教えてあげなくてはね☆」
花はカナタのREVIVE 86のフェンダーを、汚い物でも触るかのように指先でなぞった。
山吹 花「カナタ。……いつまでこんな『ただの古いトヨタ車』に固執しているの?
86なんて、所詮は非力なNAの延長線。ターボを付けたところで、根本的なボディ剛性の低さは隠せないわ。
四駆のWRXが路面を支配する隣で、必死にタイヤを滑らせて虚勢を張る姿……。
まるで、大人の足元で吠えるだけの仔犬ね☆」
腹切 カナタ「……っ、花……!」
山吹 花「ライン感覚? 路面把握? 笑わせないで。
それは『速い車』に乗れない弱者が、自分を慰めるための言い訳でしょう?
あなたの走りは、私の『68号車』が巻き起こす風圧だけで吹き飛ぶ程度の、薄っぺらなものなのよ☆」
花はカナタの耳元にスッと顔を寄せると、ヴィヴァーチェから授かった神々しい吐息を「ふぅーーーーーっ……♡」と、深々と吹き込んだ。
腹切 カナタ「はぁっ……!? ……あ、あつ……い……」
カナタがその刺激に崩れ落ちそうになった瞬間、花は彼の顔を覗き込み、最高に小馬鹿にした、とろけるような笑みを浮かべた。
山吹 花「ねえ、カナタ。そんなボロい86で私に勝てると思ってるの?
ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡
非力な86乗りは、私の排気ガスでも吸って、一生後ろで震えていなさいな。
ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こぉ……♡」
カナタ「…………ッ!!」
山吹 花「いい? あなたの86は、私のWRXに踏み潰されるための踏み台なの。
自分が惨めなザコだってこと、そのふにゃふにゃになった耳に刻み込みなさい……うふふっ☆」
ヴィヴァーチェ「カナタくん、顔が真っ赤ですよ? 悔しいですか〜? それとも、気持ちいいですか〜?☆」
花は立ち上がり、真っ赤に熱を持った自分の耳を弄りながら、跪くカナタを見下ろして冷酷に笑った。
かつての仲間への慈しみなど、今の「生意気女王」には微塵も存在していなかった。
ヴィヴァーチェの「仕上げ」の言葉を受け、花の瞳はもはや人間としての光を失い、冷徹な支配者の輝きに塗り替えられた。
彼女は自分の頭に輝く王冠――ドミノ王冠にそっと指先を触れ、それを皆に見せつけるように顎を引いた。
山吹 花「……そうね。この王冠が、すべてを物語っているわ☆」
花はWRXのボンネットの上に腰掛け、長い足を組み、眼下にいるカナタ、伊藤、古田を「ゴミ」でも見るかのような蔑みの眼差しで見下ろした。
山吹 花「いい? 私はこのドミノ王冠を戴く『王』。
そしてあなたたちは、私の行く道を舗装するために存在しているだけの……ただの『愚民』なのよ☆」
伊藤 翔太「……ぐ、愚民だと……っ!?」
山吹 花「そうよ。王である私がこの道を走ると決めたのなら、あなたたちに許された選択肢はただ一つ。
……這いつくばって、私の足元に膝まずきなさいな。
私の『68号車』が通り過ぎる際、その爆風で地面に顔を擦り付けられるのが、あなたたち愚民に相応しい末路なのよ☆」
花はとろとろに熱を持ち、真っ赤になった自分の耳を弄りながら、最高に小馬鹿にした、そして残酷なまでに美しい微笑を浮かべた。
山吹 花「ねえ、聞こえないの? 跪けと言っているのよ☆
一無量大数年の理を知るヴィヴァーチェに選ばれた私に、そのガラクタのような車で並ぼうなんて、身の程を知りなさいな。
ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡
私の影すら踏めない愚民共は、一生そこで私を拝んでいなさい……うふふっ☆」
ヴィヴァーチェ「...完璧なまでの王の風格です!
