第20話 しふく
セシルさんはちゃっかり朝ご飯も食べて、午前中、アルノーとピエールを連れて森に出かけちっゃた。
何気に懐いちゃってるんだね。
私はルルカとパンケーキとクッキーの在庫を作る。ほぼルルカがやってるけど……パパがキッチンに時間が止まっている保管庫を置いてくれた。パパの作業場にあるおっきな保管庫のミニサイズ……一人暮らし用冷蔵庫みたい。
って冷蔵庫と冷凍庫も欲しいよね。
「パパ、ひんやり、つめたい、ハコもできましゅか?」
そう聞くとパパは目がピカーっと光って、それはどんなものかと細かなことを質問攻めしてきた。でも電気関係詳しくないので大雑把な説明しかできない。
「えっとでしゅね、こおりでひやひや……とか、つめたい、こおっちゃう……がふたちゅでしゅ!!」
クールとコールド!?お水を冷たくするか氷を作るかってどう説明したらいいのー。
それでもパパは私の拙い説明で何事か考えついてお仕事部屋にいっちゃった。
「……やっちゃったでしゅかねぇ」
でも冷蔵庫があれば、おやつの幅が広がるよね。もしかして凍らせる魔法もあったかなぁ……でも備蓄しておけるのっていいよね……うん。
結局ルルカと二人で過ごして、途中で私だけパンケーキを食べて。パパはお昼に出てこなかった。ルルカがパパを呼ぼうとしたけど止めた。
……ルルカの給餌は強引なのだった。しまった。
ぐいっと口に私のこぶし大のパンケーキが運ばれてくる。
スープの時みたいには口に入っていかないよ。っていうかレーション汁ね、あれもだいぶこぼしてたでしょ。
「あのにぇ、ゆっくり、たべたらつぎのいれてね……」
口の中にパンケーキいっぱい詰まっちゃって困るから、ルルカに手振りで説明した。食事はほとんどパパに食べさせてもらっていたから、ルルカは様子を見ていたはずだけど、最初にアニーに教わった方を優先してるのかな。
パンケーキを小さめに切って私が数回咀嚼して喉がごっくんってなったら次って、なんとか説明をした。
ルルカはきちんと説明をしたらすぐ覚えるので、次からは上手に食べられた。うん、アニーって乱暴だったのかなぁ。説明が下手だったのかも。
私はキッチンのソファでちょっとだけお昼寝をした。ルルカはパパの指令でお菓子を量産しているのでずっと甘い匂いが漂ってる。
あまくてふわふわした夢が見れたような気がする……
むにゅ
ふわふわ……
「ア゛ア゛ーー!!オヤツ!!クレーー」
『こら、私の肉球が甘美な感触なのはわかるがやめなさい。くずぐったい』
すぐ近くで甲高いピエールの鳴き声と耳に優しいテノールのちょっと偉そうな声で目が覚めた。
私はピエールの胸元に顔をうずめて、横にいるアルノーの肉球をもみもみしていたらしい。……わお。
鳥の羽毛に埋まるの初めて!!なんかツルツルしているのにふわっとした感触もあって不思議。
アルノーはおっきな猫なので想像できる感触どおりだけど、おっきくてとっても触り甲斐があって幸せな気持ち。
「アルノー、だっこでしゅ」
これはもう憧れの大きな北欧の猫くらいのふわふわもこもこを味わえるはず。
寝ぼけたふりして欲望のまま、アルノーに埋まる……
なんていうか、幸福!!
猫のしなやかさと犬のような筋肉質も混ざりあってる気がして、ダブルで至福。
「ア゛ア゛アーーー」
私がアルノーの毛にうっとりしているとピエールがやきもちを焼いたのか、私の頭に乗った。重いよ。でもうれしい。
寝起きにモフモフ天国は最高じゃない。
「ははは、フィー、そいつら「ばっちぃ」じゃないのか」
ふへ!?
『失敬な!!私たちはいつだって清潔に気を使っている』
アルノーの毛がブワッと広がって、そのままセシルさんに突進した。
ぎゃん。
私が落ちそうになったのをピエールが嘴で襟をかんでくれて、ちょっと首が絞まったけど落ちずに済んだ。すぐにルルカが助け起こしてくれたよ。
「イテッ!!わるかったって」
……魔獣屋から来たとき、ちょっとばっちかったけど……口に出さないほうがよさそうだね……
いつもお読みくださってありがとうございます。パソコンま調子が悪いので更新が止まったら、急に逝ってしまったんだなってことでお許しを。
サブ機とスマホがあるので気持ちが落ち着いたらそっちで更新しますので。




