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第56章:1990年7月終盤の「夏山合宿」の話(6)

 ・・・山頂から、


 今度は森の道に入り、


 ひたすら下るぼくたち。


 やがて一行いっこうは、


 最終目的地であるキャンプ場へ。


 もう、日が傾いて薄暗くなっているので、


 着くやいなや、


 さっそく夕飯の支度だ。


 事前に大学校側から決められた班に分かれ・・・


 生活科の皆さんを中心に、めいめいの役割分担となる。


 でもぼくには、


 あとでも書くが、自分の農業科のクラスの「斎藤君」や、


 畜産科の田村君と渡辺君ぐらいしか、この1990年夏休みに気軽に話せる友人がいなかった。


 ・・・生活科の女子学生とは、まともに会話したことなんてなかったので、


 みんなが調理をする様子を横目で見ながら・・・


 「なんにもしなかった」んだよ、ぼくは。


 独りよがりで、わがままな学生だったよな・・・こうして振り返ってみても。


 好きで入った学校じゃなかったということもあったし、


 美絵子ちゃんのことで毎日、頭がいっぱいだったから、


 連中になんぞ、


 まったく興味も関心もなかったんだよね・・・。


 でも、炊事場とバンガローくらいしかない、


 この殺風景なキャンプ場がこうして記憶に残っているのは、


 ぼくの宿泊班や調理担当でもないのに、


 たびたび、「ごめんなさ~い❤️」といいながら、


 歩いているぼくにわざとぶつかってきたり、


 至近距離で、ぼくの目の前をちょろちょろ横切ってみたりしていた、


 『上野じゅんこちゃん』の姿が、目に焼き付いているからなんだ♪


 気持ちはわかるけど、ぼくには美絵子ちゃんが・・・ね。

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