米沢編第36話 スカンジナビアフリック
K373
5月23日まで86伝説はおやすみします。
なお、その日で86伝説1周年を迎えます!
若林「高橋勇太だッ! 黒川の執拗なプッシュに、ついに奥の手を出す構えかッ!?
だが……何か叫んでいるぞ!?」
高橋勇太「こうなったら、、、俺のスカンジナビア半島でもォ、、、!」
※スカンジナビアフリックです
高橋勇太「スカンジナビア半島で行くぜェェ!!!!」
※だからスカンジナビアフリックだってばw
高橋はあえてコーナーとは逆方向にステアリングを一瞬、鋭く切り込んだ!
NSXのリアが振り子のように大きく振られ、次の瞬間、猛烈な慣性と荷重移動を利用してインサイドへと弾丸のように向きを変える!
若林「スカンジナビアン・フリックだァァァァッ!!
高橋は『半島』と言っているが、その動きは紛れもなく北欧のラリーストが使う神業ッ!!
黒川の重戦車が反応するよりも速く、NSXが異次元の角度でコーナーへ飛び込んだァァッ!!」
黒川「な、なに……!? 狼さんが、急に反対に逃げたと思ったら……ボクの目の前から消えた……✩ おかあちゃ、これ魔法だよぉ……。」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
勇太くん、名前は間違えてるけど走りは最高にワイルドだよぉっ!
温泉街の路地裏で『半島』を炸裂させるなんて、もう誰もついていけないねぇーっ☆!!」
若林「ところでスカンジナビアフリックとな?」
高橋勇太が「半島ォォ!」と絶叫する中、実況席ではマヒロが冷静に、かつ熱くマイクを握りしめる。
マヒロ「スカンジナビアン・フリック(Scandinavian Flick)は、主にラリー競技で使われる、高速走行中に車の向きを鋭く転換する高度なコーナーリング技術です。別名『ペンドラム・ターン(振り子ターン)』や『逆ドリフト』とも呼ばれ、荷重移動と慣性力を利用して、コーナーとは逆の方向へ一度ステアリングを切ってから切り返すことで、リアを滑らせてノーズを内側に入れる手法です。」
若林「なるほど……! 逆へ振ることでサスペンションを一度沈ませ、その反動で一気に鼻先をインへ向けるというわけかッ!
しかし、それをこの狭い温泉街の、しかもハイブリッドスーパースポーツのNSXでやってのけるとは……!」
高橋勇太「理屈はどうでもいいんだよォォォォ!! 動け、俺の半島ォォォォォッ!!!」
マヒロ「……勇太くん、半島じゃないってば✩
でも、あの重いNSXの荷重を完璧に左足ブレーキでコントロールしてる……。
今のフリック、100点満点だよぉーっ☆!!」
銀色のNSXは、マヒロの解説通りの完璧な放物線を描き、黒川のエボの鼻先をミリ単位でかすめて、温泉街のクランクを異次元のスピードで脱出した!
高橋勇太「どうだァァァァ!!!! Rがァァァァ!!!!
スカンジナビア半島でこのまま抜くぜェェ!!!!!」
※もうwwww
若林「ああっ! 高橋選手、マヒロさんの完璧な解説を完全にスルーしていますッ!!
しかし、その走りは解説以上の説得力だァァッ!!
今度は相川のGT-Rに対し、あえてアウト側に大きく振ってからの『半島』を仕掛けたァァッ!!」
相川「何が半島だ、ふざけんなッ!!
この重量級のGT-Rを、そんなハッタリの慣性だけで抜けると思って……なっ!? 鼻先が、入って……くるッ!!?」
高橋のNSXは、フロントモーターのトルクを制御しつつ、リアを振り子のように旋回させ、相川のGT-Rがブロックするはずだったインサイドの僅かな隙間に、「半島」の先端をねじ込むように滑り込んだ!
若林「抜いたァァァァッ!!
