米沢編第48話 スイスポ対86
K385
若林「ついに来たァァァァァァ!!!!!!
イヨのスープラがわずかにラインを乱したその一瞬!!
チャンピオンイエローと赤い戦闘機のサイドバイサイドォォォォ!!!!!!」
キィィィィィィンンッ!!
豪雨で視界がゼロに近い中、カナタの86が、伊藤翔太のスイスポのインサイドへ
吸い込まれるように飛び込んでいくッ!!
伊藤「腹切カナタ、、、いつの間に、、、、ッ!!??
……チッ、イヨのブロックに気を取られすぎたか……ッ!!」
カナタ「……待たせたな、伊藤!!
ここからは俺たちの、本当の『メインテーマ』の始まりだッ!!」
若林「並んだ!! 二台の距離は数センチ!!
高畠のタイトコーナー、どちらかが引かなければ崖下転落は免れない!!
だが、同期の二人に『ブレーキ』という選択肢は存在しないィィッ!!」
花「……っ、二人とも……危ないよ……っ!!
でも、信じてる……二人の走りが、一番輝いてるから……っ!!」
マヒロ「うわぁぁぁーっ✩ 画面が黄色と赤で燃えてるよーっ✩
若林さーん!! どっちが勝つのぉーっ☆!!」
若林「譲らない!! 譲りませんッ!!
クールだったはずの伊藤翔太が、剥き出しの闘志でカナタを押し返す!!
豪雨で真っ白な視界の中、二台の鉄塊が激しく火花を散らしているゥゥッ!!」
伊藤「カナタァァ!!!!! そこをどいてくれッ!!!!
俺には、この先に……絶対に行かなきゃならない理由があるんだよッ!!」
いつも冷静な伊藤が、ステアリングを握りしめて叫ぶ!
だが、その進路を塞ぐ赤い戦闘機――腹切カナタの瞳もまた、烈火のごとく燃えていた。
カナタ「嫌だァァァァ!!!!!
お前とのバトルを待ってたんだ! 絶対に諦めないぞ!!!
お前が本気なら、俺はそれ以上の本気で、お前を越えていくッ!!」
若林「絶叫!! 二人の叫びが豪雨の音をかき消す!!
インサイドを死守するカナタ!! 外側から強引にノーズを捩じ込む伊藤翔太!!
もはやレースの順位など関係ない!!
この瞬間、世界には自分と、目の前のライバルしか存在していないッ!!」
花「……っ、二人とも……っ!! 凄い……なんて熱い走りなの……。
これが、二人の本気なんだね……っ!!」
若林「さらにWRXが後ろに張り付いて三つ巴のバトルになってきたかァァァァ!!!!???
豪雨で道幅は極端に狭く見える!!
そんな苦しい車線で、三台が互いの車体を削り合う激しいスクランブルゥゥゥ!!!!」
カナタの86、伊藤のスイスポ、そして花のWRX!
水飛沫で前が見えない中、三台のライトが混ざり合い、
一本の巨大な光の柱となってダウンヒルを突き進む!
花「……っ、二人だけで行かせない……っ!!
私も……この三人の『メインテーマ』の中にいたいんだからッ!!」
しおらしい仮面を脱ぎ捨てた花のWRXが、四駆のトラクションで
カナタと伊藤のわずかな隙間にフロントノーズを捩じ込んでいく!
伊藤「花……お前まで来るのか……ッ!!
だが、この『刃』はもう誰にも止められないんだッ!!」
カナタ「最高だぜ!! これだよ、俺が求めていたバトルはッ!!
三人まとめて、この雨の向こう側まで連れてってやるぜェェッ!!」
若林「混沌!! 誰がトップで誰が脱落するか、もはや予測不能!!