愚民の皆さん、聞こえましたか〜? 早く跪かないと、花ちゃんに踏み潰されてしまいますよ〜? ん〜?☆」
花はボンネットから軽やかに飛び降りると、一瞥もくれずに運転席へと乗り込んだ。
もはや、そこに「山吹花」という優しい女性はいない。
あるのは、愚民を従え、吾妻の頂を支配するために降臨した、史上最悪に生意気な「青い女王」だけだった。
古田は、WRXのシートに深く踏んぞり返り、不遜な笑みを浮かべる花を見ながら、冷や汗を拭った。
古田 のりあき「……おい、ヴィヴァーチェ。この術(耳ふー)、いつになったら戻るんだ? さすがにこのままじゃ仕事にならねえぞ」
ヴィヴァーチェは扇子で口元を隠し、事も無げに答えた。
ヴィヴァーチェ「そうですねぇ、、、何とかしてでもだいたい1ヶ月ぐらいは保つかしら☆」
伊藤 翔太「1ヶ月!!? その時にはもう、吾妻GTの決勝レースが始まってるじゃんか!!」
伊藤の悲鳴がガレージに響き渡る。
つまり、山吹花は「生意気な女王」のまま、福島の頂点を決める大舞台に立つということだ。
だが、そんな伊藤の動揺を、花は冷たい一瞥で切り捨てた。
山吹 花「……あら、大きな声を出さないで。耳障りよ、伊藤☆」
花は真っ赤に熱を持ち、ふにゃふにゃになった自分の耳を弄りながら、窓の外にいる伊藤を蔑むように見下ろした。
山吹 花「1ヶ月もこの状態でいられるなんて、私にとってはむしろ福音だわ。
だって、あと30日間も、あなたのような『下等な黄色い雑草』を心ゆくまで罵倒し続けられるんですもの☆」
伊藤 翔太「ざ、雑草……っ!?」
山吹 花「そうよ。1ヶ月後の吾妻GT? 笑わせないで。
あなたのような愚民が、王である私の横に並べると思っているの?
その頃には、あなたのスイスポなんて私の排気圧でスクラップになっているわ。
せいぜい1ヶ月間、私の靴の裏でも磨きながら、敗北の味を予習していなさいな☆」
花はとろけるような笑みを浮かべ、指先で伊藤の鼻先をピンと弾いた。
山吹 花「いい? 伊藤。あなたは私の栄光を飾るための『ただの置物』。
雑魚は雑魚らしく、隅っこで震えてなさいな……。
ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ 1ヶ月間、毎日たっぷりと分からせてあげるわ……うふふっ☆」
ヴィヴァーチェ「ほほほ☆ 伊藤くん、楽しみが増えて良かったですねぇ!
1ヶ月後、あなたがどんな『絶望の色』に染まっているか、今からワクワクしますよ〜☆」
伊藤「よかねエエエ!!!!」
ガレージの騒ぎを聞きつけ、奥からパジャマ姿の芽衣がトコトコと走ってきた。
彼女にとって、花は世界で一番優しくて、憧れの自慢のお姉ちゃんだ。
芽衣「お姉ちゃん!!! どうしたの? みんなで喧嘩してるの……?」
芽衣がいつものように花の腰に抱きつこうとした、その時。
花は冷徹な眼差しで妹を見下ろし、その小さな手を冷たく振り払った。
山吹 花「……あら、気安く触らないで。汚れるじゃない☆」
芽衣「……えっ? お、お姉ちゃん……?」
芽衣の瞳にみるみる涙が溜まっていく。だが、生意気の神性を宿した花に、躊躇など微塵もなかった。
花はドミノ王冠を指で直し、真っ赤に熱を持ち、ふにゃふにゃになった自分の耳を弄りながら、実の妹に最悪の言葉を投げかける。
山吹 花「ねえ、芽衣。ずっと言おうと思っていたけれど……。
あなた、私の妹にしては、あまりにも『凡庸』すぎると思わない?
王である私と同じ血が流れているなんて、今の私にとっては耐え難い屈辱なのよ☆」
芽衣「う、うわぁぁん……! お姉ちゃん、怖いよぉ……!!」
山吹 花「泣けば許されると思っているのかしら? ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡
泣き虫の妹なんて、私の華麗な走りの邪魔でしかないわ。
せいぜい、私のガレージの隅っこで、お人形遊びでもして時間を潰していなさいな。
……いい? 跪きなさい。姉妹の情なんて、今の私にはゴミ箱の中にあるガソリンの染みたボロ布と同じ価値しかないのよ☆」
花はとろけるような笑みを浮かべ、泣きじゃくる芽衣を冷たく突き放した。
山吹 花「ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ 泣き顔まで不細工ね。
1ヶ月の間、私を『お姉ちゃん』なんて馴れ馴れしい名前で呼ぶのは禁止よ。
『女王様』か『主』と呼びなさい。
わかったら、さっさと消えなさいな……うふふっ☆」
ヴィヴァーチェ「うふふ☆ 素晴らしいですね!
実の妹さえも踏み台にするその気高さ……!
芽衣ちゃん、悲しいですか〜? でも、これが今の『本物の女王様』の姿ですよ☆」
伊藤 翔太「……おい、やりすぎだろ!!
