第37話 しろいこな
目が覚めると私はアルノーとピエールのサンドイッチになっていた。
もふもふ……幸せだね。鳥と猫(かは疑問)のつるつるふわふわさらさら。
ぐっすり寝れたのかな。もう朝だ。
「ア゛ア゛ア゛ーーー」
「ぐぅー」
あはん。ピエールの雄たけびとともに私のお腹が盛大に鳴いた。
「フィー、起きたのかい」
パパが部屋に入ってきて私をベッドから抱き上げる。後ろにルルカを連れてるから、ルルカが呼んでくれてるのかな。
「パパ、ごはん!!おなかしゅいたでしゅ」
「はは、おはよう。すぐごはんにしよう」
って言いつつ、ルルカに着替えの指示を出す。
今日は薄ピンクのワンピース。お靴もかわいい。
朝ご飯はルルカが準備してくれていた。ルルカはアレンジすることがないのでいつもの野菜スープとパンケーキ。
私はパパにハムとチーズを出してもらって、パンケーキにチーズをのせて、ハムは細かくしてもらってスープに入れてもらった。
……昨晩もモツを煮込んでくれていたらしい。アルノーたちがおねだりしたのかな。
朝食ごはんが済んだら、パパは仕事部屋に入ったので、私は調味料チェックわするよ。
前にざっと見たときには見つけられなかった発見があるといいなぁ。
「ア゛ア゛ア゛ー」
「ピエール、ここのもにょは、かって、たべちゃだめでしゅよ」
貯蔵庫になっている部屋にはスパイス系、小麦粉、大麦粉、ハーブ……やっぱり目新しいものがないかも。
「ア゛ア゛ア゛ーー」
『それは薬に使うものだな。整理がへたくそなのか』
アルノーとピエールが反応したのは壺に入っている粉だった。
「ルルカ、それみしぇてくだしゃい」
私の背では届かない棚に入っている瓶を全部降ろしてくれた。
壺の蓋を開けけてもらって中を確認すると、白い粉!!
何かやばい粉かしら!?薬の材料って。
『ふむ、薬を飲みやすくするつなぎの粉だな』
つなぎ!?
薬の効能はないのかなぁ。
思わず手を入れて触ってみた。
さらさらした粉……なんか甘い匂いがする。
パク。
「あーー、ピエール、あぶにゃいのだったらどうするでしゅか!?」
ピエールのくちばしがが私の指ごとぱくりと。ごつい舌がもきゅもちゅ動く感触がしたよ……
「ブブブーー、イャーン」
『ふむ、毒ではないようだ』
アルノーが鼻先をツボに入れて匂いを確認してる。
もー、ばっちいになるよ。いくら何でも直で確認しないでよ。
私は木製のスプーンでツボから一匙すくって舐めてみた。
むむ……??
あまい……なにか懐かしいようなそうでもないような……
『麦芽糖のようだな』
アルノーが説明してくれた。パパがでんぷんから作って、ここに置いていたのかな。
『そちらも気になる』
もう一つのツボにも白っぽい粉が。
またもアルノーはピエールに毒味をさせた。
「ア゛ア゛ア゛ーー、イイワネー」
『ふむ。大丈夫だな』
ピエールの扱いがひどいよね。
でね、私もホッとして一匙すくってるからダメだよ。
「……んん」
遠くに甘みがあるような……クリープ、そう、クリープの味だ。
インスタントコーヒー……飲みたい……
ようするに、粉ミルクの甘みが少ないものかなぁ。
『ふむ、両方ともレーションの中に入ってるものだな』
え!?
あの激マズレーションには遠くにも近くにも甘さなんて感じなかったけど、これ、入ってるの??
「うそでしゅ~」
こんな優しい素材の気配はなかったよ。
『栄養と吸収の効率重視でまずい野草や乾燥した魔獣の肝などはいっておるからな』
アルノーの情報は一体どこから。
『魔獣屋の食事でまれにレーションがでる』
おお……
まずいのが嫌だって言ってたのにアレ食べてたのか。
『アレはアレで歯が痒いときには良い』
ピエールが固いものガシガシするのと同じだった。
「ふむふむ、これはおかしにつかうのもアリでしゅね」
クリープはミルククッキーにできるし、麦芽糖は水あめができる。
「パパにつかっていいかきくでしゅよ」
『ダメとは言われないであろう』
って、ピエール!!
「そのままたべないで!!でしゅよ!!」
「ア゛ア゛ア゛ーーー、ヤダワー!!イテッヤメテェェェェ」
壺に顔を突っ込んでるので止めたらDVを受けたかのように鳴かれた……