同期三人の絆とプライドが、高畠のワインディングで激しく火花を散らしていますッ!!」
若林「さらに山吹花が後ろに張り付いて三つ巴のバトルになってきたかァァァァ!!!!??? 豪雨で道幅は極端に狭く見える!! そんな苦しい車線で、三台が互いの車体を削り合う激しいスクランブルゥゥゥ!!!!」
腹切カナタの86、伊藤翔太のスイスポ、そして山吹花のWRX! 水飛沫で前が見えない中、三台のライトが混ざり合い、一本の巨大な光の柱となってダウンヒルを突き進む!
山吹花「……っ、二人だけで行かせない……っ!! 私も……この三人の『メインテーマ』の中にいたいんだからッ!!」
しおらしい仮面を脱ぎ捨てた山吹花のWRXが、四駆のトラクションで腹切カナタと伊藤翔太のわずかな隙間にフロントノーズを捩じ込んでいく!
伊藤翔太「山吹花……お前まで来るのか……ッ!! だが、この『刃』はもう誰にも止められないんだッ!!」
腹切カナタ「最高だぜ!! これだよ、俺が求めていたバトルはッ!! 三人まとめて、この雨の向こう側まで連れてってやるぜェェッ!!」
若林「混沌!! 誰がトップで誰が脱落するか、もはや予測不能!! 同期三人の絆とプライドが、高畠のワインディングで激しく火花を散らしていますッ!!」
若林「三台の鉄塊が激しく火花を散らす!! もはや一線を越えた、常識外のバトルだァァァァッ!!!」
水飛沫の壁を突き破り、三つの光の柱がわずかにズレる。豪雨と泥を噛みしめた山吹花のWRXが、四駆のトラクションを最大限に活かし、外側からコンマ数秒、ノーズを前に出した!!
腹切カナタ「ぐっ、、、!? 花が、前にっ!!」
若林「WRXが前に出たアアアア!!!!!! 赤い戦闘機とは距離が10秒も離れていましたが、、、ここで追いついてきましたアアアア!!!!」
伊藤翔太「この雨の中、花があの二人を相手にリードを奪うだと、、、っ!!?」
若林「山吹花、前に出たァァァァ!!! 腹切カナタと伊藤翔太、二台の闘争心を燃料に、自らも『メインテーマ』の主役へと躍り出たァァァァ!!!」
しかし、二人のライバルも意地で食らいつく。山吹花のWRXのテールに腹切カナタの86と伊藤翔太のスイスポのノーズが張り付き、三台はダウンヒルを高速で突き進む一本の巨大な矢のようだ。
山吹花「ふっ、ふふっ、、、最高の気分だよ、腹切カナタ、伊藤翔太!! 憧れだけじゃ、あなたたちには追いつけない。だから、私は、この車で、このトラクションで、あなたたちをねじ伏せるッ!!」
腹切カナタ「そうくるか、花ァ!! 面白いぜ、ますます燃えてきたァァァァッ!!」
伊藤翔太「だが、勝つのは俺だ、花!! お前のトラクションなど、俺の技術で捩じ切ってやるッ!!」
山吹花「......言ったわねッ!? 伊藤くんには負けられない、、、、、ッ!!!!」
若林「しかし赤い戦闘機もここで粘るように低速ヘアピン突入です!!!!!
山吹花が奪ったリードを、腹切カナタがブレーキングの深さだけで帳消しにするゥゥッ!!」
山吹花「やっぱり、、、86、、、ッ!!!
カナタの86、NAの時も強かったのに、、、、
REVIVE 86はもっと加速も鋭そう、、、、ッ!!」
ヘアピンのクリッピングポイントを、腹切カナタはミリ単位の精度で通過する。
かつての非力さはもうない。ターボ化された水平対向エンジンが、
コーナー出口で弾けるようなトルクを路面に叩きつけるッ!!
腹切カナタ「……先生(古賀)が仕上げてくれたこの車なら、
立ち上がりの加速でWRXにも……お前らにも、絶対に負けないッ!!」
若林「凄まじい加速だァァッ!! REVIVE 86、低速域からの脱出速度が異常!!
