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おなかすいたでしゅ!!~転生したらちびっこだったので、おいしいものを探してがんばりましゅ~  作者: 紫楼


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第25話  モテたい

 お部屋の中にはセシルさんともう一人のマッチョ……がいた。


「だーかーらー!!あの菓子をもっとゆずってくれって」

「テメェがいっぱい食ったからもうねぇよ」


 ……これはルルカに作らせたお菓子のことなのか、別の素敵なお菓子のことなのか。って、素敵なお菓子があったらルルカに頼まないよね。


 ってことは……ないのかぁ……っふぁ!?


「シェリーちゃんでしゅか!?」

 えーーーー!!お菓子をあげてモテたいっていってたお相手……

「はぁ!?」

「んなぁ!!」

 セシルさんとシェリーちゃん‽はものすごくビックリしてテーブルとテーブルの上に置いてあった茶器がガチャガチャっと音を立てた。


「……ぶほっ……っ」

「ア゛アア゛ー、テメェ、ギャー!!イタァーー!!」

 パパはお腹を押さえて笑いをこらえようとして震えているし、ピエールはさっきのセシルさんの「テメェ」に反応しててちょっと怖いし。


「あ、レイか。ってことは……」

「はじめましゅて。フィーでしゅ。パパがおせわ、なってましゃ」

 なるべく子供っぽくご挨拶をしようとしてかんだ。「しゃ」って……


「おー、ちびっこ、おれはリカルド。セシルが言ってたとおりレイにそっくりだな」

 ガハハと豪快なマッチョはシェリーちゃんじゃなかった。


 ねぇ、パパ。ゴリゴリルルカのモデルって……

 なんていうか、マッチョ具合、顔つき、髪型がね……パパって造形を考える手間を省いてるんだろうか。ママの顔にしたのも私のためって言いつつ実は……!?


 適当過ぎるよ。パパ……


「リカリュドさん……シェリーちゃんちがう?」

 おおきなマッチョが私の前にひざをついて目を合わせてくる。

「おー、リカって呼んでいいぞ。シェリーは俺の妹だ」

 ……リカ、なんかかわいいぞ。


 セシルさん、友達の妹を狙ってるの??


「レイ、納品か?来てくれるのは珍しい。有難いな」

 パパは基本引きこもり、セシルさんが素材を運んでくれて納品するものを持ち帰ることがほとんど。

「ああ、ついでに買い物に行く」

 この前みたいにお買い物のついでじゃないと魔道ギルドに寄ることはしないんだ。

 パパ、私がいなかったらお部屋から何日も出てこないはず。


「おい、リカルド、お菓子はレイのところのだぞ」

「は!?レイはお前と一緒でレーションしか食わんだろうが」

 え、レーションを主食にしてるのが普通なほうがおかしいんだよ。

「あればなんだって食うだろうが」

 あれ!?セシルさん、「何でも」は失礼だよ。家でご飯しっかり食べてお菓子もたくさん持ち帰ったくせにさ。


 効率の良さ、手軽に食べれる食事を求めるか、ゆったりした時間、手間暇かけた食事を求めるか、それは本人の自由だけど、美味しい食事は健康な体と健やかな精神を育てるのだ。

 どんなにハードでストレスがかかる仕事でも美味しい食事さえあれば、心が生き返るよ。


 美味しいご飯は生きる活力だよ。

 趣味があるとか推しがいるとか心の潤いも大事だけどさ。

 食は生きる糧、美味しいものを食べなれないと活力も出ないし、趣味を楽しむ気力も出ないよ。


 私が食い意地はってるだけ?


「レイ!!あの菓子はお前が作ったのか!?どうしたらゆずってくれる!?」

 リカさん……リカちゃんでいいかな。なんかリカちゃんって言いたくなるよね。ダメ??リカちゃんは必至にパパにお願いした。


 甘いものが好きなんだなぁ。マッチョがメレンゲクッキー食べてると思ったらなんかかわいいね。


「頼む!!ベラが気にいってるんだ!!」


 リカ……お前もか。


 甘いものを貢いで女の子に好かれたいって……詳しく!おばちゃん、もっと詳しく聞きたいです☆


「ベラしゃん、おかししゅき?」

「ああ!!ベラはおいしいものを食べたら機嫌が良くなるし、ダリルはおとなしくなる!!」


 おお……ダリルは男のこの名前かな??


「頼む。ベラはあの甘いもので機嫌が良くなったんだがなくなったから禁断症状のように嘆いてるんだ」


 あらら……お砂糖は麻薬みたいねぇ。


「かんたんなおかしでしゅ。ルルカ、ならいにきたらいいでしゅ」

 セシルさんもリカちゃんもパパと仲良しっぽいから家に呼んでもいいよね!?


「フィー……」

 あれ!?パパは嫌そう?


「あれは、簡単なのか!?」

 セシルさんは作る過程を見てたはずだけど渋い顔をしている。


「まじぇまじぇ、やく。かんたん」

 難しいことはしてない。メレンゲをつくるのはちょっと大変だけど、それはリカちゃんがやればいいのだ。

 はちみつぼうろはもっと簡単だしね。


「……ベラにやれるだろうか……」

「シェリーちゃんにも無理かも……」


 えー……お菓子作るの苦手かな。


「とくいじゃない、なら、リカしゃんがつくる、いいでしょ」

 別に男の人が作ってもいいよね。パティシエもコックさんも男の人が多いし。

 そういえば、昔、友達が料理の勉強をしていた時、先輩に女性は月の物で味覚が変わるからそれを意識してって言われたんだって。だから女性の進出が少なかったのかなぁ。家庭料理ってなると嫁の仕事ってなるのにねぇ……


「え、俺が作る……」

 錬金術が使えるなら、料理にも向いてそうだよね、ってセシルさんは魔導士ギルドの人だけど、リカちゃんは違うのかな ?


「あげりゅ、よりも、つくれりゅが、モテましゅよ」

 うん。料理が出来る男の人、素敵だよね。


「「モテる!?」」

 セシルさんもリカちゃんも彼女大好きだねぇ。


「そっか、自分で作ればいいのか」

「俺、自分の飯もめんどくさくてレーション食ってるんだけど……」


「俺はフィーといっしょに料理するのは楽しいとおもっている」

 パパがちょっと自慢げだ。


「そっか、ダリルと一緒に作れば、ベラも喜ぶな。あ、フィー、ベラは俺の嫁でダリルは息子だ」

 おー、リカちゃんは妻子持ちなのね。


「……おい、なんか憐れまれている気がする」


 セシルさんが私を見て凹んだ。

 別に憐れんでないよ。セシルさん、独身でも全然おかしくない若さだし。


 なんなら、私、45歳独身だったしね!!!!



 



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