二.オーバーキル ヒーローズ (中-2)
目的地のファミレスは俺んちの方角だ。真っすぐな帰り道をハッチーと一緒にゆっくり進む。昨日も二人で通ったばかりの道だったが、昨日とは全く違う。今日はまだ車道が賑わっており、車の走行音が頼もしく感じた。人目が多く、視界も有る分、忍びよる追っ手にビクつく必要がなかった。
まっ、追っ手と言えどそれは恐らくは幌の野郎が正体だと思って間違いなさそうだが。と、そういえば幌がそうだったとしたら靴を返してもらうのをすっかり忘れていた。幌が靴のことを言い出さなかったのは多分忘れていたからだろう。……いやいや、こんな連想ゲームをしている暇はない。靴のことはまた明日幌に訊ねればいい。
俺は竹川から受けた任務のことを考える。江渡坊ちゃんのボコり方なんてどうでもよくて、撮影現場を押さえるまでが、大きな問題だった。
張り込み捜査を実行する日時を絞りこみたい。平日か休日か何曜日か。時間は? これさえ分かれば楽勝だ。しかしそうは行かないから竹川は俺たち新参者に投げた。
二十四時間べったり張り付く──なんてこと俺はまっぴらごめんだ。
とは言っても、AV撮影の日取りなど本人と女優しか知らないことである。
こうなったら、本人に直接尋ねてみるなんてどうだろう。そして俺はあたかも偶然を装ってあらかじめ入手した情報通りに現場に参上する。八百長というやつだ。
それならば簡単な話、証拠なんて要らない。こぶしと膝こぞうさえあれば十分だ。無駄にジャガイモ野郎を説教する必要だってなくなる。
しかし、俺はもうそんなことから手を引くと、高校入学と同時に己を戒めた。ズルは無しだ。だからそういう手段は採れないわけだが……、辛い状況だった。まじで頭を使わなければならない。
だが、おおよその時間帯を挙げるだけならば案外簡単な話かもしれない。
暗くなってからじゃ駄目な気がするからだ。なぜなら電気を使えば人目を誘うし、夜中は出入り口の開錠をする手段が必要になってくる。
個人撮影するような奴が、そんな面倒事を処理するだろうか。どうせ雑なビデオを作ってそうな気がするし、手の込んだことはしないと思う。
江渡坊ちゃんと俺の思考パターンが大体一緒でなきゃならないが、そうであるとして、撮影のタイミングを朝六時から夜七時か八時くらいまでの間だと仮定してみてはどうだろうか。
──……あっ。
ここで俺はあることを思い出した。それはクロスワード的な、幾つかの謎を連鎖的に穴埋めする事柄だった。
場所は教室。バイヤーの嗜好を考えれば、ベンダーはそれに合ったシチュエーションを準備しなければならない。そのためには教室が最適なのだ。教室ならば、背景に黒板や沢山の机を写し、更に数学の教科書なんかも写す。時刻は夕方。これらが、いとも簡単にリアリティを生む手法である。学校に残った二人が……、ということだ。
ちなみに、なぜこうも連想できたかと言えば、それは中学時代、旧戦友と俺とが必死に導き出した演出手法の一つだったからだ。
つまりは、概ねの時間と場所は、夕刻──夕暮れの空を拝める教室ということになる。たぶん、六時から八時までの間だ。
まあ、これは江渡坊ちゃんが優秀なAV監督だった場合のみ言えることだが……。
それにしても、こんな馬鹿みたいなところで役に立つとは、さすがだ。旧戦友──野武樹海。……いや、樹海AV監督。
「なあ。例えばだが自分たちでAVを作るとしたらって考えたらさ、ハッチーはどこを舞台にする?」
「僕は保健室だね」
そうだ。そういう夢を描いたような場所もあったな。ふっ、ふっはっは……。
おっと、幌が移っちまった。
「なるほどな。俺だったら教室だ」
「そっか。まあ、そうだよね」