再び山吹花の真横に並びかけ、そのまま抜き去ろうというのかァァッ!!」
伊藤翔太「……くっ、ターボの恩恵をこれほどまで使いこなすとはな……。
だがカナタ、その立ち上がりこそがスイスポの、俺の真骨頂だということを忘れるなッ!!」
若林「行ってしまウウウウウ!!!!!
立ち上がりの加速性能が違いすぎるッ!!
腹切カナタ!!
山吹花のWRXをアウトサイドから力技で引き剥がしたァァッ!!
赤い戦闘機! 3位返り咲きィィィィ!!!!!!!」
ターボの過給圧が限界まで高まり、86のリアタイヤが豪雨を蹴り上げる。
腹切カナタは、ステアリングに伝わる激しいキックバックをねじ伏せ、
次なるコーナーを見据えてシフトアップを叩き込んだ。
腹切カナタ「……もらったッ!! これがREVIVE 86の……俺の新しい力だ!!
花、伊藤!! 先に行くぜ。お前らとの決着は、もっと先……ポルシェとスープラの背中が見える場所でつけるッ!!」
山吹花「……っ、嘘……!! 四駆の私が、あの立ち上がりで負けるなんて……。
カナタ、あなた……一体どれだけの覚悟をその車に乗せてるの……ッ!!」
若林「腹切カナタ、怒涛の加速!! 3位の座を奪い返すや否や、
2位のイヨ、そして1位フリスを猛烈な勢いで追い上げ始めましたァァッ!!」
若林「後方では、、、岡田大成! 伊藤乎太郎! 高橋勇太! そして柳津カリンのドッグファイトが勃発だアアアア!!! 賞金圏内を賭けた、一歩も引けない超高速の乱舞!! もはやマシンが触れ合わんばかりの距離ですッ!!」
豪雨の中、岡田大成のヤリス、伊藤乎太郎のウアイラ、高橋勇太のNSXが、荒々しくラインを奪い合う。その暴力的な加速と咆哮に、柳津カリンの身体は震えていた。
柳津カリン「……怖い。エンジンが叫んで、雨が牙を剥いて……。でも、ここで引いたら、私のRomaがかわいそう……。……見える。激しい水飛沫の隙間に、一瞬だけ、宝石のように静かなラインが……ッ!!」
柳津カリンは、震える指先で繊細にステアリングを修正する。それは、並み居る強豪たちが気づかない、ハイドロプレーニングを回避し、最も美しく加速できる「針の穴を通すような」ラインだった。
若林「柳津カリン、動いたァァッ!! 荒ぶる三台の隙間を、まるで氷の上を滑るスケーターのように、音もなく通り抜けていく!! 繊細にして大胆!! これが氷の宝石の真骨頂かァァッ!!」
高橋勇太「なっ……!? 今、どこを通った!? あのフェラーリ……俺たちの乱気流を、完全に無視していきやがったぞ!!」
若林「見ろ!! 柳津カリンのフェラーリ・ローマが、まるで周囲の物理法則を拒絶しているかのようだ!! 激しいドッグファイトを繰り広げていた岡田大成、伊藤乎太郎、高橋勇太の三台が、彼女の残像すら捉えきれないッ!!」
豪雨の衝撃も、他車の咆哮も、今の柳津カリンには遠い世界の出来事のように感じられていた。
柳津カリン「……まるでガラスみたいな心が、、、私を包んでいるみたい、、、、。
触れたらすぐに割れてしまいそうな、冷たくて透明な感覚。でも、今の私なら、この雨粒のひとつひとつを避けて走れる……ッ!!」
彼女の繊細な指先が、路面のμ(ミュー)の変化を完璧に読み取る。
スリップギリギリの限界域を、まるで薄氷の上を滑るバレリーナのように、優雅に、そして残酷なまでの速さで駆け抜けていくッ!!
若林「柳津カリン、もはや誰にも止められなァァァい!!
前方の久我ヒカル、ゾフィアをも射程に捉えた!!
