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転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~  作者: マツヤマユタカ@ワンバイエイト第四巻発売中!漫画も第二巻発売中!
第十一章 神の棺

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第二千九百十四話 ガレーシャ

 ガイウスは、ガレーシャの言い回しに、違和感を持った。


 素直に聞けば、軍人ならばどのような状況であろうと、命令一下何処へなりと赴いて戦うという、その矜持を語ったものと聞こえるだろう。


 だが穿った見方をすれば――特にガイウスは底意地の悪さで、その裏を見透かすのが得意であった。


「ははーん、あれだね?ちょっと怒りが入っているね?」


 ガレーシャは不愉快そうに眉根を寄せ、顔をひねってガイウスを睨みつけた。


「なんのことだ」


「王命ならば従うしかない。嫌でも――そういう意味だろ?つまり、この侵攻にはあんたは反対だった。違うか?」


「勝手に我が意を決めつけるな」


「でも当たりだろ?王命だから仕方なく来たが、本当は嫌なんだろ?」


「わたしは軍司令官だ。嫌も応もない。王命とあらば、何処へなりと駆け付け戦うのみだ」


「だがその前にひとりの人間だ。人として、この侵攻には反対なんだろ」


「だから勝手に推し量るなと言っている。貴様、無礼だぞ」


「無礼ねえ。もしかしてあんた、ただの将軍じゃない?もう一つ別の肩書あったりする?」


 ガレーシャはガイウスを睨みつけながら言った。


「第五皇女だ」


「おお!やっぱりか。だから第三方面軍だっけ?その司令官なんだな」


 ガレーシャの眉間に深い皺が刻まれた。


「我をお飾りだと言っているのか?」


「そうは言ってないよ」


 ガイウスはそう言いつつも、軽く首をひねった。


 次いで首を元に戻すなり、言った。


「いや、やっぱり言っているかな。だって、そうでもなきゃ、あんたみたいな若い王女――いや、皇女か。その皇女が方面司令官なんて務まりはしないだろ」


 ガレーシャの口元から、ぎりっという歯ぎしりの音が聞こえた。


 ガイウスは口元を歪め、肩をすくめた。


「違うか?」


 ガレーシャは歯を食いしばったまま深く息を吸い込み、またすぐに吐き出しながら言った。


「そう思いたければ、勝手にそう思え」


 ガイウスは苦笑した。


「じゃあ、そうさせてもらおうかな。で、引いてくれるの?くれないの?まさか、俺の情報くらいは多少入っているんだろ?」


「知らぬな。わたしはお前の情報など、何も持ってはいない」


「嘘だろ。だって魔導師部隊のブリシア・リースは、俺のことを知っていたぜ」


「その者が知っているだけで、誰も彼もが知っているわけではなかろう。わたしはお前についてなど、何も聞かされてはおらぬ」




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