「時間帯はいつがいいと思う?」
「夜だよ」
このことについては考慮すべき点がいくつもある。ファミレスに着くまでに俺と樹海AV監督の考えたアイデアを述べておくか。
◇◇◇
七時五十分、ファミレスに到着した頃には、外は薄暗くなっていた。ファミレスの中は、人口密度が半端じゃない。
俺たちが入店すると、結構な人数の視線がこちらを向いた。その中でも、特に男の目線が俺たちの付近に長く滞在し、文句をいいたげだった。
俺はポケットに手を入れ、大きくため息を付き、視線を床に落とす。わざとらしいかもしれないが、連れの女が彼女じゃないと、ここにいる全員に説明したかった。もしかしたらこの中にハッチーの運命的ヒーロー的人間が居るかもしれないからな。幌意外の。
「座れるかな?」
「おう、多分な。さっさと会議を終わらせちまおうぜ」
どすを効かせた声でそう応えると、ハッチーは目を細め、訝しそうに俺を見た。そりゃ、不味いよな。AV製作現場の話をするんだから、注目を集めちゃ……。
ウェイトレスは直ぐに出てきた。
「いらっしゃいませ。二名様でしょうか」
「おう」
「只今お席のほう準備しておりますので──」
俺たちはレジカウンタ近くのソファに促され、腰かけて待つ。
「ねえ、これ見てみようか」
ハッチーがそう言った。膝の上にブルーのリュックを置いている。そして俺の返事も待たずしてチャックをおろした。
手を突っ込み、ずるりと何かを取り出す。それは、四角いビニールに包まれた洋服だった。
「うあっ!」
こんなもの、世界中何処を探しても溶け込める場所なんて無いだろうと、思えるほど派手な赤や黒を基調とした迷彩服だった。
しかも上下セットらしく、迷彩服が入ったビニールが二つ出てきた。
「新品……みたいだな」
「だね……。リュックの中、他にもまだたくさん入ってるよ。席についたら全部出してみよう」
「ああ。俺も少しだけ興味が出てきたよ。リュックの中身に……」
とは言っても、怖いもの見たさだが。竹川はこれを俺たちに着させるつもりだろうからな。
そういえば、俺たちはどのタイミングでこの迷彩服に変身しなければならないのだろう。その辺の判断基準はけっこうルーズなのだろうか。まあ、想像してみても、こんな服を着て現れる正義のヒーローなんざ、ただの変態だ。できれば変身する機会なんて訪れて欲しくない。
俺はまるで他人事のように、ブルーのリュックから現れたヤマカカシより毒々しい布切れを眺めていた。
◇◇◇
ウェイトレスにこちらですと、案内された場所は、窓際の端っこの席だった。
四人掛けのソファの席に俺とハッチーは向かい合わせに腰かけると、さっそくハッチーがリュックの中身をあさりだした。
俺も、ハッチーが取り出したものと同じものがあるか、一緒に照らし合わせるようにオレンジのリュックから同じ物を取り出していく。
「俺のにも、迷彩服の上下が入ってたぞ」
「ヘルメットは入ってる?」
「おう」
「この黒いガードするやつは?」
「ああ、これはプロテクターだな」
「ゴーグルは?」
「こっちにも入ってるぜ」
「これは?」
そう言ってハッチーが取り出した物は、黒いチョッキだった。着膨れしそうなほど、ポケットが満遍なく付けられている。
「防弾チョッキじゃないか?」
「でも凄く柔らかいよ」
「じゃあサバイバルベストってやつか。外国の特殊部隊とかが付けてるやつ」
「へー。そういうのがあるんだね」
「……うわ。何これ、おもっ!」
「それは革靴?」
「ああ、ブーツみたいだな」
俺たちはそれぞれのブーツの裏を見た。サイズが書いてある。
「きもっ。サイズぴったしだぜ。もうこの辺でやめとこう」
「うん」
