米沢編第33話 LEXUSLFA対ロータスエミーラ
K370
若林「この10月の秋の福島飯坂でこんなバトルが起こるのは前代未聞ですッ!!!!
LFAに、エミーラが近づいてきたァァァァ!!!!! 妹が、姉の背中を完全に捉えたァァッ!!」
バックミラー越しに迫る、透明な輪郭。
フブキの放つ「死の静寂」が、LFAのコクピットまで侵食し、計器類を凍りつかせようとする。
だが、シラヌイは薄く微笑み、ステアリングを愛しそうに撫でた。
シラヌイ「あ、、、そうきたんだ、、、、! フブキ、私を眠らせるには、その程度の温度じゃ足りないよ……っ!」
刹那、LFAのV10エンジンが、天使の歌声を超えた「神の叫び」を上げる。
車体からは目も眩むような「白い炎のオーラ」が溢れ出し、周囲の冷気を一瞬で蒸発させていく!
シラヌイ「ボクの歌は……魂を焼き尽くすまで止まらないからッ!!」
若林「出たァァァァ!!! シラヌイとLFAから白い炎のオーラが、、、ッ!! 氷を溶かすんじゃない、焼き切るような高熱の咆哮だァァッ!! まさに太陽と氷の惑星の衝突ゥゥッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ シラヌイちゃん、燃えてるよぉっ! 天使が怒って、白い炎の翼を広げちゃったよぉーっ☆!!」
若林「しかし! エミーラも負けじと並んでいく!!!! 白い炎に焼かれながらも、フブキは一歩も退かないィィッ!!」
シラヌイのLFAが放つ「白き炎」がエミーラの鉛色の塗装を赤く熱する。
だが、フブキは無表情のまま、溶けかけた氷を再結晶させるようにステアリングを握り直した。
フブキ「お姉ちゃんの炎……ぬるいわ。もっと奥まで、凍らせてあげる……ッ!」
マヒロ「予想もしてないくらいのドッグファイトになってきましたね....
まだまだスタートして20分ぐらいなのに、すでに数え切れないほどのオーバーテイクシーンが生まれているんだよね〜✩」
解説席のマヒロも、目まぐるしく入れ替わる順位表に目を丸くする。
マヒロ「山吹花ちゃんが上がったり下がったりだし、、、黒川くんと相川くんが順位上げてるし、、、ゾフィアちゃんも珍しく快進撃してるし、、、そしてフブキちゃんが大躍進してるからね〜✩」
若林「まさに米沢グランプリは、予測不能の混沌に突入したァァッ!!!」
高速ランプ付近の国道13号を離れ、マシンはさらに深く、険しい県道3号のワインディングへと突入している。
逃げるシラヌイのLFA、追うフブキのエミーラ。その差、わずか数センチ。
シラヌイ(コーナーは若干エミーラ速いか互角、、、ッ!!!、、、行けるところまでいくしかないよね、、、、、、✩)
バックミラーに映る、鉛色の死神。
フブキのライン取りはあまりに精密で、コーナーごとにシラヌイの「白き炎」を削り取っていく。
シラヌイは歯を食いしばり、愛車のステアリングを強く握りしめた。
シラヌイ「踏ん張ってボクのLFA、、、、、、ッ!!」
レクサスが誇るV10エンジンが、限界を超えた高周波の絶叫を上げる。
白い炎のオーラが火の粉を散らしながらガードレールを舐め、狭い県道3号の闇を黄金色に染め上げた!
若林「ステージは県道3号だァァァッ!! 道幅が狭いこの区間で、シラヌイがLFAを横滑りさせながらブロックッ!!
後方のフブキ、どこで牙を剥くかァァッ!!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ シラヌイちゃん、エンジンが壊れちゃいそうだよぉっ!
でもLFAも『ボクだって負けない!』って叫んでるみたいだねぇーっ☆!!」
国道13号とは比較にならないほど、県道3号の闇は深く、そして道は険しい。
逃げるシラヌイと追うフブキ。二台が並んで飛び込んだ先には、崖を削り取ったような鋭角コーナーが待ち構えていた。
若林「うわぁぁぁッ!! 牙を剥いたァァッ!! 双子の2台に、県道3号の鋭いコーナーが容赦なく襲いかかってくるゥゥッ!!!」
シラヌイ「くっ……! 予想以上に、この道の『先』が曲がってる……ッ!!」
白い炎を纏ったLFAが、遠心力でガードレールへと弾き飛ばされそうになる。
だが、その外側から被せるようにフブキのエミーラが、物理法則を無視したような旋回性能でシラヌイの進路を封じ込める!
