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第十一章 神の棺

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第千四百九話 危険

「そうですか。ところで伺いたいのですが?」


 シェスターがすかさず話題を変えた。


 カルビンは鷹揚にうなずいた。


「なにかな?」


「何故、我らの仲間を攫ったので?」


 シェスターがあっさりと確信をつく問いを発した。


 だがカルビンは悪びれるでもなく首を横に振った。


「さて、それはイオーヌに聞くと良いだろう。その件に関しては、わたしはほとんど関知していないのでな」


 シェスターは驚き、重ねて問うた。


「関知していないと?それは本当ですか?」


「ああ、本当だ。わたしは監禁場所を提供しただけだ。もちろん話しは聞いてはいるが、わたしが指示を出したということはない」


「そうなのか?」


 シェスターはイオーヌに向き直り、眉根を寄せて問い質した。


 するとイオーヌがうなずいた。


「ええ、まあそうね。カルビンがまったく関係ないってわけじゃないけど、主体でないのは確かね」


「どういうことだ?では何のためにアルスたちを攫い、その後コメットたちまで攫おうとしたのだ?」


 するとイオーヌが仕方なさげに口を開いた。


「危険だったからよ」


 シェスターはとても厳しい表情でイオーヌを睨み付けた。


「危険だと?何に対して危険だと言うのだ?」


「貴方たちが言う、地下水路の怪物よ」


「なにっ!?地下水路の怪物だと!?」


「ええ、そうよ。あれに近付いたらダメなのよ」


「どういうことだ?アルスたちはあの地下水路の怪物に近付いたというのか?」


「そうよ。だから保護したの」


「ちょっと待て……ではコメットたちはどうなんだ?彼らは地下水路の怪物なぞには近付いていないぞ?」


 するとイオーヌがすかさず答えた。


「ええ、彼らは貴方たちをおびき寄せようと思って攫っただけよ」


「本当か?」


「ええ、正確に言うとシェスター、貴方が目的よ」


「……何故わたしなのだ?」


「さっき言ったでしょ?貴方はガイウス・シュナイダーにとって重要人物だと」


「だからわたしをここに連れてくるためにコメットたちを攫ったと?」


「そうよ。もっともいとも容易く取り返されちゃったから、わたしが貴方の前に現われたのよ」


「ふむ……わかった。コメットたちの件はそれでいい。だがアルスたちの件は……」


 シェスターがそう言った途端、広間の扉が開け放たれた。


 そして、その開け放たれた扉の先に、二人の男の姿があった。


「アルス……オルテス……」


 シェスターは二人の顔を認めるや、その名を呟いた。


 アルスたちは元気そうな足取りで広間を闊歩し、シェスターの前へと辿り着いた。


「どうも、ご迷惑をお掛けしたようで……」


 アルスはそう言うと、申し訳なさそうに頭を下げるのであった。

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