まだリュックの中は物が入っていた。ごつごつした巾着袋などだ。
「片付けて、飯食おうぜ」
◇◇◇
八時半。料理が運ばれてくると、俺たちは張り込み日時と場所について話し合いを始めた。
「ボクはヒメシ君の言っていることが正解だと思うなあ」
「でも、もし俺の予測が間違ってて、今から事が行われるとしたら……出来るんじゃね?」
「うーん……。うちの学校に宿直とか居るか分からないもんね」
「ああ。ていうかさ、昨晩図書室に来たのって、俺は幌だと思うんだよな」
「ボクもそうだと思うよ」
「あれが幌だとして、堂々懐中電灯を振り回しながら現れたところを見ると、これは宿直なんか居やしないぞと、俺は思ったぜ。つまり幌さえ居なければ、撮影なんていつだって出来るって話なんだよ」
「そうだね……」
俺の推理は穴だらけで、犯行場所すらただの憶測でしかない。
「だけど、ひとつだけ。夜はやらないんじゃないかなって思うところがあるんだよね」
ハッチーは、ハンバーグにナイフを通していきながら、自信なさ気にそう言った。
俺も真似をして、自分のハンバーグを切り刻んでから、一欠けらを口に頬張る。
「どうゆう……ことだ?」
ハッチーは俺の瞳を見詰めながら、口をうさぎのように動かし、ごきゅりと飲み下してから言う。
「江渡さんって成績優秀だから、毎日家で勉強していると思う。少なくとも平日の夜は家の机にべったりなんじゃないかな?」
「へえー。俺にはよく分からんな。ハッチーもそうなのか?」
「うん。ボクも平日の夜二時間くらいは勉強をしているよ。というか皆そうじゃないかな」
「げほっ。……そっか。じゃあ今日とかは全然無理っつうことか」
「うん、たぶんね」
優等生諸君は、何をするにしても土日しかないのか……。だとしたら、明日明後日の日中は教育棟を見張っておけば、ヒットする確率がかなり高い? しかし外れていた時は一日中待ちぼうけを喰らうことになる。
「逆に平日の早朝って線は無いか?」
「土日があるのに、そこまでするかな」
「まあ、そうだわな。AV作るっつったって江渡坊ちゃんも簡単なお仕事のつもりでやってるんだもんな」
地区の草刈奉仕作業じゃあるまいし、平日に詰め込むより楽なほうを選ぶよな。
「さて、ヒメシ君も今日から僕たちの仲間入りだよ。頑張ろうね」
「ん? なんの話だ?」
「お勉強」
……ああ、ね。竹川や秋先輩、そしてハッチーも毎日夜遅くまで部活して、帰ったら勉強してるっぽい。とてもじゃないが真似出来そうにない過ごし方だ。俺なんかは学校が終わったら、あとはぐーたらして、一日を早々に消化するだけだからな。
無論、入学したての頃はそんな気はなかったが、怠惰で詰まらない人生こそが俺の生き方なのだと、四月にあった宿泊研修以来の確定事項となった。
充実した日々なんて望まない。例え将来不幸になったとして、それでこそ俺の本望だからである。
「いや、今日は寝させてくれ」
「ダメ。えっとー、このあと……」
ハッチーは腕を持ち上げ、手首を顔にひっ付けるようにして、時計を見た。手に持ったままのナイフが、天にかざされた様が非常に危なっかしい。その腕をすぐおろしてから、
「零時くらいまで勉強しよう。そして明日は朝の六時半までに学校へ行って、張り込み開始だね」
「ちょっと待てくれ。俺、明日午前中は自転車を買いに行くって言ったろ。それに張り込みは夕方からだと思うって……!」
「自転車はまた今度でいいよ。ボクは暫くの間、ヒメシ君んちに泊まらせてもらうから。張り込みのほうは、善は急げってことで」
「おいおいおい……、おい! そんなの無しだぜ。……無茶苦茶だ」