フブキ「お姉ちゃん、膨らみすぎよ……。このまま壁に抱かれなさい……。」
エミーラのフロントノーズが、LFAの側面を「死の愛撫」のように掠める。
タイヤの悲鳴と火花が狭い峠道に響き渡り、二台は崖っぷちの極限状態で絡み合いながら、漆黒のヘアピンへと沈んでいった。
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ 二人とも止まらないよぉっ! 鋭いコーナーが鎌みたいに、二人の足を刈り取ろうとしてるよぉーっ☆!!」
県道3号の闇は、さらに深く、さらに鋭く双子を切り刻む。
ステアリングを通して伝わる不規則な路面の振動に、シラヌイは遠い日の記憶を重ねていた。
シラヌイ「まるで、、、昔生きてたお母さんのレビンのように、、、何気なくカーブが襲いかかる、、、、、、ッ!!」
かつて母が操ったAE86レビン。その軽やかな、しかし鋭利な旋回。
襲いかかる死のカーブさえも、シラヌイにとっては母との対話のような、どこか懐かしい「試練」に変わっていく。
シラヌイ「でも、この感覚は誰しもがそうだから、、、、、ッ!!! ボクだけが特別じゃないッ!!」
若林「シラヌイ、精神の極限状態で母の幻影を見たかァァッ!! LFAが、まるで軽量マシンのような軽快さでコーナーを攻略していくッ!!」
だが、その背後でフブキのエミーラが、鉛色の執念で路面を舐める。
フブキ「私のエミーラの方が軽いけど、、、最高速度が伸びない、、、ッ!!! お姉ちゃんのLFA、なんて粘るの……ッ!!」
若林「コンパクトミッドシップが、、、100馬力違うLFAに張り付いているぞ!!!
パワーのLFAか、軽快さのエミーラか! 双子の意地が、県道3号のガードレールを火花で焼き払うゥゥッ!!」
県道3号の九十九折りが、双子の2台をさらに激しく左右に揺さぶる。
軽量なエミーラにとって、このタイトな連続コーナーはまさに「狩り場」だった。
フブキ「コーナーがキツくなってきた、、、ッ!! 物理的に、重いLFAじゃこのラインは守れない……。抜けられる、、、、ッ!!!」
フブキが最短のインサイドへと鼻先をねじ込む。勝利を確信したその刹那、黄金のLFAが物理法則を無視したような鋭さでラインを塞いだ。
ガガッ!!!
シラヌイ「抜かせる理由ないでしょ......ッ!! ここを守らないで、、、お姉ちゃんが務まるとでも、、、?」
強引なブロック。だが、それはただの妨害ではない。
妹の進路を完璧に読み切り、自分の車体を「盾」として提示する、圧倒的な技術の証明。
シラヌイ「ボクもそろそろもう少しやる気出さないとねェェ!!!!」
若林「シラヌイが吠えたァァァァ!!!! 本気だッ!! 天使がその優しい微笑みを捨て、妹を完封するための『戦神』へと変貌したァァッ!!!」
LFAの白い炎が、青白いプラズマのような輝きを放ち始める。
もはや背後のフブキは、姉の放つ圧倒的なプレッシャーの前に、一歩も前に出ることができない!
若林「抜いたァァァァ!!!!!! 信じられないッ!! あの『やる気』を出したシラヌイの鉄壁を、フブキが今、鮮やかに切り裂いたァァッ!!!」
白い炎を纏い、青白く輝いていたLFA。その完璧に見えたラインが、連続するヘアピンの切り返しで、ほんの数センチだけ外側に流れた。
その一瞬の「綻び」を、鉛色のエミーラは見逃さない。
フブキ「お姉ちゃんでもこんなものか..... お姉ちゃん、疲れてるんじゃないの?」
エミーラがLFAのサイドミラーを掠めるほどの至近距離で、インサイドの縁石ギリギリを駆け抜ける。
シラヌイが慌ててラインを閉じようとするが、フブキはすでにその先、コーナーの出口へと鼻先を向けていた。
シラヌイ「なっ……!? ボクのラインを……読んで……ッ!?」
フブキ「おやすみなさい、お姉ちゃん。……あとは私が、前を凍らせてくるから。」
若林「フブキが4位浮上ォォォォ!!! 姉を抜き去り、冷徹な言葉を残して、エミーラが米沢の闇へと加速していくゥゥッ!!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ シラヌイちゃん、抜かれちゃったよぉっ!
