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86伝説エーペックス  作者: SAI
米沢編
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440/535

米沢編第51話 世界限定車

K388

若林「そういえば、リタイヤした柳津雄介さんのDTM仕様って、、、、日本でたった25台しかないM4ぶんですよねマヒロさん、、、、、ッ!!

世界限定200台、そのうち日本にはわずか25台しか割り当てられなかったという、

伝説の『BMW M4 DTM Champion Edition』……それをあんな温泉ダイブで……ッ!!」


マヒロ「うわぁぁーん☆ そうなんだよねーっ☆

水冷システムとかロールケージも標準装備の、ガチガチのサーキット仕様なのに☆

雄介さん、あんな激レアな車でサテラちゃんを追いかけ回して、

最後は温泉にドボーン☆しちゃったんだもん!!

もったいなさすぎて、BMWのエンジニアさんも泣いちゃうよーっ☆!!」


若林「まさに走る骨董品!! その希少価値を考えれば、あのリタイアの損失額は

数千万円単位ですよォッ!! それを当の本人は、

今頃温泉でミルクを飲みながら鼻歌を歌っているというのかッ!!」


サテラ「……ふん、ボクの計算じゃ、あの希少なボディ剛性があったからこそあの程度のクラッシュで済んだんだよ。

……ツン……。車が可哀想なのは同感だけどさ。……あーあ、もったいない」


マヒロ「ちなみに私のディープミントのR50イタルデザインは、世界19台の限定なんだよー?☆」


若林「は……!? マヒロさん、今なんて言いました……?

ディープミントのR50イタルデザイン……?

それって、GT-Rの50周年を記念してイタリアのイタルデザインが手掛けた、

世界限定50台……いや、実際に製造されたのはもっと少ないと言われる、

あの1億数千万円オーバーのモンスターマシンですかァァッ!!?」


マヒロ「そうだよーっ☆ ボクのは世界に19台しかない特別仕様なんだよーっ☆

ディープミントのカラーがすっごく可愛くてお気に入りなの!!

中継が終わったら、五郎丸くんのシロンと一緒にガチャ引きに行く時に

乗せてあげようかなーって☆!!」


若林「次元が違いすぎるッ!!

1億を超える世界19台の車を『可愛い』で片付けるなんて……!!

この実況席、一人は温泉にダイブするし、もう一人は異次元のセレブだし、

まともなのは俺だけなのかァァァァッ!!!!」


黒川 海斗「IX(ナイン)だと……? 笑わせるな。

俺のエボIXは……あの死闘で、もう壊れてしまったんだ、、、、、ッ!!」


激しい雨の音に混じり、黒川の切実な、そして狂気すら孕んだ声が無線に響く。


黒川 海斗「それから俺は、このエボXにしたんだッ!!!!

あいつの遺志は、このFinal Editionが引き継いでいる。

俺の暴走期(ブースト)を止められるのは、もはや神ですら不可能だッ!!」


ドゴォォォォォォォォンッ!!!!!


4B11エンジンの咆哮が、先ほどまでのIXとは比較にならないほど重厚に響き渡る。

エボX Final Editionのワイドなボディが、雨を切り裂き、

4本のタイヤがアスファルトを「粉砕」するような勢いで加速を開始したッ!!


山吹 花「……そうだったんだ。あいつ、エボIXを失って……。

でも、だからといってこの無茶苦茶な走りを許すわけにはいかない!!」


若林「なんと悲痛な、そして熱い告白ッ!!

黒川海斗、相棒の死(全損)を乗り越え、最強の最終型で戻ってきたァァッ!!

かつてのエボIX以上の威圧感が、鳩峰峠全体を飲み込んでいくゥゥッ!!」


若林「出たァァァァァァ!!!! 北斗ォォォォ!!!!!!

17位に沈んでいたはずのメルセデスAMG GTRが、

この豪雨の鳩峰峠で信じられない挙動を見せているゥゥッ!!」


北斗「……お前たちは、もう抜けている」


北斗の駆るグリーン・モンスターが、路面のμを完全に見切ったかのように滑らかに、かつ鋭く加速する!

先行する岡田大成のGRヤリスがインを閉める寸前、針の穴を通すような精度でその内側を射抜いたッ!!


若林「北斗神拳伝承者が仕掛けた!!!

岡田のGRヤリス、さらには柳津カリンのフェラーリ、ゾフィアのコルベット、

久我ヒカルのレクサスまでを一気に4台抜き去ってしまうゥゥ!!!!!

なんという破壊的スピード! まさに一撃必殺だァァッ!!」


岡田大成「な……ッ!? 今、どこを通ったんだ!?

あのデカいAMGが、この狭い峠で4台まとめて……ッ!!」


マヒロ「わーっ☆ 北斗くん、カッコいいーっ☆

タイヤの跡が、まるで北斗七星の形に見えるよーっ☆!!」


若林「もはや芸術の域!!