しかし、俺はそう言いながらも、やはりハッチーの言うとおりにしてやらんでもないと、考えている。昨日図書室に忍び込むときと同じ心境だ。
「ねえ、いいでしょ?」
と、ハッチーが小顔をかしげて微笑んだ。その姿があぜ道にさり気なく咲いた白の小さな花のようだった。風に揺れる一輪の儚い花。俺はそんなハッチーを見て、思い出す──いま自分は世界一タイプの女と一緒に居るのだと。
嬉しいのになぜだろう。俺の気持ちはすっかり萎んでいた。
江渡坊ちゃんの話などすっかりそっちのけで、俺はハッチーに訊ねる。まるで相手をはね退けるように。勉強をしたくないからとか、そういう理由すら介在しない、避けるかのような言葉を。
「なんで、ハッチーは俺のことをそんなに……。いや、泊まりに来たりするんだ?」
ハッチーは俺から目を逸らし、窓のほうを向いた。外は車の通りも少なくなっており、見るものは何も無い。消した後のテレビ画面を見ているようなものだ。
「ボクは……ヒメシ君のことがすき──」
そうだ。こう言って来るであろうことは何となく分かっていた。でも、
「嘘だろ。一日二日で好かれちまうほど、俺は何もしていないぞ」
俺は今までの楽しかった気分を自分から壊しに行った。
今日も明日も、俺は幸せであってはならないからだ。
「そんなことないよ。昨晩手伝ってくれたこともそうだし、中学の頃だって、優しくしてくれた。あのとき……。裁縫の授業でボクが出来なくて困っていたとき、助けてくれたのは野武君とヒメシ君だったもんね」
勘弁してくれ。中学時代のそんな些細なことまで覚えてくれていたのか。
「他にもたくさんあるよ。だから──」
「いや、でもたったそれだけのことだろ。それに俺はお前のこと、好きにはなれないんだよ」
「えっ……」
「わけあってさ、幸せになっちゃいけない性質の生き物なんだ、俺は。好きになるなら樹海の方にしてくれ」
俺の気持ちと言葉は裏腹か。いや、しかし意志は本気だ。
はあ……。気付いたら俺も目線が外を向いていた。こうしていると、まるで閉め切った個室に二人っきりで居るみたいだ。
はたから見たら、きっと恋人同士が深刻な話し合いをしているように見えるんだろうな。
こんな話をしに来たんじゃないのに。なにやってんだ俺は。しかも、俺のせいでハッチーまで不幸せな気分のまき添いを喰ってしまっている。
「そっか。理由は?」
「教えねえよ。まあ、些細なこった」
「あのね……。うん、嘘だよ。好きなんかじゃない」
と、唐突にハッチーが言った。
「は……?」
ハッチーは不思議なほど冷めた目になって、考える人みたく銅像と化していた。口だけが淡々と動いている。
「実は、ボク、新夜好聞だよりでヒメシ君の記事を見た」
「……いつだ?」
「おとといだよ」
「ふーん……そうか。それが好きってのが嘘なことと、どう関係してるんだ?」
俺は暗澹たる気持ちでハッチーを眺める。
「実はボク、ユリさんから頼まれて、ヒメシ君の成績を上げるために色々しているんだよ」
「新夜好聞だよりの俺の記事は、竹川に見せてもらったって言いたいのか?」
「そうだね」
「嘘つけい。昨日ハッチーは自分で言ってたじゃないか、断られたって。竹川も見せる気が無いみたいだったしな」
「本当は見せてもらったよ。そしたらヒメシ君の成績が問題になってるって書いてたんだ。可哀相だからボクが解決に協力してあげようと思ってね。昨日図書室に来てもらったのは、それを自覚してもらうためだよ」
……もう何が本当で何が嘘なのか分からねえ。一発だけなら誤射かもしれないとかいう言葉もあるが、嘘の連発は信用ならないぞ。
だが、もしハッチーが言うことが全て真実だとしたら相当に巧妙だ。
いや、話が出来すぎていないか?