お姉ちゃんの『やる気』よりも、フブキちゃんの『冷たさ』が勝っちゃったんだねぇーっ☆!!」
若林「しかし! まだ終わっていないッ!! エミーラとLFAが再び並ぶ!!!
シラヌイ、抜かれた瞬間にアクセルを床まで踏み抜いたァァァァ!!!!」
フブキ「……っ!? お姉ちゃん、まだ来るの……?」
フブキの驚きを切り裂くように、LFAの「天使の絶唱」が夜の森を震わせる。
サイド・バイ・サイド。
抜き去ったはずの鉛色の車体のすぐ横に、白い炎を纏った黄金の機体が、まるで亡霊を追い詰める神の使いのように並び立つ。
シラヌイ「フブキ……ボクが疲れてるって? あははっ✩
そんなの、キミの顔を横で見てれば、すぐに吹き飛んじゃうよォォォッ!!!」
二台のマシンは、激しくボディを擦り合わせながら次のコーナーへと突っ込む。
火花が散り、熱気と冷気が激突して生まれる「超常的な霧」が二人を包み込む!
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ 二人とも、本当にもう止まらないんだねぇーっ☆
抜いて抜かれて、また並んで……双子の絆が、呪いみたいに二人を繋ぎ止めてるよぉーっ☆!!」
若林「圧倒的スプリントォォォォォ!!!!!! LFAが一気にエミーラを突き放していくゥゥゥ!!!!」
県道3号のわずかな直線区間。シラヌイはLFAのタコメーターがレッドゾーンに飛び込むのを厭わず、アクセルを底まで蹴り飛ばした。
9000回転を超える「天使の咆哮」が夜の山々を震わせ、白い炎のオーラがエミーラの鉛色を焼き尽くす!
[LIVE] エーペックスカップ 第7戦 米沢GP
■ 86Lover:シラヌイさんマジ天使!!あの加速エグすぎんだろwww
■ 峠の住人:LFAのV10サウンドがここまで綺麗に響くのは飯坂の奇跡だな
■ スイフト乗り:24位の伊藤翔太もこれ見て燃えてるだろうな……!
■ 匿名希望:フブキちゃんが初めて焦ってる……双子対決アツすぎる
■ かなタン推し:カナタくん!今のうちに立て直して追いつけえええ!!
■ 温泉大好き:飯坂の旅館の窓が振動で割れそうwww
■ DTMファン:柳津パパもこれくらい走ってくれよ(小声)
■ 86伝説公式:若林さんの喉が心配です。
シラヌイ「フブキ……ボクを甘く見ないでよねッ! この音に、ついてこれるかなァァッ!!」
若林「シラヌイ、4位復帰ィィィィィィ!!!!!!! 凄まじい加速ッ! まるで背中に翼が生えたかのような伸びで、エミーラをバックミラーの彼方へ追いやったァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ シラヌイちゃん、本気の本気のさらに先に行っちゃったよぉっ!
エミーラのコーナリングでも追いつけないくらいの速度差だよぉーっ☆!!」
フブキ「……っ、そんな……あの状況から、まだあんなパワーが残ってるなんて……お姉ちゃん……ッ!!」
若林「またかァァァァ!!!!! フブキが再び並ぶ!!!! 直線で引き離されたはずのエミーラが、ブレーキングの一瞬でLFAの懐を抉り取ったァァァァッ!!!」
シラヌイ「嘘……ッ!? あの速度から、どうやってこのコーナーを曲がるつもりなの……フブキッ!!」
シラヌイの驚愕をよそに、フブキは自らのマシンの限界を超えた超絶的な制動を見せる。
タイヤから上がる白煙が、フブキの冷気と混ざり合い、路面にどす黒い氷の轍を刻む。
フブキ「……お姉ちゃん、言ったでしょ。疲れてるんじゃないのって。……今度は、本当に眠らせてあげる。」
鉛色のエミーラが、黄金のLFAのボディに「ガッ!」と鈍い音を立てて接触する。
二台はそのまま、一つの巨大な「鉄の塊」となって、県道3号のヘアピンへと吸い込まれていった。
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ フブキちゃんのしつこさは、もう恋人以上だよぉっ!
お姉ちゃんを絶対に離さない、凍った鎖で繋がれてるみたいだねぇーっ☆!!」
バックミラーを埋め尽くす銀色の閃光。
森下遊矢は、自らのRX-8が放つ冷気で後続を牽制していたはずだった。
だが、相川律のGT-Rは、その冷気さえもスリップストリームの渦に巻き込み、自身の加速力へと変換してしまった!
