米沢編第37話 氷のドラゴン
k374
第5シーズン 吾妻GT編2026年6月開始予定!!
若林「再び2台がフブキのエミーラを抜く!!!
なんという乱戦! 赤い戦闘機と白いドラゴンが、銀色の吹雪を力ずくでねじ伏せたァァッ!!
腹切カナタが前! セシルがそのすぐ後ろに死神の如く張り付くゥゥッ!!」
ドパアアアアン!!!
ギャリィィィィンッッ!!!!!!
フブキ「なっ……私の加速が、通用しない……!?....クソが.....ッ!!さっさと減速させて形付けたいのにィ....!!なんで.....ッ!!!」
セシル「……アナタだけではありません。私も、下の26位からのスタートでした……ッ!!」
セシルはベージュ色のマフラーを口元まで引き上げ、吐息の白さを隠すように再びステアリングを強く握りしめる。
その瞳は、もはや「乙女」のものではなく、獲物を追い詰める「龍」の鋭さだ。
セシル「フブキ……アナタこそ、やりすぎなのではないですか....?コーナーでのフットワークが生かせていませんよ....?この勝負、貰ったですッ!!!」
若林「セシルが吠えたァァッ!!
氷のドラゴン ウラカンが前に出ていくううう!!!かつての後方集団の主たちが、今やトップ集団の秩序を完膚なきまでに破壊しているゥゥッ!!
カナタ、セシル、そして抜き返されたフブキ! 5位争いは三つ巴の地獄絵図だァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
セシルちゃん、マフラーで顔を隠して……本気モード突入だねぇーっ☆!
26位からの逆襲劇、フブキちゃんへの意地が爆発してるよぉーっ☆!!」
若林「まさに最強リベンジャー誕生かァァァァ!!!!??
26位からスタートし、数多の猛獣をなぎ倒してきたセシルが、ついに5位の座さえも手中に収めんとしているゥゥッ!!」
セシル「……リベンジャー? いいえ、私はただ、失ったものを取り戻しに来ただけよ。」
ベージュのマフラーに隠された口元で、セシルは静かに微笑む。
ウラカンのV10エンジンが、まるでドラゴンの咆哮の如く飯坂の温泉街に響き渡る。
前方を走るカナタの86を、逃げ場のない「白き光」が飲み込んでいくッ!!
カナタ「くっ……このプレッシャー! まるで背後に巨大な壁が迫ってくるみたいだ……ッ!!」
若林「カナタ選手、防戦一方ッ!!
リベンジャー・セシルの放つオーラが、赤い戦闘機の翼をもぎ取らんばかりの勢いだァァッ!!
飯坂温泉街を抜ける最後のコーナー、ここで歴史が動くのかァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
セシルちゃん、もう誰にも止められないよぉっ!
『最強リベンジャー』なんて、二つ名までついちゃって、最高にクールだよぉーっ☆!!」
若林「オォ!? これから分岐するはずのR13が、先日の台風の土砂崩れにより通行止めになっていると情報が入りましたァァァァ!!!!!」
実況席に激震が走る。
飯坂温泉街を抜け、ハイスピードセクションへ突入しようとしていたドライバーたちの目の前に、非情な「通行止」の電光掲示板と、積み上がった土砂の山が姿を現した。
運営「おい、、どうするんだよ、、、このままじゃ全車コースアウトだぞッ!!」
コースマーシャルが必死にイエローフラッグを振り、全車に急減速とルート変更を促す。
だが、時速200キロを超えるトップ集団にとって、この急なコース変更は死を意味する!
イヨ「……あらあら、神様も意地悪だねぇ。R13がダメなら、あの『旧道』へ行けってことかな……?」
セシル「……通行止め? ふふ、最強リベンジャーの私を止めるには、土砂崩れじゃ足りないわよ……ッ!!」
若林「全車、急ブレーキ!! 飯坂の出口でパニックブレーキの嵐だァァッ!!
運営が緊急ルートを模索中! 果たして米沢グランプリは、どこへ向かうのかァァッ!!?」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
道路が崩れてるなんて聞いてないよぉーっ!!
みんな、止まって! 事故になっちゃうよぉーっ☆!!」
若林「運営本部からの情報です!! R399を経由してゴールに向かうことになりました!!!!