高橋勇太、もはや誰も止められない『半島』の勢いで、相川のNISMO GT-Rを鮮やかにオーバーテイク!!
ついに12位へ浮上、一桁順位の背中が見えてきたァァッ!!」
マヒロ「うふふっ☆
勇太くん、名前を間違えたままの方が速いみたいだねぇ。
もう誰もツッコまないから、そのまま『半島』でゴールまで行っちゃえぇーっ☆!!」
若林「相川律がRをベタ踏み!!! 超危険すぎるぞォォォォォ!!!!
この狭い飯坂温泉街で、NISMO GT-Rが1000馬力オーバーの咆哮を上げたァァッ!!
正気かッ!? 止まれないッ、今の速度では曲がりきれないはずだァァッ!!」
相川「内藤がいねェから、、、俺がかわりにフミッパしてやるよ、、、!
本家よりもイマイチだがな、、、!」
銀色のGT-Rが、路面の僅かなギャップで車体を跳ね上げながら、高橋勇太のNSXの背後に猛然と襲いかかる!
コーナーの入り口、相川は一切アクセルを緩めない。
タイヤが悲鳴を上げ、フェンダーの中で火花が渦巻く。
「曲がる」のではなく、強引に「ねじ伏せる」——かつて内藤が見せたあの狂気走法が、飯坂の夜に蘇ったッ!!
高橋勇太「なっ……!? あの野郎、死ぬ気かッ!!?
スカンジナビア半島が通用しねえほどのスピードで突っ込んでくるゥゥッ!!」
若林「相川が再び12位を奪還、いや、そのまま11位のゾフィアまでも飲み込む勢いだァァッ!!
一瞬の迷いも捨てた銀色の悪魔が、温泉街を光速でジャックしたァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
相川くん、内藤さんの代わりなんて……泣かせちゃうよぉっ!
本家よりイマイチなんて言ってるけど、その踏みっぷりは120点満点だよぉーっ☆!!」
若林「そして!!! 山吹花が仕掛けたァァァァ!!!!!
後方から迫る相川の熱気に背中を焼かれながら、彼女は今、自らの限界を超えた領域へと突入したァァッ!!」
花「……相川、そのフミッパ……魂は受け取ったわッ!!
でも、ここを抜けるのは……私と、この桜色の狼よォォォォッ!!」
花は左足ブレーキでWRXの姿勢を完璧に制御しながら、あえてゾフィアのC7と相川のGT-Rが交差する「死の隙間」へと突っ込んだ!
ボトムスピードを一切落とさず、最小限のステアリング操作で猛獣たちの牙を潜り抜けるッ!!
ゾフィア「なっ……!? あの狭いラインを、全開で抜ける気なのォッ!!?」
相川「ハハッ! いけェ、花!! お前のそのキレこそが、俺たちの望んだ走りだぜッ!!」
若林「抜いたァァァァッ!!
山吹花、ゾフィアと相川をまとめて置き去りにし、さらに前方の岡田大成をも射程に捉えたァァッ!!
桜色の旋風が、飯坂の夜空を完全に支配したァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
花ちゃん、本当にかっこいいよぉっ!
猛獣たちの喧嘩をステップにして、一番高いところまで駆け上がっちゃえぇーっ☆!!」
岡田「ウソだろ......ッ!? 前よりも速くなってるのか、、、!?
復活しているのか.....!??」
岡田大成はバックミラーを二度見した。
そこに映るのは、かつて自分の隣を走っていた「山吹花」ではない。
コーナーへの進入スピード、クリップを抜ける鋭さ、そして立ち上がりのトラクション……すべてが数段上のステージへ昇り詰めている!
岡田「前に並んだ時よりも速い、、、!! 一体、飯坂の温泉街で何があったってんだよ、、、ッ!!」
花「……当然よ、大成!! 私はあの時から、一秒たりとも止まっちゃいないわ!!
