第千四百二十七話 くだらない質問
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するとカルビンが両手を大きく広げて、大仰に喜ぶ仕草を見せた。
「おお!その通りだよ!ガイウス君、君は特異点という特別な存在らしいね!?」
とても嬉しそうに前のめりになって問いかけるカルビンに、ガイウスが少し引き気味に答えた。
「まあ、そうだけど……それが何か?」
「いやあ~、会えて嬉しいよ。わたしは君みたいな特別な存在に対して、いたく興味があってね。色々と聞きたいことがあるんだが、いいかな?」
一気に捲し立てるカルビンに対し、ガイウスがさらに引き気味となった。
「いや、まあ、いいけど……」
するとカルビンが息せき切って、ガイウスに対して疑問の嵐を浴びせかけた。
だがそれは、特異点の核心に迫ったものでも何でも無く、普段何を食べているのかや、暇なときに何をしているのかといった、実にくだらない質問の羅列に過ぎなかった。
そのため、当のガイウスだけでなく、隣で聞いているカルラまでもが唖然とするのであった。
するとその時、そんなガイウスたちに救いの神が現われた。
「ご足労をお掛けしました。カルラ様、ガイウス君」
颯爽と現われたシェスターに、ガイウスがすかさず助けを求めた。
「シェスターさん!どうもどうもご無沙汰しています。元気ですか?僕は元気です!」
ガイウスはスタスタと早歩きでシェスターに近付くと、しっかりと両手でシェスターの手を取り、ブンブンと大きく縦に振った。
シェスターは驚き、思わずカルラを見ると、今度はカルラがシェスターの手をガイウスから奪い取って同じ様にブンブンと振り回した。
「やあ、シェスター、久し振りだねえ?つもる話もあることだし、どこぞで膝を交えて話をしようじゃないか」
カルラはそのままシェスターの手を引き、退出を試みた。
するとガイウスもシェスターの背中を押している。
シェスターは何事があったかと思ったものの、とりあえず二人に身を任せた。
そして三人は唖然とした表情のカルビンを一人ガランとした大広間に残し、とっとと退出を謀るのであった。
2
「どうされたのです?」
カルビンからあてがわれている自室へ戻るなり、シェスターがガイウスたちに尋ねた。
ガイウスはウンザリとした様子で答えた。
「どうもこうもないよ……何なのあいつは?……」
疲れ果てた顔をして言うガイウスに続き、カルラも溜息混じりに言ったのだった。
「何だろうな、あれは?ガイウスのこととなった途端、実に気味悪くなったが……」
シェスターがいぶかしげに問うた。
「気味が悪いとはどのようにですか?」
だがその問いに対してガイウスたちは困ったような表情で、互いに顔を見合わせるのであった。