レース再開です! 全ドライバーのナビに新たなルートを表示します!!!」
パニックに陥っていた飯坂の出口。全車のモニターに映し出されたのは、摺上川を遡り、
険しい山々を縫うように走るR399の曲がりくねった赤線だった。
イヨ「ふふ、摺上川ダムの方へ向かうんだね。あそこは道が細いよ……ボクの得意分野だね✩」
セシル「……道が細かろうが関係ないわ。最強リベンジャーの力、その酷道に刻んであげる……ッ!!」
若林「再スタートォォォッ!! 団子状態から弾き出されるように、イヨのスープラを先頭に、
全35台がR399の深い霧の中へと突っ込んでいくゥゥッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
R399って、別名『酷道』って呼ばれるくらい道がボロボロなところもあるんだよぉっ!
ハイパーカーのみんな、底を擦らないように気をつけてぇーっ☆!!」
若林「マヒロさん、、、酷道区間で86はどうなんでしょうかね?」
マヒロ「待ってましたぁーっ☆
もうね、R399みたいなタイトで荒れた道こそ、86が『伝説』を作るための最高のステージなんだよぉっ!
車体が軽くてホイールベースも短いから、大型のスーパーカーがブレーキを踏んでる横を、
カナタくんはアクセル全開のまま『ヒラリっ☆』って駆け抜けられちゃうんだからぁーっ☆!!」
若林「なるほど! パワーよりも旋回性能、そして左足ブレーキを駆使した細かな荷重移動がモノを言うわけですねッ!!」
マヒロ「そうそう! それにREVIVE 86の足回りは、多少の路面の荒れなんていなすようにセットされてるはず!
まさに今、カナタくんの目の前には、最強リベンジャーのセシルちゃんも、天使の咆哮のシラヌイさんも、
みんな『大きな獲物』に見えてるはずだよぉーっ☆!!」
カナタ「……マヒロさんの言う通りだ。狭ければ狭いほど、荒れてれば荒れてるほど……
86の鼓動が速くなる。いくぜ、ここからが本当の『86伝説』だッ!!」
セシル「、、ここを刺して...氷のドラゴンに凍らされるです、、、、ッ!!!!」
シケイン気味のタイトコーナー。ウラカンのノーズが、カナタの86のインサイドへミリ単位の精度で突き刺さる!
セシルが放つ圧倒的な冷気が、酷道の湿った空気を一瞬でダイヤモンドダストへと変えた。
カナタ「ク....ッ!!!!ウラカンがきやがったか!!!
視界が……凍りついてやがる……ッ!!!!!」
若林「その差は0.2秒! 腹切カナタは死守し続けていますが、、、、、、
まさに氷のドラゴン! セシルのプレッシャーがカナタの自由を奪い、その動きを完全に凍結させようとしているゥゥッ!!」
マヒロ「……これ、ただの煽りじゃないよぉ。セシルちゃん、わざとカナタくんのラインを『凍らせて』滑らせようとしてるんだぁっ!
0.2秒なんて、瞬き一つで氷像にされちゃう距離だよぉーっ☆!!」
カナタ「さっきよりもやばいのが来てるって分かる、、、ッ!!
あんな不格好なボディであんなにキビキビと曲がる、、、」
カナタはバックミラー越しに、左右へ激しく身を翻しながら肉薄する白い影に歯噛みした。
ランボルギーニ特有の低くワイドな、一見すれば峠には不向きなそのフォルム。
だが、セシルが操るその「ドラゴン」は、まるで自分の庭を散歩するかのように、酷道の凸凹をいなしてインサイドを抉ってくる!
若林「まさに氷のドラゴンの急襲とも言えるのでしょうか? マヒロさん!」
マヒロ「そうだよぉーっ☆!
ウラカンの4WDシステムと、セシルちゃんの繊細な左足ブレーキが合体して、
あの大きなボディをコンパスみたいに鋭く振り回してるんだぁっ!
カナタくん、不格好なんて言ってる余裕はないよぉ! 龍の顎が、すぐそこまで来てるんだからぁーっ☆!!」
セシル「……不格好? ふふ、ならその『不格好な牙』に、抱かれるのです……ッ!!」
セシルはベージュのマフラーをきつく巻き直し、ステアリングを一気に切り込んだ。
0.2秒の均衡が、今、龍の咆哮と共に崩れ去ろうとしている!!