あんたがライバル(久我)を待ってる間に、私はあんたを食らい尽くすッ!!」
若林「岡田大成、驚愕ゥゥッ!!
9位の岡田が、10位から迫る花のプレッシャーに冷や汗を流している!!
桜色のWRXが、白いヤリスのリアバンパーを今にも噛み千切らんばかりの勢いで肉薄しているゥゥッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
大成くん、完全に腰が引けちゃってるよぉっ!
花ちゃんの『一世一代』は、本物中の本物なんだねぇーっ☆!!」
岡田大成「あぁ...そうかよ!なら、青い戦闘機!そっちがその気ならこっちだって容赦はしないッ!!」
ドゴオオオオオン!!!!!!!
キュンキュンッ!!!!ドギャアアアアアアアアアアア!!!!!!!!
若林「...さらに!!! 28位、軽の刺客・川村修一が、アルト・ワークスの軽量を活かしてインサイドを強襲ゥゥゥゥゥゥッ!!!!!!!」
川村「重たい高級車ばかりがレースじゃないってことを……教えてやるぜッ!!」
アルトが駒のように鋭く旋回し、サテラのエボVIIとチャッピーのコペンをまとめてインから刺し抜く!
だが、そのさらに「外側」! 街灯の光を跳ね返す紅蓮の巨体が、夜霧を切り裂いたッ!!
若林「31位からМ5が大外に回り込んで仕掛けていくゥゥ!!!!!
古賀加奈子ッ! 2.4トンの巨体を、BMW M5の727馬力が強引に高速域へと叩き出すゥゥッ!!」
加奈子「……まとめて道を開けなさいッ!!
紅蓮の炎は、誰にも消させないわよォッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ お姉さんキャラがまさかのここで大外刈りだねぇーっ☆!
2.4トンが外から飛んでくるなんて、みんな生きた心地がしないよぉっ!!」
若林「川村修一と古賀加奈子が大幅に順位を上げていくゥゥッ!!
後方集団のパワーバランスが、この二人の『狂気』によって完全に崩壊したァァッ!!」
若林「さあ、、、肝心の赤い戦闘機は、、、うおおおおおお!!!!!!
白いドラゴンのウラカンが並んでしまっているゥゥゥゥ!!!!!」
セシル「……いつまでそこにいるのです....?その赤い機体、私が噛み砕いて差し上げますわ....。」
セシルのウラカンが放つ、NA V10の乾いた咆哮。
「白いドラゴン」と化したその機体は、飯坂温泉街を抜けた直後の緩やかな高速コーナーで、カナタの86のインサイドへ強引に巨体をねじ込んだ!
カナタ「……っ! このプレッシャー、さっきまでの奴らとは次元が違う……ッ!
だが、ここで引いたら『86伝説』は終わっちまうんだよォォォォッ!!」
カナタは左足ブレーキをミリ単位で操作し、86のリアを僅かにスライドさせながら、ウラカンの白いボディを壁際へと押し戻そうと抗う!
赤と白、二つの魂が時速200キロを超える領域で、サイドパネルを激しく叩きつけ合うッ!!
若林「接触ゥゥゥッ!! セシルの白いドラゴンが牙を剥き、カナタの赤い戦闘機を飲み込もうとしているゥゥッ!! 5位フブキの背中を追うどころか、ここで順位を入れ替えられてしまうのかァァッ!!?」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ カナタくん、大ピンチだよぉっ!
セシルちゃんのウラカン、本当にドラゴンみたいに火を吹いて襲いかかってるよぉーっ☆!!」
若林「ん? フブキ選手が勢いが消えている、、、?
銀色のエミーラ、高速ベントの立ち上がりで僅かに挙動を乱したかッ!?
