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おなかすいたでしゅ!!~転生したらちびっこだったので、おいしいものを探してがんばりましゅ~  作者: 紫楼


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第31話 すてきなはたけ

 朝ご飯のあと、お庭の畑に向かった。


「ちゅごいでしゅ」

 アルノーとピエールが持ち帰ってくれたイチゴはパパがかわいい棚を作ってプランターに植えてくれていた。

 他にもメロン、スイカとベリーっぽいもの。かぼちゃとお芋。そしてニンジン……?

 食の充実に全振りなのに、物語りの中に出てきそうな素敵なガーデニングっぽくまとめてある。


「うれしいでしゅねぇ」


 そして気になる背の高い作物……


「そっちはヒマワリとサトウキビだよ。ピエールの希望らしい」


 ん!?油と砂糖をゲットできそうなやつ……でもピエールのおやつならいっぱいはもらえないかも。


 イチゴたちもヒマワリも収穫期じゃないっぽい。森の中の季節ってあるのかなぁ……精霊の気まぐれで育つのかしら。


「ピエール……おいしいのあげりゅからヒマワリとしゃとうきび、半分くだしゃいなのでしゅ」


 まずは半分で交渉。


「ピ……ア゛ア゛ー?」

「う……じゃはんぶんのはんぶんで」

 ピエールが首をグルーンと傾けたので嫌がっていると判断して、泣く泣く1/4で交渉してみる。


『私たちは毎日勝手に食べるし、収穫しても精霊にたのめばすぐ成長するから全部じゃなければかまわないぞ』

(ふぁぁぁぁぁぁぁぁ!?精霊ってそんなにすごい力があるの!?この世界って飢饉の心配無し!?)

『人間のすべての畑に精霊が関与するわけがなかろう。かかわりのある相手には気前が良いのだ』

 アルノーに呆れた声を出された……虚無顔で平坦な声で言われると切ない。

(アルノー、ピエール、素敵な作物を集めてくれてありがとう)


 自分たちが食べたいから、で、あろうとも私はとても助かる。


『ふむ、新しい食べ物を作ってくれれば良い』

「ピビビビ、ア゛ア゛アー、イイワァ」


 気前のいいペットたちだ。私はいい出会いをしたようでうれしい。

 

「おーい!!」

 玄関の方向の脇道からリカちゃんの声が聞こえてきた。

 まだめっちゃ朝早いよ。多分九時前くらい。


 ……って森の中をかき分けて出てきてるの?


「レイ、フィー、おはよう!!」

 程よく運動してきた感じのリカちゃんと……少しお疲れの少年、ダリルくんかな。二人が庭に入ってきた。


「早いな」

「なんだー?採取や遠征に行くときと変わらんぞ」

 お友達のお家に行くときとお仕事の時の感覚は変えてもいいと思う。

「ダリルの訓練にもちょうどいいからな。ははは。ダリル。この子がフィー、レイの愛娘だ」

 少し息を切らしているダリルくんは私を見て、横にいたアルノーとピエールを見て少し固まった。


「……レイさん、いつも父がお世話になっています。フィー、俺はダリルだ。よろしくな」

 ダリルくんはパパに頭をこくんと下げてから、私の前にかがんで、丁寧なあいさつをしてくれた。リカちゃんのざっくばらんさと真逆のタイプ。

 黒髪に少し褐色の肌、エキゾチックな感じで、銀髪で色白なリカちゃんには似てない……目の形と色はそっくりかも……将来ぜったいイケメンになるね。顔も中身もママに似たのかな。


「母さんがお菓子をすごく喜んでいた。ありがとう」

「近い」

 パパがダリル君くんと私の間に手を差し込んだ。

「パパ?」

 急なことにびっくりしてパパを見上げると少しムスっとしていた。


「ははは、まだその心配は早いぞ、レイ」

 あ、悪い虫的な心配?

 三歳の私と十歳くらいのダリルくんでは恋にならないんじゃないかな。

 私の中身はおばさんだしぃ……


「父さんに聞いてはいたが変わった趣味だなぁ」

 ダリルくんはアルノーを見つめて呟く。

『見る目のない子供だ』

 アルノーの機嫌は損ねないで。

 虚無顔だけど毛はふわふわで私をのせてくれて添い寝してくれて、狩りや採取までしてくれる優秀なペット様だよ。

 しかも元の世界ではこの虚無顔がいいって人気者なチベスナちっくな猫様なんだよ。


「そっちは魔獣屋のやかましい鳥だろ?最近静かだと思ったらここに飼われたんだな」

 あれ?礼儀のある子と思っていたら、わりと毒舌かも。


「さ、早速頼むぞ」

 リカちゃんがやる気満々で腕まくり。ダリルくんとパパはフゥってため息をついたよ……




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