花!芽衣ちゃん相手にそこまで……ッ!!」
山吹 花「うるさいわね、伊藤。愚民は黙って、この光景を網膜に焼き付けていなさいな☆」
泣きじゃくる芽衣を冷たく一瞥した後、花はゆっくりと視線をカナタへと戻した。
その瞳には、かつて一緒に切磋琢磨した記憶など、最初から無かったかのような虚無と傲慢が渦巻いている。
山吹 花「……で、そこの『敗北者』さん。まだそんな鉄クズの隣で夢を見ているのかしら?☆」
花はWRXの重厚なドアに寄りかかり、真っ赤に熟してとろとろになった自分の耳を指先で弄びながら、カナタのREVIVE 86を蔑むように指差した。
山吹 花「にしても……そんなボロクズの86で、一体何ができるっていうの?
腹切カナタ、、、いや、、、ザコのくせに、私と同じステージに立とうなんておこがましいのよ☆」
腹切 カナタ「……っ、花さん……。古田さんが魂を込めて REVIVE してくれた、この86が……ボロクズだって言うのか?」
山吹 花「ええ、ボロクズよ。骨董品と言い換えてあげてもいいけれど☆
いい? あなたのその車、最新の技術から見れば、ただの『走る粗大ゴミ』なの。
加速も、旋回性能も、すべてが私の『68号車』に劣る……。
そんな車で吾妻を走るなんて、私への侮辱以外の何物でもないわ☆」
花はとろけるような笑みを浮かべ、カナタの鼻先まで顔を寄せると、甘く、そして残酷な声で囁いた。
山吹 花「ざぁ〜こ♡ ざぁ〜こ♡ 、あなたは私の走りを引き立てるための、ただの『背景』なのよ。
悔しいなら、その非力なNAエンジンを叩き壊して、一生地面を這いずり回っていなさいな。
……いい? 跪きなさい。王である私の前で、そのボロクズと一緒に砂埃を舐めるのが、あなたに相応しい役割なんだから……うふふっ☆」
ヴィヴァーチェ「ほほほ☆ カナタくん、完全に『ザコ』認定されてしまいましたねぇ!
一無量大数年の孤独を癒すのに、これほど滑稽な見せ物はありませんよ〜☆」
カナタ「………………!!」
カナタは拳を震わせ、俯いた。
大好きだった「花さん」から投げつけられる、あまりにも純粋な悪意と蔑み。
ガレージには、女王の冷たい高笑いだけが虚しく響き渡っていた。
ガレージの前に、地響きのような大排気量エンジンの音が轟いた。
現れたのは、挑発的な真紅のボディを誇るダッジ・バイパー。
運転席から、傲慢な笑みを浮かべた高槻健永が降り立ち、花に並んでカナタたちを見下ろした。
高槻 健永「よお! ボロクズの86とスイスポじゃねぇか!!!
相変わらず、ゴミ掃除にもならねぇようなガラクタを並べて何してんだよ?」
高槻の卑劣な嘲笑が響く。
いつもなら真っ先に食ってかかるはずの花が、冷徹な笑みを浮かべたまま、バイパーのボンネットに優雅に手を置いた。
山吹 花「ええ、その通りだわ。高槻、あなたの言うことに100%同意するわ☆」
カナタ「……っ、花さん!? 高槻なんかに賛成するのか……!?」
伊藤「おい、花!! お前、正気かよ!?
アイツは俺たちの、お前の敵だろ!! なんでそんな奴の言葉に乗っかるんだよ!!」
伊藤が呼び捨てで叫び、花に詰め寄る。
だが、花は真っ赤に熱を持ち、とろとろになった耳を弄りながら、伊藤をゴミでも見るかのような冷たい瞳で射抜いた。
山吹 花「生意気ね、伊藤。誰の許可を得て、私の名前を呼び捨てにしているのかしら?
今の私にとって、あなたのような弱者は敵ですらないわ。……ただの『風景』よ☆」
高槻 健永「ハハハッ!! 言うじゃねぇか、女王様!
全くだ、こんな非力な車で吾妻を走ろうなんて、笑止千万だぜ!」
山吹 花「うふふっ☆ 本当に……。
カナタ、伊藤。あなたたちのボロクズが、私の68号車と高槻のバイパーの爆風でバラバラに砕け散る姿……。
想像するだけで最高に愉しいわ。
愚民は愚民らしく、そして大人しく側溝にでも突っ込んで私の後姿を拝んでいなさいな。」
花は高槻と視線を合わせ、最高に生意気な笑みを交わした。
昨日までの「仲間」としての絆は完全に断たれ、HURUTAWORKSの空気は、凍り付くような絶望へと塗り替えられていく。
ヴィヴァーチェ「☆素晴らしい展開です!
敵も味方も関係ありません。この世にあるのは『王』か『ザコ』か、それだけですよ〜☆」




