第10話 -初討伐-
準備をしよう。
素手ではどちらにしても倒せるわけがない。
なので武器が必要なのだが、
「武器ってどうしたらいいんだ?」
そんな問題が発生する。
なぜなら俺は日本育ちだったわけだ。
戦闘なんて初心者。
しかもなーーんにもないこの世界での武器の作り方なんて……知ってるわけがない。
……普通の人ならね。
実は俺、漫画読んでちょっとだけ知識があるんだ。
だから火くらいなら起こせる……はず。
とりあえず武器を作ろう。
まず、手頃な石を探す。
それをもう一つの石で叩き、鋭くする。
そしてできた石を、先に用意しといた穴の空いた枝に……
「あれ。」
ぽろっと抜ける。
……サイズミスったぁぁ。
結局手斧的なものは作れなかったので、少しだけ大きな石で殴ることにする。
多分、洞穴の前で待っていれば、向こうから出てきてくれるだろう。
そう踏んだ俺は、座って待っていた。
すると
ガサガサ
あの時と同じだ。
そこから、角の生えたウサギが現れる。
すると、俺を見つけた瞬間、攻撃体制に入る。
突進だ。
ただ、こいつは突進しかしてこない、と知っていたから、なんなく避ける。
「おらっ!」
今度はこっちからの攻撃。
右手に持った石を高く上げ、振り下ろす。
ただそれは初心者の攻撃。
角兎にとっては遅かったのだろうか。
難なく避けられる。
「クソッ……」
そう、呟いてしまう。
当たるわけなかった。
落とし穴とか作っておけばよかったな。
でないとかなり厳しい。
ただ、それを悔やむ時間はくれないらしい。
前から、さっきよりも速い突進。
俺がよそ見をしていたからなのか、助走をつけたみたいだ。
不意であったため、それをギリギリまで避ける。
……ミノタウロスとの戦いで、避けることだけは上手くなってしまったみたいだ。
そう感じていると、
ドスッ
そんな音が後方からきこえる。
咄嗟に後ろを振り向くと、角兎の角が、木に突き刺さっていた。
ハハ……俺のLUKは1なんだけど……ラッキーだな。
そして、一歩、一歩、確実に進む。
近づく。
木に刺さってしまった、間抜けな角兎に。
そして、今度こそ確実に仕留める。そんな思いで、石をぶつける。
グシャァ
そんな音が、そんな感触がする。
あたりには血が撒き散らされる。
嫌な感触だ。
角兎は、うめき声をあげる。
「ゔあああ」と。
……まだ、生きている。
確実に、確実に仕留めろ。
また石をぶつける。
確実に、確実に、確実に、
確実に。
グシャ。
グシャ。
グシャ。
グシャ。
そんな音が鳴り響く。
この音も不快だ。
もはや、全てが不快に感じてくる。
だから何も考えない、考えなければ問題ないだろう?
それだけ不快なものだった。
ハッと、目を覚ます。
気がつけば日が沈みかけている。
そして、その手を止める。
角兎を確実に仕留めるために動いていた右腕を。
「あぁ。あ、あぁああ……」
「ああああああああああああああああああ」
僕が……殺した。
僕が殺した。
殺した。
僕の目に映る兎は兎ではなかった。
頭はぐちゃくちゃに潰されて、角だけが残っている。頭があったと思わしきところは赤く染まっている。
「うっ……」
吐き気がする。
昨日も今日も何も食べていないのに、吐き出すものなんてないのに。
日が沈み、夕焼け。
空が真っ赤に染まる。
それは僕が犯してしまった罪。
殺めてしまったことによる、飛び散った血のように感じる。
世界で見れば小さな罪。
必要なことなのだから、罪にもならないのかもしれない。
でも僕にはこの殺しが、大罪のように感じた。
でも、こういうことにもなれなければいけない。
僕がこの厳しい世界で、殺しをしないはずがない。
だから、今のうちに。
幸い、体の肉だけは残っていたので、食べることにする。
僕は火を起こした。
うまく火を起こすことはできた。
少し時間がかかったけど。
こんな時、魔法でもあれば楽だったんだろうけどな。
そんな、ない事、考えても仕方がない。
朝に準備した、鋭い石で兎をさばく。
もちろんそんな経験ないのでガッタガタ。
そのナイフ代わりの石の切れ味は最悪だったから、余計にガタガタ。
でも、焼いて、食べる。
「……うまい。うまい。」
味付けなんてできないから、ただ焼いただけ。
血に塗れて、鉄の味がする。
おまけに火加減ミスって焦げている。
かなり苦い。
でも……でも……
不思議と、久しぶりの肉は、不味くはなかった。
どうも作者の一般人Aです。
もう10話です。
時間の流れってとてつもなく早いですね?
そう感じる日々です。
これからも応援お願いします!
あと評価シテホシイナァ(欲望丸出し)




