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転生君主 ~伝説の大魔導師、『最後』の転生物語~  作者: マツヤマユタカ@ワンバイエイト第四巻発売中!漫画も第二巻発売中!
第十一章 神の棺

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第千四百五話 世情に疎い

「……ほう、恐ろしいまでの切れ者か……」

 

 シェスターが目を細めて呟くように言った。


 対するイオーヌは、その呟きに大きくうなずいた。


「だと思うわ。でなければあの地位まで行けないんじゃなくって?」


 シェスターもうなずき、同意した。


「そうだな。ローエングリンのナンバー2は伊達じゃないってことか」


「そうね。とは言ってもわたしは世事には疎いんだけどね」


 イオーヌはそう言うといたずらっぽくウインクをした。


 シェスターはフッと息を吐き出し、笑った。


「そうだろうな。だがそんな世事に疎いはずの君でも、ローエングリンの権力構造については承知しているようだな?」


 シェスターの問いに、イオーヌが少しとぼけた表情を見せた。


「さあ?そうでもないわ」


 シェスターは皮肉な笑みを浮かべると、さらに追及の声を上げた。


「いや、君が世情に疎いのは事実だろう。だが必要な情報については事前に得ているのではないかな?だからローエングリンについても実は意外に詳しいのではないか?」


 シェスターの追及にイオーヌがさらにとぼけた表情を見せた。


「どうかな~?どうだったかしら?」


 だがシェスターの追及は止まらなかった。


「とぼけても無駄だぞ?先程の君の発言ですでにばれているのだからな」


 シェスターが駄目押しするかの如く、鋭い視線をイオーヌに送った。


 イオーヌはその視線を真正面から受け止めた。


「あらそう?……そうね。ちょっとだけ知っているわ」


 イオーヌがかろうじて認めた。


 だがそれでもシェスターの追及は止まらなかった。


「ちょっとだけではあるまい。事前に必要な情報を、相当に頭に入れているのではないか?」


 イオーヌは首を傾げて誤魔化そうとした。


 だがシェスターは許さなかった。


「でなければ先程の発言は出て来ないだろう。それに、我々のことも詳しそうだしな?」


 シェスターはそう言うとニヤリと笑った。


 イオーヌはついに諦めてのか、ばつが悪そうな顔付きとなった。


「……まあね。一応色々と教えられたわ」


 すると、すかさずシェスターが問い質した。


「誰にかな?」


 イオーヌは急に立ち止まり、両手を腰に置いてシェスターを睨み付けた。


「教えない!そう言っているでしょ!」


 初めて本気で感情を露わにしたイオーヌに対し、シェスターも立ち止まり、朗らかな笑みを送った。


「まあそう怒るな。わたしにはそういう意図はない」


「あらそうかしら?さっきからだいぶしつこく聞いてきていると思うけど?わたしは教えないって言っているにもかかわらずよ?失礼しちゃうわ!」


 イオーヌはいまだ感情のコントロールが付いていないのか、シェスターを饒舌に責め立てるのであった。

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