セシル「……はぁ。あんな不格好な走りで、よくここまで残れましたね、カナタさん。
でも、ここからは私の時間です。大人しく私の後ろで、氷漬けになっていればよろしいんです……ッ!!」
若林「セシル選手、丁寧な口調ながらも言葉の刃は鋭いッ!!
まさに氷の貴婦人! しかし、その頬はマフラーの赤みか、それとも高揚か、僅かに染まっているようにも見えますッ!!」
カナタ「丁寧すぎて逆に怖いんだよ……ッ! それにそのプレッシャー、さっきより増してねえか!?」
セシル「……な、何をジロジロ見ているんですかッ!?
別に、あなたの走りを認めたわけじゃありませんから!
ただ、その……少しだけ、追うのが楽しいと思ってしまっただけです……。
で、でも! 抜く時は容赦しません! 覚悟してくださいですッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
セシルちゃん、完全なツンデレモード突入だよぉーっ☆!
敬語で突き放してるようで、実はカナタくんとのバトルにドキドキしちゃってるんじゃないかなぁーっ☆!!」
セシル「マヒロさん、余計なことを言わないでくださいッ!!
……カナタさん、行きますよ。氷のドラゴンの牙、その身で味わってください……ですッ!!」
若林「ああっ! セシル選手のスイッチが入ってしまったァァッ!!
敬語が崩れそうなほどの激昂! ウラカンのV10エンジンが、さっきまでの比ではない怒りの咆哮を上げていますッ!!」
セシル「カナタさん、どいてくださいッ!!
こんな小さな体でこの車を操るのがどれだけ大変か……今すぐその身に、この『小さな牙』の恐ろしさを刻んで差し上げますからねッ!!」
カナタ「ひ、火に油を注ぎやがった……! マヒロさん、余計なことをッ!!」
マヒロ「えへへっ☆ ごめんごめん、でも小さいのに頑張ってるセシルちゃん、
マスコットみたいで可愛いんだもんっ☆!!」
セシル「マ・ス・コ・ッ・ト……!?
……もう許しません。カナタさん、覚悟はよろしいですね? 氷漬けでは足りません……粉砕して差し上げますッ!!」
若林「最強リベンジャー、怒りのブーストォォォッ!!
セシルがカナタの86を強引に弾き飛ばさんばかりの勢いで、酷道のヘアピンへ飛び込んでいくゥゥッ!!」
若林「そして!!! 山吹花が、、、ニールセンをオーバーテイクゥゥゥ!!!!
何というキレ! 酷道の荒れた路面を、WRXのAWDが完璧に捉え、クリスタのフェラーリをアウトから豪快にまくり上げたァァッ!!」
クリスタ「な、、、ッ!!? さっきまでたくさんスバルボディ突いてたのに、、、、ッ!!!!
どうしてこんな、物理法則を無視したラインで曲がれるのよォッ!!」
クリスタは驚愕に目を見開く。
つい数分前まで、自分の背後で耐えるのが精一杯だったはずのWRXが、今はまるで別次元の速さで「桜色の残像」を残していく。
花はクリスタの僅かなブレーキングミスを見逃さず、0.1秒の隙間に4輪のトラクションを叩きつけたのだ!
花「……言ったでしょ、クリスタ! 私はもう、あんたに突かれるだけのタマじゃないわッ!!
この桜色の狼が、あんたの跳ね馬を越えて……その先の頂まで駆け上がるのよォッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
花ちゃん、有言実行だよぉーっ☆!
クリスタちゃんの488が、止まってるみたいに見えるくらいの猛加速!
これぞまさに『一世一代』の狼狩りだねぇーっ☆!!」
セシル「カナタさん、、、逃げないでください、、、。
わたくし、あなたがどこまで逃げても……氷漬けにして粉々にするまで、追いかけ続けて差し上げますから……ッ!!」
若林「セシル選手が怖すぎるゥゥゥッ!!
丁寧な敬語の裏に、底知れぬ狂気が見え隠れしています!
白いウラカンのノーズが、カナタの86のリアバンパーをミリ単位で突き回しているゥゥッ!!」
カナタ「くっ、逃げないでくれって言われて止まるバカがいるかよッ!!