そう思った俺は罪悪感を抱きつつも、鎌をかけてみることした。
「じゃあ、俺の追っかけ……いや、ストーカーが居るっていう話も、まさか……見たのか?」
「うん、もちろんだよ」
嘘だった。
どこからどこまでかは分からない。
俺の成績アップのことを竹川に頼まれて、ハッチーが動いている。このことは嘘だ。
そして新夜好聞だよりを見た、というのも嘘だ。
好きかどうかは……。いや、これは考えるべきじゃないな。ただの俺の思い上がりだったということにしておきたい。
俺の家に連日やって来る理由は、さっぱり分からなくなってしまった。
そしてハッチーは自分がストーカーされている事実をどうやら知らないようである。
「だからボクが付いていてあげてるんだよ」
この口振りを見るに……、もしかして感付いてすら居ないのか? でも、それはおかしい。危機感をあったから一人では家に帰れずに、俺の家へ泊まりに来ているんじゃなかったか。俺はそう思っていたのだが。ま、まさか、ほんとに俺のこと……。でも、俺は……!
「うおおおっ……」
「どうしたの?」
「うぐっ……。ちょっと頭の調子が……」
「だ、だいじょうぶ?」
「へ、平気だ。俺のこと……守ってくれて、ありがとう」
「どういたしまして。このことは皆には内緒だからね」
……頭がパンクしちまいそうだ。
◇◇◇
早朝六時。
一晩明けても俺はまだ微妙な気分を払拭できずにいた。
昨晩、九時過ぎに家に帰り着いた俺たちは、やる気満々のハッチーの教鞭のもと自室にて復習をした。しかしハッチーの声は俺の耳たぶにあたって部屋の片隅へと跳ね返って行った。ハッチーの気持ちはありがたいが、あんなことを言われた後じゃ、身が入らなくて当然だった。
ハッチーが何を思ってこの家に泊まりに来ているのかなんて真相は、とっくに行方知れずだ。結局のところ冷静になって考えてみたら、俺のことなんて別に好きじゃなくたって家に来る由はいくつでも見つけられそうである。
たとえばお化けが怖いとかな……。もしくは俺の頭の悪さを本気で心配してくれているとかだ。
残念な反面、安堵した。
俺は寝ぼけ眼で台所に立ち、朝食を準備しようとしている。今日もあまり睡眠が取れなかったから仕方がない。多分三時間くらいしか寝てない。
我が家の朝食レシピは世間より、ちと少なく、ピザパンを二枚こしらえ、糠漬けにした大理石のような模様のトースターへ投げ込み、焼けたものをハッチーに出した。野菜は一切使っていない。
「ありがとう」
「普段はどんな朝飯くってんの?」
「朝は食べていないよ」
「そっか。和食って雰囲気があったから、ピザパンでよかったかなと思ってな」
「うん、美味しそうだよ。ところで……、ボクは今日どんなことをすればいい?」
「……というと、何だ?」
「江渡さんを検挙する件だよ。待ち伏せはボクにだって出来るんだけど、検挙するときは何の役にも立てそうにないからね」
「ああね」
……俺が眠い原因は、この話だ。俺は昨晩横になってずっとこのことを考えていた。寝る前に話しておけば良かったが、まあ彼女なら彼女なりに考えるだろうと楽観視していると、途中でハッチーの寝息が聞こえてきた。だから俺が考えることになった。
しかし、昨晩はハッチーに色々と迷惑を掛けたからな……。ハッチーは自分の勉強をおろそかにする代わり、俺に教えてくれた。だから恩返しくらいしてやって当然だ。
それに、俺のことを守ってくれているらしいからな…………。
「それなんだけど、な」
さて、俺はハッチーに出来ることを思いついていた。
いや、ハッチーにしか出来ないことだ。
確実に「出来る」とも言いがたいことだが……。
「実は秘策があるんだ」
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