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『八洲防衛戦記 ムラサメ』  作者: 水前寺鯉太郎
第一部:異星侵略者編

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第18話「天空の激突、大統領の空中戦」

第18話「天空の激突、大統領の空中戦」

 上空三千メートル。八洲の天を覆う漆黒の巨大浮遊母艦――その不気味な巨躯の下。

 大統領が率いる八洲航空編隊が、音速の衝撃波ソニックブームを上げて猛然と肉薄していく。

「各機、攻撃用意! ターゲットは敵母艦の結界ノードおよび下部射出ハッチ!」

 一番機(F-15改)の狭いコックピットの中で、大統領は叩きつけられる猛烈なGに耐えながら操縦桿を激しく握り締め、無線へ怒号を叩きつけた。

 その瞬間――敵母艦の下部開口部が、禍々しい極彩色に明滅した。

 激しい排気音とともに内部から一斉に吐き出されたのは――あの黒ずんだ銀色に塗られた、無人のF-4ファントム編隊!

「なに……! 敵もかつての名機F-4を繰り出してきたか!」

「怯むな! 相手は血の通わぬ無人機だ! 我ら八洲の誇りと絆を見せてやれッ!」

大統領の一番機がアフターバーナーを豪快に焚き、猛然と敵F-4編隊の渦の中へと飛び込んでいった!

大気を切り裂く、惨烈な空対空ドッグファイトの幕が切って落とされる!

ズババババババババッ!!

大統領機の翼下から吐き出された大口径の実体弾機関砲が、正面から突っ込んできた敵F-4のノーズを木っ端微塵に粉砕した!

「落ちたぞ! 一番機、撃墜!」

『隊長、後ろです! 6時の方角から三機!!』

だが、相手は感情を持たない冷酷な計算機アルゴリズムで動く無人機の大群。一機が爆破されると同時に、二機、三機のF-4が人間には耐えられぬ凶悪なハイG旋回で大統領機の死角へと滑り込んでくる!

ドガァァァンッ!!

『くっ……! 三番機被弾! 脱出する!』

交差クロスしろ! 互いの尾翼を死守せよッ!」

八洲航空編隊の機体も、敵F-4が放つ超高速レールガンや実体弾の豪雨を浴び、次々と黒炎を吹き上げて大空散っていく。圧倒的な物量と無機質な死の連携。

しかし――八洲のパイロットたちは一歩も退かなかった!

彼らはかつて自国の空を守るために人生を捧げてきた、生粋の撃墜王たちだ。自ら陣頭に立って操縦桿を握る大統領の背中に魂を震わせ、命を賭して操縦桿を押し倒し続ける!

「食らいつけぇぇぇッ!!」

自機の翼を削られながらも、敵のF-4へ体当たり同然の超至近距離で機関砲を叩き込み、刺し違え覚悟で撃破していく八洲のベテランパイロットたち!

空は連続する爆炎の華と交錯する曳光弾、そして引きちぎられた鋼鉄片の豪雨と化していた。

『葉加瀬技師! 見ているかッ!!』

襲い来るF-4の弾道を極限の旋回でかいくぐりながら、大統領が熱い叫びを有線通信へ叩きつける!

『我々が敵の空対空全戦力を引きつけている! 敵は我々を排除するため、結界の一部を開放してF-4の追加部隊を連続射出し続けているぞッ!』

「了解……! 見えた……見えたぞッ!!」

F-4編隊と八洲航空部隊が激突する惨烈な乱戦の合間。

飛翔形態の『ムラサメ』に搭乗する銀太の双眸が、母艦下部の特定ノード――F-4が次々と吐き出されている巨大ハッチの周縁部に生じている、「歪んだ結界の開放口シーム」を確かに捕捉した!

大統領たちが己の命と機体を盾にして叩き出してくれた、たった一瞬の突入口!

「大統領……みんな……命をかけてくれて、ありがとうよぉぉぉッ!!」

銀太はムラサメのからくりブースターを、限界を越えてフル点火させた!

ガガガガガガガッ!!

大空で繰り広げられる惨烈なドッグファイトの狭間を、一筋の青い条線となって一直線に突き抜ける!

そして――F-4が今まさに飛び出さんとする母艦の開口部目がけて、青き彗星となったムラサメは迷うことなく突入していったのだった!

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