第33話 ダリルくん、てれる
とりあえず、はちみつぼうろを石窯製のオーブンに入れて、メレンゲクッキー生地を泡立ててもらっては鉄板に並べていく。
「これは……石窯を増やした方がいいのか……」
「おけないでしょ」
リカちゃんとダリルくんは真剣に考えている。
お砂糖とはちみつが高いものなら作れる限界があった方がいいと思うな。
はちみつぼうろが焼きあがって、オーブンにメレンゲクッキーを入れてしてから休憩タイムをとる。
「なぁ、彼女はしゃべらないのか?」
今!?
ダリルくんがルルカを見つめて聞いてきた。
「あっ」
リカちゃんは知っていたのかな。説明を忘れていたって感じでダリルくんの背中をポンっと叩く。
「ダリル、彼女は俺が作った最高傑作のホムンクルスだ。フィーの乳母としての学習を終えている」
アニーから一通り学んでいるからってことかなぁ。大雑把な学習に思えるけどね……ルルカが優秀なのは間違ってないか。
「ホムンクルス……?」
パパの説明にダリルくんは首をかしげる。
そういえば、ホムンクルスって言われたら「なんだそれ」な反応が普通だよね!!
私は古のオタクだから錬金術とか聞いて「そっかー」って流しちゃってた。
「ダリル、レイは錬金術師だ。すごい魔法が使えるって教えただろう?」
「おい、リカルド、魔法と錬金術は全然違うものだ」
リカちゃんの大雑把な説明にパパが反論する。
「構築と理論をしっかりせねば……」
いや、そこ説明したらめんどくさいから、とりあえずリカちゃんの説明でいいでしょ。パパ……
「あー、その説明は学ぶ気がないと無駄だから今は良いだろうが」
「……そうだな」
パパは不服そうだけど折れた。
リカちゃん、パパにいつもこんな感じで接しているのかな。
「ルルカ、れんちんじゅつでできた、でも、かじょくでしゅよ」
うん。学習型だし、いつかお話しもできるかもで、私のそばにいてくれる。だから将来はもっと仲良しになれるはず。
「ふーん……そういうものか」
ダリルくんはめっちゃルルカを見てる。もしかして好み?ルルカはめっちゃ美少女だから見惚れちゃうのもわかる。
……でもたまにリカちゃんそっくりなゴリゴリルルカになるよ……
「ちゃ!おやつ、あ、もうおひる、ごはん、だべましょ」
「さ!」が「ちゃ!」になっちゃって恥ずかしい。
「……ルルカ、スープとパンケーキを」
パパが支持をするとルルカが鍋に火を……付けようとしてすでに付いているから困惑したように止まる。
「パパ、もつにゃべ、でしゅよ」
ルルカが、一晩中煮込んでくれたはず。
「む、そうだったな。もつ鍋を出していいのか?」
あ、アルノ―たちの分をとっておかないと怒られちゃう。
「いっぱいじゅつ、あじみ、しましゅ」
小鉢程度ならアルノーとピエールも許してくれるはず。
「そうだな」
リカちゃんもダリルもいっぱい食べそうだからルルカに時短スープをお願いして、貯蔵してあるお肉を焼いてもらう。
「お、変わったスープだな」
出汁になるのはハムやキノコ、こっちもみじん切り。
リカちゃんもダリルくんもルルカの作業をチェックする。
野菜みじん切りの時短スープもダリルくんはメモをとる。
「スープ、なんでもいっぱい、いれれば、いっぱいにこんだら、おいしいでしゅよ」
細かくメモしなくても大丈夫。お塩を少々。パパの分はコショウ、ハーブを後入れだよ。私もコショウ入れたいけどね。
「こっちは砂糖入れるのか」
パンケーキはちょっとだけお砂糖。ルルカが慣れた手つきで材料を混ぜて焼き始める。
私はフルーツのせだけど、パパとリカちゃんはお肉を挟んだ方がお腹が膨れるよね。
「ダリルくん、ふるーつ?おにく?」
私は男の子はお肉だよねーって思って聞いた。
「……両方気になる」
ちょっと恥ずかしそうにつぶやいた。
素直ーーーーー!!
「ルルカ、りょうほうでしゅ」
「俺も両方だ、ルルカ頼む」
リカちゃん、ダリルくんを押しのけてルルカにお願いした。
食いしん坊だ!!
「……リカルド、邪魔だから座っておけ」
お昼ごはんが出来上がるまで、焼き立てのはちみつぼうろとお茶飲む。
パパとリカちゃんはハーブのお茶、ちょっとに苦め。私はミルク、ダリルくんは……
「……ミルクを」
おおー。