死を恐れない『不死身』の北斗が、上位陣の背後へと一気に肉薄しますッ!!」


若林「次は、、、、!?

……抜いたあああああ!!!!!

赤い戦闘機が、白色のGR SUPRAの前に出たああああ!!!!」


鳩峰峠の最深部、出口の見えないヘアピン。

イヨのGRスープラが放つ濃いピンク色の重力波動が、86の行く手を阻もうと路面を圧殺する。

しかし、カナタは異常なまでのライン感覚で、波動の「僅かな隙間」を見抜いたッ!!


腹切 カナタ「……ここだッ!

行けえええええッ、86ッ!!!!」


過給圧(ブースト)を限界まで高めたREVIVE 86 TURBOが、スープラのイン側、ガードレールとの僅かな隙間に車体をねじ込む!!

重力に押し潰される寸前、カナタはあえて車体を滑らせることで

その圧力を「推進力」へと変換して見せたのだッ!!


イヨ「ええっ!? カナタくん……イヨの重力を、滑りながら抜けていくなんて……ッ!!

えっへん☆……なんて言ってる場合じゃないよぉ! すごい、すごすぎるよ☆!!」


若林「信じられない!! 物理法則を超越した少女を、一人のドライバーの執念と技術が上回ったァァッ!!

腹切カナタ、ついに2位浮上!! 王者フリスの背中が、そこに見えているッ!!」


若林「氷のドラゴンが、、、、、黒カラスを、、、食ってしまうゥゥ!!!!!

セシルのランボルギーニ・ウラカンが、猛然とエボXのインを刺したァァッ!!」


セシル「……あまり熱くなりすぎると、脳まで沸騰してしまいますわよ?

その無様に歪んだ鉄屑(エボ)と一緒に、そこで冷え切っていなさいな」


氷のように冷徹な声とは裏腹に、セシルの操るウラカンは熱を帯びたような咆哮を上げ、黒川の死角を完璧に突く! V10エンジンの暴力的なパワーを、彼女は完璧な敬語と共に制御し、4位へと躍り出たッ!!


若林「ウラカンが4位へ浮上してしまうゥゥゥゥ!!!!!

さらに、黒川が姿勢を乱したその一瞬!! 伊藤翔太が黒川のスキをついたあああ!!!!」


伊藤 翔太「お前の『暴走期』なんて、俺の『気迫』で上書きしてやるぜッ!!

悪いな黒川、この場所は譲れねえんだよッ!!」


セシル「あら、伊藤くん……。少しはマシな走りをなさるようになりましたのね。

ですが、私(わたくし)の前を走ることは万に一つもございませんわ!」


黒川 海斗「……ッ!! ランボに伊藤ォォッ!!

俺を……この俺をただの踏み台にしやがったのかァァッ!!」


セシル「踏み台などにはしていません......

そのままそんな硬いエボなど眠っていればいいのです、、、、

極寒の氷の中で、、、、」


ウラカンの排気音が、まるで吹雪の咆哮のように黒川の耳元を通り過ぎる。

セシルはバックミラー越しに、一度も視線を合わせることなく言い放った。

彼女にとって、熱を帯びて暴走する黒川のエボXは、美しきレースを汚す「ただの鉄屑」に過ぎなかったのだ。


黒川 海斗「……なんだとッ!? 俺を……凍らせるだとォッ!!」


セシル「……あら、まだ声が出ていましたの?

しぶといのは嫌いではありませんけれど、私(わたくし)の視界からは消えてくださいな。

汚らわしい熱気が、こちらまで伝わってきますわ」


若林「戦慄!! セシルのウラカン、言葉通りコースを氷結させるかのような鮮やかなラインで黒川を完全に封じ込めましたッ!!

追い越された衝撃と、彼女の冷たい言葉のダブルパンチで、黒川海斗の精神(メンタル)が削られていくゥゥッ!!」


マヒロ「うわぁ☆ セシルちゃん、今日もキレッキレだねーっ☆

黒川くん、エボXごとカキ氷にされちゃいそうだよーっ☆!!」


マヒロ「やっぱりウラカン速かったねー☆

予選の時かなり下の順位だったけど、完全に隠してたよねー☆」


若林「な……ッ!! 予選20位台だったのは、わざとだったというのですかマヒロさん!!?

後方から全車を『処刑』するために、あえてあの位置に……!!」


マヒロ「あはは☆ セシルちゃん、意地悪だもんねーっ☆

タイヤを温存しながら、みんなの走り方を後ろからじっくり観察してたんだよーっ☆

まさに獲物を狙うドラゴンの目だよねーっ☆!!」


セシル「……あら、マヒロ様。余計な推測はなさらないでくださいな。

わたくしはただ、雨が降るのを優雅に待っていただけですわ。

弱者が必死にタイムを競い合う姿を、高みの見物……いえ、後方の見物(・・・・・)をしていただけのことですわ」


冷徹な敬語の裏に隠された、圧倒的な実力。

牙を剥いたウラカンのV10エンジンが、3位を走るイヨのGRスープラを視界に捉える!!


