第23話 はたけの……
パパは夜ご飯には出てきて私の今日の行動を聞いた。
「イモはいろいろ使えるんだなー」
パパはマッシュポテトとサツマイモ味のパンケーキを食べて感動した。
私としては普通のパンやお菓子パン、総菜パンが作りたいけど、まだ先の話……早く大きくなりたいね。
蒸しパンも簡単だから……そのうちルルカに頼んでみよう。
まずは私が食べれる、作れる、を軸にやるしかない。
肉……大好きなのに焼き肉もしゃぶしゃぶもまだ先。
美味しそうな赤身の肉……魔獣の肉て聞くとちょっと怖いけど食べられるものなら食べたい。ボリュームたっぷりのステーキ、ぜいたくに食べたいよ。
霜降りっぽいのはまだ見てない。養殖じゃないから肥え太っている肉はいないかもね……
「ア゛ア゛ア゛ーー、イイワァ」
アルノーとピエールは内臓は生、他は味をつけて焼いたものが気に入ってる。なので並べたお皿に生の内臓がデーン。ルルカが準備をしてくれるので助かる。
食べてる姿はちょっとホラーだけど、ユッケやレバーと思えば気にならない……わけあるか。けっこう生々しい。
味つけに香草とかゴマ油、使いたいねって……私ったらつい食べる方向で考えちゃうね。レバー、久しぶりに……食べたい。
ちなみにパパは生のお肉は食べないそうだ。パパって言うかこの国?生食文化がないのかも。
パパは次の日もお仕事だった。
「むー」
「ア゛ー?」
庭で遊ぶのも少し飽きてきた。何もないからね。お庭をルルカ達と一周してぼやく。畑にはまだ種を植えていないのでが少しだけ雑草が芽をだしていた。
「ぬくでしゅ」
種植えの前に雑草天国は嫌だ。
小さな芽くらいなら私でも抜けるでしょ。
てちてちと歩いて畑に入って草むしり。……幼児の手はとても小さくてかわいい。なんならハムハムしたいくらい。でも自分の手だと思うとかわいさは半減。思うように作業できない苛立ちの方が大きいくらい。
「ア゛ー、イテッイッテェー、ア゛ァ゛ン」
ピエールがイテッとか言いながら私の真似をして草を抜く。
もちろんルルカはハイスピードで草むしりをこなす。
『焼いてしまえばよかろうに』
(良くない。パパがすっとんでくるよ)
またビックリさせちゃうじゃない。
アルノーは草を抜くんじゃなくて土ごと掘り返した。
なんだかんだ手伝ってくれるの優しいよね。
「ア゛ー!!ピーィ、オイコラー」
ピエールが突然私に向かって飛んできた。大きな翼の影が私を覆う。
「スゴイワァー、ア゛ア゛ー」
私の横に着地したピエールは私の身長くらいのミミズを咥えていた。
助けてくれたの!?ピエール、えらい。
ってデッカ!!ミミズ大きすぎる……畑やばくない。
……ミミズがでたってことはここの土は良いってことかな。でも畑いじりの時に出てきたら嫌だなぁ。
「ヤッター、ア゛ア゛アー」
ピエールは一匹ごくんと食べてからもっといないかと探し始めた。
『ピエールの好きなものだ。たくさんいると良いな。木の実のような味がするぞ。お前も食べるか?』
鳥はミミズ好きだよね……そのミミズ、口が、歯がいっぱいで怖いけど。
「フィーはいりましぇんよ」
すごい美味しいなら気にはなるけど、他に食べ物があるならあえてミミズは食べなくてもいいかな……
『木の実は好きなのであろう?』
(そうだね、好きだよ。でもあれは今はいらないかな)
うん、何も食べるものがなかったら考えてみる。
『ああ、その草は薬草酒に漬けると味をすっきりさせる効果があるぞ』
ふぇ!?お酒!?
全部抜いちゃってから言う?
『そのくらいのサイズがちょうどいいから保管しておくがいい』
おお、若芽がいいのかぁ。薬草酒、対象年齢は何歳からですか……ってお酒だから幼児はダメに決まってるよねぇ。
あとでパパに渡そう……
夜ご飯の時、ピエールがパパにミミズを出した。
「おお、薬草畑からそちらにも移動したかな」
一瞬ビクッとしてミミズを確認してピエールにお礼を言った。
「だが、私は生では食べない。干して薬に使っていいだろうか」
「ア゛ア゛ー?」
ピエールは少し考えてから頷いた。
ちなみに草を渡したら「セシルが喜ぶ」だって。
薬草酒という名前でも普通に飲むんじゃないかなぁ。




