表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~  作者: マツヤマユタカ@ワンバイエイト第四巻発売中!漫画も第二巻発売中!
第三章 幼年期の終わり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

97/2904

第九十六話 紅蓮の炎

 黒き槍の襲撃に対し、ガイウスはかざしてあった左手を瞬時に向けて叫んだ。


「くらえっ!」


 するとガイウスの左の掌から、紅蓮の炎(バーフレイム)が、激しく渦を巻きながら猛り狂ったように噴出した。


 炎は相当量の水を蒸発させつつ水上を走り、凄まじい勢いで飛んで来る槍の如き蛇に襲い掛かると、一瞬のうちにその細い身体を、跡形もなく燃やし尽くした。


 ガイウスは敵を完膚なきまでに消し去ったことで警戒を解き、ゆっくりと左手を降ろした。


 すると、ガイウスの後背を護るロデムルが、落ち着き払った声でガイウスに注意をした。


「まだのようです。どうやら他にもおります」


 ロデムルに言われてガイウスが目を凝らすと、無数の仄かな光が彼らの周りをぐるっと一斉に取り囲んでいるのが見えた。


「やっべえ」


 ガイウスは驚き、大きく息を呑んだ。


「これは参ったな。物凄い数だ」


 ガイウスは自分たちを取り囲む敵の多さに慄然とした。


 しかし一方のロデムルは平然とした様子でくすりと笑うと、落ち着き払って言い放った。


「坊ちゃま。たしかに一匹ずつでは面倒です。しかし辺り一面一斉に焼き払えば何も問題はないかと思いますが、いかがでしょう?」


 ロデムルの進言に、ガイウスはハッとした表情となり、次いで大きくうなずいた。


「そうだよね。単に全てを焼き払ってしまえばいいんだ。なるほど、どうやら僕は実戦経験が不足しているようだね。こんなことに気付かず、慌ててしまうなんて」


 ガイウスはそう言うと、再び左手をかざして紅蓮の炎(バーフレイム)を繰り出した。


 猛り狂う炎は渦を巻きながら突き進み、さえぎるものを皆焼き払った。


 さらにガイウスは紅蓮の炎(バーフレイム)を放出しながらゆっくりと回りだし、ついには周囲の全ての敵を完全に葬り去った。


 凄まじい火力の炎によって巻き上げられた大量の水蒸気が煙る中、ガイウスはようやくほっと安堵の溜息を漏らした。


「お疲れ様でございました」


 ロデムルが、ねぎらいの言葉をそっと投げかけた。


「こんなの大した労力じゃないよ」


「相変わらずの凄まじい魔力総量でございますね」


「まあね。実戦経験の少なさは露呈してしまったけれど、魔力総量に関しては、あのカルラですらも驚いたくらいだからね」


「魔法の威力もまた、凄まじいものでした」


「少しは特訓の成果が出たかな?」


「はい。相当に」


「ふふ~ん♪まあ慌てさえしなければ、大抵の奴は簡単に倒せるね」


 ガイウスは自信満々といった口調で言った。


「坊ちゃま、あまり調子に乗られますとまたカルラ様に――」


 ロデムルは話の途中で言葉を急に止め、それまでの柔和な顔つきから一転厳しい顔つきとなった。


 ガイウスもまたロデムル同様に表情を変え、先ほどとは打って変わって不安げな顔をのぞかせた。


「これ、何の音?」


 ガイウスは耳を澄ませて先ほどから聞こえてくる水面を切りつつ地面を(こす)るような音の正体について、ある想像を浮かべていた。


「これって、まさか――」


 その時、地下貯水池の天井を支える巨大な支柱が、轟音と共に粉々に砕け散った。


「も、もしかしてあの子達の、お父さん?そ、それともお母さん、かなぁ~」


 そこには直径二(メルクル)、全長にして五十(メルクル)はあろうかという途轍もなく巨大な大蛇が、鎌首をもたげてその恐ろしげな姿を二人の前に現していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=46484825&si
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