第千四百十一話 手下
「ふむ、そうなのか?アルス」
シェスターが渋い顔を作ってアルスに問いかけた。
アルスは申し訳なさそうな表情となって返答した。
「はい、申し訳ございません……」
すると恐縮気味のアルスを押しのけ、オルテスが口を開いた。
「すまない。危険だということは聞いていたんだが、どうしても調べたいことが出来たものでな」
「ほう、それはまた、どうしたことだ?」
シェスターが片眉をピンと跳ね上げ、すかさず問い質した。
するとオルテスがアルスと目を見合わせた後、意を決して言ったのだった。
「実は……しゃべる猫が現われたのだ……」
これにはシェスターが目を丸くして驚いた。
「なんと!それはもしや!……」
勢い込んで問うシェスターに対し、オルテスたちは慌てて両手を振って制しようとした。
「いや!違う違う!エル様ではない。その手下だそうだ」
「そうか……エル様の手下だったか……」
だがそこでシェスターの後背に控えるアジオたちのざわめきが大きくなった。
シェスターは一度大きな溜息を吐くと、覚悟を決めたような表情となって振り返った。
「すまん。後で君たちにも判るようにすべて説明する。今はすまないが……」
すると代表してアジオが答えた。
「わかりました。では後で必ず教えてくださいね?」
「無論だ。すまないな」
シェスターはそう言うと、再びオルテスに向き直った。
「それで、その手下が何の目的で君たちのところへ?」
「エル様を探しに来たと言っていた。それで俺たちは一緒に行動していたってわけだ」
「行動を共にか……しかしホテルなどには、猫は入れないんじゃないか?」
「ああ、だからいつも布に包んで持ち運んでいたんだ」
シェスターはホテルマンの話に出てきた、アルスがいつも持っていた布包みのことを思い出した。
「なるほどな……それでいつも小脇に楕円形の布包みを持っていたってわけだな?」
「ああ、ホテルの従業員にでも聞いたのか?」
「そうだ。しかしそれにしても、エル様を探しにか……」
「俺たちもあんたたちからエル様の話を聞いていたからな。それでなんだよ」
「そうか。それはよくわかった。ではそのエル様の手下……名前は何というのかな?」
「トポロだ」
「そうか、で、そのトポロは何故地下水路へ入ろうと言ったのだ?」
「それは、エル様の痕跡を探す為だと言っていた」
「それで地下水路へか……」
「ああ、俺たちに危険はないと言っていたのでな」
シェスターが眉根を寄せて問い質したのだった。
「危険は無いと?そのトポロが言っていたのか?」