インサイドが開いているッ! 完全にがら空きだァァッ!!」
フブキ「……っ、タイヤが……!? こんなところでタレるなんて……ッ!!」
コンマ数秒のパワーダウン。だが、その後ろには飢えた猛獣たちがいた。
サイド・バイ・サイドを続けていたカナタとセシルが、示し合わせたかのように、エミーラの両脇をすり抜けるッ!!
若林「そこを赤い戦闘機とウラカンがすり抜けたァァァァ!!!!
なんという判断力! カナタとセシル、競り合いながらもフブキを抜き去り、ついに5連星の防壁を突破したァァッ!!」
カナタ「チャンスだッ!! セシル、お前を抜くのは後だ……まずは上に行くぞォォッ!!」
セシル「……いいですわ。フブキさん、悪いけど先に行かせてもらいますからねエエエ!!!」
ドガアアアン!!!!!!!
若林「接触したあああああああああ!!!
エミーラとウラカンが激突だああああ!!!!!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
フブキちゃん、どうしちゃったのぉーっ!?
でもカナタくんとセシルちゃん、喧嘩してたのに息ぴったりだよぉーっ☆!!」
フブキ「そういえば私、、、25位からスタートしたんだっけ、、、」
銀色のロータス・エミーラのコックピット。フブキは静かに呟き、氷のように冷たい瞳で前方を見据えた。
タイヤのタレ? 加速の鈍り? そんなものは、彼女の「執念」の前では誤差に過ぎない。
若林「フブキ選手……!? 失速したはずの銀色のエミーラから、先ほどまでとは比較にならないほどの『冷気』が溢れ出しているッ!!」
フブキ「……20人も抜いてきた私にとって、目の前の二台なんて、ただの通過点に過ぎないわ。」
エミーラのV6スーパーチャージャーが再び鋭い咆哮を上げる!
カナタとセシルが驚愕する間もなく、銀色の影が二台の間に「楔」のように割り込み、物理法則を無視したラインで再び前方を切り裂いたッ!!
カナタ「なっ……!? 嘘だろ、さっきまでの失速は何だったんだッ!!?」
セシル「……くっ、わざと隙を見せて私たちを誘い込んだのですか……!?」
若林「再逆転ゥゥゥッ!! フブキ、一瞬にして5位を奪還!!
それどころか、4位シラヌイのLFAに死神の鎌を突き立てんとする凄まじい再加速だァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ フブキちゃん、かっこよすぎて鳥肌立っちゃったよぉっ!
『思い出しちゃった』なんて、まさに本物の強者のセリフだねぇーっ☆!!」
若林「なんという展開だァァッ!!
覚醒したはずのフブキを、今度は赤い戦闘機と氷のドラゴンが再び飲み込んでいくゥゥッ!!」
セシル「アナタだけではありません、私も下の26位からのスタートでした、、、、、、ッ!!!」
セシルはベージュ色のマフラーで口元を覆い、冷たい夜気を遮断するように深く息を吐く。
その瞳は、もはやおっとりした乙女のものではない。獲物を逃さないドラゴンのそれだ。
セシル「アナタこそやりすぎなのでは?……そこ、通らせてもらいますわ......ッ!!!!!!」
セシルのウラカンが、NA V10の咆哮と共にフブキのエミーラを強引にサイドから押し潰すようにパス!
その直後、カナタの86もフブキの動揺を突いて、反対側のラインから鮮やかに突き抜けたッ!!
カナタ「25位も26位も関係ねぇッ!! 今この瞬間、一番速い奴がここを走るんだァァッ!!」
若林「再逆転ゥゥゥッ!! セシルとカナタ、二台揃ってフブキを抜き去り、再び4位シラヌイの背後へ!!
26位スタートの意地が、飯坂の夜を白く、熱く染め上げているゥゥッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆
セシルちゃん、マフラーで顔を隠して本気モードだねぇっ!
26位からここまで来たなんて……今日の女の子たちは、みんな『やりすぎ』なくらいカッコいいよぉーっ☆!!」
86伝説 SEASON5
to be continued....!!