セシル「さて、お次は……重力操作(ままごと)に興じているお嬢様、あなたを凍らせて差し上げますわ。覚悟はよろしくて?」


マヒロ「あははー☆ 若林さん、喉がカラカラだねーっ☆

ボクがおやつに持ってきたアイスバー、一本あげるよーっ☆!!」


若林「お、おぉ……! かたじけないマヒロさん!!

実況のしすぎで喉が焼けるようでした……。では、遠慮なく……パクッ」


若林「…………ッ!!??(ガチガチガチッ!!)」


マヒロ「あ、言い忘れてたーっ☆

それはボク特製の『極寒ミントフラッペスノーアイス』なんだよーっ☆

ミントの清涼感と、特殊な冷却技術でマイナス100度をキープしてるんだーっ☆!!」


若林「(声にならない悲鳴)……ま、まひ、マヒロ……さ……ん……!!

口の中が……どころか、脳ミソまでカキ氷に……ッ!!

これ、セシルの冷気より……よっぽどタチが悪いですよォォォォォッ!!」


マヒロ「えーっ☆ 美味しいのにーっ☆

ほらほら、シャキッとしたでしょーっ☆?

さあ、カキ氷頭痛に負けずに実況再開だよーっ☆ 若林さん!!」


若林「(涙目で震えながら)……ひ、引き受けたからには……やり遂げますよ……ッ!!

鳩峰峠の……氷のドラゴン……セシル……!!

マヒロさんの……スノーアイスのごとく……全てを凍らせに……行きますッ!!」


マヒロ「若林さん、さっきのは冷たすぎたかなーっ☆

お詫びに、ふわふわの雪見だいふくあるけど……どうかなーっ☆?」


若林「(ガタガタ震えながら)……だいふく……。それなら、外側がモチモチして……

少しは体温が戻るかも……しれませんね……。い、いただきます……ッ」


若林が震える手でそれを受け取り、一口噛み締めたその瞬間ッ!!

中から溢れ出したのは、モチモチした皮を突き破るほどの、超圧縮された「極寒のミントフラッペスノーアイス」だった!!


若林「あ……あがががががががッ!!??(パキパキパキッ!!)」


マヒロ「あはは☆ これもマヒロの力だよーっ☆!!」


その場にパステルグリーンの冷気が爆発的に広がり、若林の身体を一瞬で飲み込む!!

断末魔すら上げる暇もなく、実況席には口を大きく開けたまま、

カチコチに凍りついた「パステルグリーンの若林像」が完成してしまった。


マヒロ「んー☆ 綺麗なミント色だねーっ☆ 私のR50とお揃いだよーっ☆

さあ、若林さんはお休み中だから、ここからはボクが一人で実況しちゃうよーっ☆!!」


実況席の温度は、もはや測定不能の絶対零度。

その狂気じみた冷気が、マイクを通じて全ドライバーの無線へと流れ込んでいく!!


マヒロ「あ、、、ついでにぎゅーしながら、、、今度は3回ふーふーしようか、、、、?

カチコチのままでもいいからさ、、、ね?」


若林(氷像)「…………!!(音なき絶叫)」


マヒロは抵抗できない若林の氷像を、愛おしそうに「ぎゅーっ」と抱きしめる。

その瞬間、彼女の身体から極寒の「ミントフラッペスノー」の冷気が爆発的に広がり、部屋中を猛吹雪が包み込む!

さらに、彼女の愛らしい唇から放たれる「3回のふーふー(耳への吐息)」が、トドメの一撃となった。


マヒロ「ふーっ……♡ ふーっ……♡ ふーっ……♡」


吐息すらも鮮やかなパステルグリーン。

その息が触れた若林の耳、首筋、そして実況席のマイクやモニターまでもが、

瞬時に「パステルグリーンの紅茶氷」のような、幻想的かつ硬質な輝きを放ち始める!!


ピキキキキ……パキィィィン……!!


実況席はもはや、汗と熱気が飛び交う「放送室」ではない。

壁も床も天井も、すべてがミントグリーンに凍りつき、

甘く爽やかで、肺が凍るような「ミントフラッペスノー」の香りが充満する、

マヒロだけが支配する『氷の宮殿』へと変貌したのだッ!!


マヒロ「わぁ……☆ 綺麗……☆

これなら若林さん、永遠にボクのそばで実況を聞いていられるねーっ☆」


その狂気じみた「愛の冷気」は、マイクを通じて全コースへ波及し、

走っているドライバーたちの背筋すらも凍らせていく……!!

次回 WRX再始動!

明日よる公開!!!

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