表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~  作者: マツヤマユタカ@ワンバイエイト第四巻発売中!漫画も第二巻発売中!
第十一章 神の棺

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2922/2928

第二千九百二十話 定石

 ガレーシャは、ガイウスの態度を見て、鼻白んだ。


「ずいぶんと殊勝な態度ではないか。何か裏でもあるのか?」


 ガイウスは慌てて、自らの顔の前で何度も手を振った。


「いやいやいやいや、ないないないない。本当にただただ、撤退してもらいたいだけだって。俺としては、無駄に血を流したくないんだよ」


 ガレーシャのこめかみがビキッと緊張した。


「無駄だと?」


「いやいやいやいや、そういう変な意味ではなく!」


「変な意味?」


「違う違う違う違う、何でも悪く取らないでくれよ。ここのところ俺、女難の相が出ているみたいなんだよ」


「女難?そのようなこと、わたしが知るものか」


「いや、まあ、そう、そうなんだけど。とにかく、俺に他意は無い。本当に無い。誓って無い。これ本当!」


 ガイウスの必死さは、ガレーシャにも一応伝わった。


「ふん、どうやら本当らしいな。わかった。だが、一時休戦だ。あくまで一時だぞ」


「わかった。ただ、ひとつ聞きたいんだけど」


「なんだ?」


「何処まで退いてくれる?」


 ガレーシャがわずかに顎を斜め後ろに引いて、眉根を寄せた。


「何処まで、だと?」


「撤退するにしても、マンド国内に留まるのか、それともユラシア国境まで退いてくれるのか、どっちなのかな?」


 ガレーシャはさらに眉間の皺を深くした。


「マンド国内に留めるに決まって――」


 そこでパルススが、ガレーシャの言葉を覆い隠すように言った。


「ユラシア国境まで退きましょう。それがいい。一番いい。殿下、そうですよね?」


 ガレーシャのこめかみが再度ピキッた。


「何を言っているんだ貴様、ここまで来て、国境まで撤退するなど有り得んぞ」


「いえいえ、あり得ます。なにせ不測の事態が起きましたからね。ここは一旦立て直すにしても、敵地でそれはよくありません。なのでここは、定石通り国境まで一気に退くべきです」


 ガレーシャの鋭い視線が、パルススに突き刺さる。


 だがパルススは、一向に意に介さなかった。涼しい顔で、ガレーシャの視線を真っ向から受けた。


 ガイウスはその様子を心配しながらも、おとなしく見守った。


 すると、折れたのはまたしてもガレーシャであった。


 ガレーシャは深い溜息を吐くなり、言った。


「定石通り――か。定石では一気に退くのだな?」


 パルススは間髪を容れずに言った。


「中途半端は混乱を招きます。なので一気に安全な自国領土内に撤退するのが、定石となります」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=46484825&si
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