森下「なっ……!? ボクの吹雪を切り裂いて……ッ!!?」
相川「悪いな森下! お前の冷気、スリップに使うには最高に『締まって』て助かったぜッ!!」
銀色のR35が、森下のインサイドを強引にこじ開ける。
タイヤから放たれる凄まじい熱量と、4WDの暴力的なトラクション。
森下が立て直そうとした瞬間には、すでにGT-Rの巨大なテールランプが目の前に迫っていた。
森下「やられた、、、、!!! あいつ……なんてデタラメな走りをするんだ……ッ!!」
若林「相川律、止まらないィィィィ!!!! 12位の森下を一瞬でパスッ!!
これで怒涛の『ごぼう抜き』を完成させ、ついにシングル順位、10位のゾフィアを視界に捉えたァァッ!!!」
若林「そして!!!! 岡田大成にウラカンがついに並んだァァァァ!!!!
鉄壁の守りを見せていた『白い狼』のインサイドを、セシルのウラカンが強引に抉り取ったァァァッ!!」
セシル「……はぁ、はぁ……ッ! 岡田くん……そこをどきなさいッ!! この氷の道は、私が一番速く駆け抜けるのッ!!」
顔を真っ赤にしたまま、セシルがV10エンジンを限界まで回す。
岡田のGRヤリスは、ちとせの氷に足元を掬われながらも、驚異的なトラクションでウラカンの横腹を押し返す!
岡田「……セシルさん、悪いけど……ここは『狼』の縄張りだ。そう簡単には通さないよ……ッ!!」
若林「当たっているゥゥッ!! 7位岡田と8位セシル、時速200キロを超えてなお、ボディーを激しくぶつけ合いながら県道3号を爆走中だァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ 白い車同士がくっついちゃって、どっちがどっちかわからないよぉっ!
お互いの意地が雪崩みたいに押し寄せてくるよぉーっ☆!!」
セシルの瞳から、羞恥の色が消え、絶対的な支配者の光が宿る。
ウラカンの排気音が、物理的な音波を超え、周囲の空気を結晶化させていく。
セシル「なら、、、氷の竜の力、、、見てみます?」
その言葉とともに、真白なウラカンの背後に、半透明の巨大な「竜の翼」が広がったかのようなオーラが噴出した。
ちとせの撒いた冷気を餌にするように、セシルのオーラが巨大な「氷の竜」の形を成し、路面を掴む。
岡田「なっ……なんだ、このプレッシャーは……ッ!? ウラカンが、竜に見える……ッ!!」
若林「出たァァァァ!!!! セシルの真骨頂ッ!! 氷の竜の力が発動ォォッ!!
岡田のヤリスを丸呑みにせんばかりの勢いで、ウラカンが氷の路面を『飛翔』し始めたァァッ!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ 綺麗だけど怖すぎるよぉっ! セシルちゃんの竜が、岡田くんの狼を凍らせて食べちゃうよぉーっ☆!!」
白いヤリスの横を、氷の鱗を纏った竜の如きウラカンが、音もなく、しかし圧倒的な質量感で通り抜けていった。
若林「やはり、ウラカンにGRヤリスでは対抗できない!!! 一気にウラカンがオーバーテイクゥゥゥ!!!!!
圧倒的! 圧倒的パワーの差だァァッ!! セシルのウラカンが、岡田のヤリスを子供扱いするかのように、県道3号のストレートで一気に抜き去ったァァッ!!」
岡田「……くっ、速すぎる……ッ!! 氷の上で、どうしてあんなトラクションが稼げるんだ……ッ!?」
岡田がステアリングを必死に抑え込む横を、セシルの放つ青白い氷のオーラが風を切り裂き、ヤリスのフロントガラスを一瞬で真っ白に凍りつかせる。
セシル「……岡田くん、いい走りでしたね。
でも、竜の翼は止まらないのです……ッ!!」
若林「セシルが7位浮上ォォォォ!!! そしてそのままの勢いで、6位を走るカナタの86に牙を剥くゥゥッ!!
氷の竜 vs 赤き戦闘機!! 運命の秒読みが始まったァァッ!!!」
マヒロ「きゃあぁぁっ☆ セシルちゃんのウラカン、もう地面を走ってないみたいだよぉっ!
氷の竜がカナタくんを後ろから飲み込もうとしてるよぉーっ☆!!」
次回 銀色の狼