この『氷の宝石』の輝きは、ついにトップ10の厚い壁を砕こうとしていますッ!!」
マヒロ「うわぁぁぁーっ✩ カリンちゃん、本当にガラスのお姫様になっちゃったよーっ✩
綺麗すぎて、瞬きするのも忘れちゃうよーっ☆!!」
若林「さあ! 古賀加奈子がフェラーリをM5で食いに行けるのかァァァ!!!??
G90型V8ハイブリッドの巨体が、先行する跳ね馬に襲いかかるゥゥゥゥ!!!!」
クリスタ・ニールセン「後ろからM5!? 嘘よ、あんな重いセダンが、この豪雨の下りでどうしてこんなに速いのォォォッ!!?」
バックミラーを埋め尽くす、巨大なキドニーグリルと鋭いエンジェルアイ。古賀加奈子の駆るM5は、2.4トンを超える重量を逆手に取り、路面の水を強引に押し潰して絶対的な安定感を生み出している。
古賀加奈子「……クリスタ、悪いけどそこをどいてもらうわよ。
今のあんたには、迷いが見える。そんな走りじゃ、この『M』の重圧には耐えられないわッ!!」
若林「咆哮!! M5がクリスタの488 GTSのテールに激突せんばかりの距離まで肉薄!!
コーナーの飛び込み、古賀加奈子が『重量級のレイトブレーキ』でクリスタを精神的に追い詰めるゥゥッ!!」
若林「古賀加奈子が外からフェラーリを撃破ァァァァ!!!!!!
なんという光景だッ!! 誰もがグリップを失うことを恐れるコーナーの外側、
濁流が渦巻くデッドラインを、M5の巨体が強引に踏み越えていくゥゥッ!!」
クリスタ・ニールセン「嘘でしょ……!? あんな外側、川になってるのよ!?
どうして滑らないの……どうしてそんなに加速できるのォォッ!!?」
古賀加奈子「……重さは武器にもなるのよ、クリスタ。
このG90の重量なら、路面の水を押し潰してアスファルトに牙を立てられるッ!!
さあ、そこをどきなさい。私の教え子が、もっと先で待ってるのよ……!!」
若林「決まったァァッ!! アウトサイドから豪快に捲りきった!!
古賀加奈子のBMW M5が、クリスタ・ニールセンのフェラーリを葬り去り、
賞金圏内の境界線へと一気に肉薄しますッ!!」
マヒロ「うわぁぁぁーっ✩ 加奈子先生、めちゃくちゃカッコいいよーっ✩
あの大きな車が、まるで弾丸みたいに外側を飛んでいったよーっ☆!!」
若林「古賀加奈子!! クリスタを仕留めてなお、その加速は衰えを知りません!!
むしろ速度は上がっている!! 豪雨のダウンヒルを、まるで楽譜をなぞるかのような正確さで駆け抜けていくゥゥッ!!」
古賀加奈子「見せてあげるわここから、、、私の音楽の先生としての、、、律動を、、、ッ!!」
G90型エンジンのV8サウンドが、雨音を切り裂く重低音のシンフォニーへと変わる。
シフトアップの衝撃はスネアの如く、縁石を叩くタイヤの音は正確なメトロノーム。
古賀加奈子の脳内では、この過酷な峠道が壮大なクラシックの舞台へと変貌していた。
古賀加奈子「……フォルテッシモで駆け抜けるわよッ!!
北斗、あんたの『神拳』も、私の律動の中ではただの雑音に過ぎないわッ!!」
若林「北斗のAMG GTRが、古賀加奈子の放つ圧倒的なプレッシャーに震えている!!
16位、15位、14位……! 音楽教師が振るタクト(ハンドル)一つで、
中段グループの秩序が、狂乱の旋律へと塗り替えられていくゥゥッ!!」
マヒロ「うわぁぁぁーっ✩ 加奈子先生、本当の音楽の授業を始めちゃったよーっ✩
あの迫力……聴いてるだけで、心臓がバクバクしちゃうよーっ☆!!」




