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おなかすいたでしゅ!!~転生したらちびっこだったので、おいしいものを探してがんばりましゅ~  作者: 紫楼


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第26話 あめちゃん

 うちに来てもらうのは後日……ってパパが言ったらリカちゃんは奥さんが嘆いてるのが耐えられないからって明日には来るって。


「しょんなに……」

「そんなに!!だよ!!」

 あまいものが好きに食べられないってけっこう拷問かもねぇ。

 ベラさんが初めてのお菓子にツボっちゃったのねぇ。


 ここにルルカがいたらキッチン借りてあまあまパンケーキくらいはすぐに伝授できたけど、私だとできないのだもの。


「かわいちょうねぇ」


 私は甘いものが食べたいのに食べられないことを想像すると悲しくなった。

 さらにふと、休みをとって楽しみにしていた季節限定のケーキバイキングに行けなかったときの気持ちを思い出した。

 インフルエンザになったの……「熱がでちゃったぁ。でも大丈夫ぅ」とか言いながら出社してくる奴のせいだと思う。毎年やるの、何なの。

 あの後同僚も順番にバタバタ休んで大変だったなぁ……


 「たべたいもの、たべたいときたべるでしゅ」


 それが正義ジャスティス!!


「シェシルしゃん!コンロ、あたためるばちょ!かしてくだしゃい」

 

 カセットコンロみたいなものないよねって思ったら、理科の実験で使うようなアルコールランプとスタンドのおしゃれ版みたいな物を出してくれた。


「これでいいか?」

「何をするんだい?」

 セシルさんとパパが不思議そうに聞いてくる。


「おしゃとうとおみじゅ、あとたべられりゅ、おはなありましゅか?」

 パパは私がルルカとの行動を知っているからサッと持ち物から出してくれた。便利空間にいろいろ入ってるね。私のために、かな?


「薬草だがお茶につかったりしている花だよ」

 カモミールっぽいものが出てきた。

「パパ、おなべにおしゃとうとおみじゅ、いれてグルグルでしゅ」

 パパが作業を始めるとセシルさんとリカちゃんも同じ台を出して真似し始めた。


 ……ただのべっこう飴なんだけど。

 お花はかわいい方がいいかなって思っただけで。


「あ、ちゅよいひ、だめでしゅよ。ゆっくりでしゅ」

「「「わかった」」」


 錬金術っぽく作業すると強火にはしないみたい。繊細な作業しているくせに料理ってなると面倒くさがったり、一気にやろうとするんだよねぇ。


「いろがかわっちゃら、おはないれて、こう……きれいなてちゅのいた、しゅこし、たらしていきましゅ」


 あーーーー、自分でお手本できないのしんどいねぇ。必死に手振りで指示を出すとセシルさんだけカラメル色になっちゃった。ちょっと苦いと思うけどドンマイ。

 コロコロ丸めたりもしたいけど取り合えず、べっこう飴で。


「あめちゃん!!完成でしゅ」

「あ、あめちゃん……」

 セシルさんがあめちゃんを持ち上げようとしたので止める。まだ固まってないてしょ。


「フィー、よくこんなつくり方知ってるなぁ」

 あ、やっぱまずかったかな。

「俺の子は天才なのだよ」

「なんだー!?俺のダリルだって賢くていい子だぞ」

 パパが私の頭をトントンとしてくれる。親ばか的な流れにしてくれたよ。


「ア゛ア゛ア゛ーー、モットォォ」

 ピエールがパパの作ったあめちゃんをパクリ。アルノーはセシルさんのを手で払って自分の口に落とした。

「あ、こらー!!かって、だめでしゅよ」

『静かにまってやったのだから褒美である』

 なんだよー。褒美って。勝手にもらうのは褒美って言わないでしょ。


「ん、これはあまいな」

「俺のは少し苦い」

 パパたちは自分が作ったものをまず口に入れて、そのあとそれぞれが作ったものを味見した。

「おはな、いろいろ、つかっちゃら、かわいいでしゅ」

 旦那さんからもらうなら味気ない茶色の飴よりお花はいってた方がベラさん、うれしいよね。


「フィー、ベラのためにありがとうな。でも明日も頼むぞ」

 あはは。その場しのぎのあめちゃんでは物足りなかったか。

 すぐ作れて便利なんだぞ。


 錬金術が出来るなら、カルメ焼きも楽勝だろうけど、重曹を探さないと。


 あめちゃん、私の口にもパパが入れてくれた。カモミールをいれたことでのど飴っぽい香りが鼻を抜けた。


「フィー、これは薬に使うといいかもしれない」

 リカちゃんが自分の手をパァーンと叩いた。

 

「鼻薬や解熱剤を嫌がるからあめちゃんに混ぜたらいいかもしれない」

 おお。息子さんのことかな。お父さん目線か。

「それはお前のことだろう」

「そ、そんなことはない!!」

 リカちゃんはセシルさんに突っ込まれて目をそらした。


 ん!?


 パパとセシルさんと普通に話しているから魔道ギルドの人かと思ったら、リカちゃんは冒険者だった。リカちゃんは五人でパーティを組んでて、魔道ギルドの採取依頼や魔導師が採取にいくのに同行して護衛をしたりするんだそうだ。


 んで、リカちゃんともう一人がケガをしたり毒に当たっても薬を嫌がるんだって。

 ポーションも苦いのかって思ったら、ちょっとしたケガにポーションはつかわないって。


 リカちゃんたち、ちょっとしたケガはすぐ治るとかいって治療や投薬を拒むんだって。子供か。


 パパの用事と簡単なあめちゃんを伝授したので、魔道ギルドを後にした。




 

 

 

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