なんだこのオーラ……バックミラーが凍りついてやがる……ッ!!」
セシル「……無駄な抵抗はやめて、大人しく止まってくださいです。
あなたが動くたびに、わたくしのイライラが『小さな』爆発を起こしそうなんです……。
さあ、その不格好な走りを……わたくしの白い翼で、優しく踏み潰して差し上げますッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
セシルちゃん、ヤンデレ一歩手前だよぉーっ☆!
敬語で追い詰めながら、カナタくんをロックオンしちゃってる!
これもう、酷道のストーカーだよぉーっ☆!!」
若林「ん?、、、16位走行中の柳津雄介と25位川村修一が車を停めているぞォォォォォ!!!??
故障か!? クラッシュか!? いえ、二人は悠々と車を降り、暖簾をくぐろうとしていますッ!!」
運営「何かありましたか!? 柳津さん!! レース中ですよッ!!」
柳津「あ、、、飯坂温泉入りたくなって、、、。
いやぁ、この硫黄の香りを嗅いだら、もうアクセル踏んでる場合じゃないかなって。」
運営「バカなことを言わないでください!!
……どうかしましたか? 川村さん! タイヤですか? ガソリンでしょうか?」
川村「あ、サウナ浴びたくなってさ、、、。
酷道の運転で肩凝っちゃって。ちょっと『整えて』からゴール目指すわ。」
運営「......はい? 整える……?」
実況席の若林はマイクを落とし、マヒロは目を丸くして固まっている。
その静寂を切り裂いたのは、15位で猛追していた黒川の、魂の絶叫だった。
黒川「ふざけんなァァァァ!!!!!!
こっちはおかあちゃに褒めてもらうために、死に物狂いでレースしてんだよォォォォォ!!!!!!
温泉!? サウナ!? レースを、僕の走りを、お湯で流すつもりかよォォォォォッ!!」
シラヌイ「あらあら……風情があるわね。私も誘ってくれればよかったのに✩」
セシル「……信じられません。最強リベンジャーの私を置いて、裸の付き合いですか……ですッ!!」
カナタ「(……助かった、今のうちに逃げよう……ッ!)」
若林「信じられない光景です……!
16位・柳津雄介、そして25位・川村修一の両名、なんと車を降りたまま戻ってきません!
たった今、運営本部から公式発表がありました……柳津、川村、両名リタイアですッ!!!」
運営「リタイア届の理由欄に『湯冷めしたくないから』『サウナ3セット回したいから』って……ふざけるなッ!!」
黒川「リタイアァァッ!? 逃げるのかよォォォッ!!
最後まで僕の相手をしろよォォォォォッ!! この……温泉野郎ォォォッ!!!」
黒川のランエボXが、怒りの火花をマフラーから噴き上げ、路面を削りながら加速する。
一方で、17位から下位のドライバーたちは、ぽっかりと空いた「温泉組」の穴を埋めるべく、複雑な表情でアクセルを踏み込んだ。
マヒロ「ええぇーっ☆ 本当にやめちゃったのぉーっ!?
でも……柳津くんも川村くんも、ある意味自分に正直だねぇ……。
二人とも、湯船の中でレース中継見て笑ってそうだよぉーっ☆!!」
ゾフィア「何してんのよ二人ともォォォォォ!!!! このウンコがァァァァ!!!!!
私よりウンコじゃないのよッ!!!! 私なんてずっとウンコ我慢してんのよォォォォォ!!!!!!」
若林「な、なんだってェェェェ!!?
12位・ゾフィア、驚愕の事実公表ッ!!
彼女は今、1000馬力近いコルベットを操りながら、人知れず『人生最大の危機』と戦っていたというのかァァッ!!」
ゾフィア「温泉!? サウナ!? 舐めてんじゃないわよッ!!
こっちは一回踏むたびに『出そう』なのを、気合と括約筋で押し止めてんのよォッ!!
あんたたちがリタイアするなら、私のこの『我慢』は何なのよォォォォッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
ゾフィアさん、それ言っちゃダメなやつだよぉーっ☆!
でも、そんな極限状態でコルベットをねじ伏せてるなんて、ある意味今夜一番のプロ根性だよぉーっ☆!!」
岡田「ゾ、ゾフィア……。お前、そんな顔して走ってたのか……。
武士の情けだ、お前の前は走らねえよ(バックミラー見たくねえしな……)」




