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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第三章 国境都市編~
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~嫉妬の日常③~

神樹より生まれた新たな命。

大老マツバの邸宅で次期十大竜王になる赤子を巡り七魔王同士の戦いの火蓋が切って落とされようとしていた。


「最初の抱っこはアイスに譲ったが、二番目は俺だからな!領主なんだし!」


「アホか!次は七魔王のまとめ役でもあるワイに決まっとるやろ!」


「ちょっと待て、ここは年の功だ!俺様に決まってるだろうが!」


「フン……。この中で一番強い俺が抱く…………。」


「強さは関係ないでしょー。赤ちゃんだって、むさい男共よりも可憐な乙女に抱かれたいわよー!」


「それなら、ワタシが最初ね。騒がしい乙女よりも静かな女性ほうが赤ちゃんにも良いものね。」


「何ぃ!!」

「なんや!!」

「何だぁ!!」

「何だと!!」

「何さ!!」

「何よ!!」


「こうなったら、ジャンケンだ!恨みっこなしの一発勝負でどうだ!!」


「「「「 受けて立ぁぁぁぁぁつ!!! 」」」」


「ええやろ、ここやと騒がしい!表出ろや!!!」


庭先に勢いよく飛び出した6人は円になり、互いを牽制するかのごとく構えた。


「いくぞー!最初はグーーーーー!ジャンケン………。」


振り下ろす拳が何度も繰り返され、決着がつかないまま長い時間繰り広げられていった。


「こやつらは何をやっとんじゃい……。」

「魔王達が真剣にジャンケンするって…。」

「しかも、抱っこの順番巡ってですぜ……。」

「目が本気だワン。」

「殺気も出してるバウ。」

「……バカ………。」


呆れてものが言えないアイス達。ジャンケンしている魔王達をひとまずほっておくことにした。その騒がしさに赤子はあくびしながら目を覚ました。その子は起きるや否やアイスに向かって抱っこをせがんできた。アイスは優しく赤子を抱き寄せると、また目を閉じスヤスヤと眠りについた。


「アイスの腕の中が一番気に入っとるようじゃの。」


「……嬉しい……。」


「そういやお嬢、名前どうするんです?」


「………名前………?」


「そうじゃの。アイスが決めてあげなさい。この子もそれを望んでおるみたいだしの。」


「………うん……。」


赤子の名前をアイスが考えていると、そのやり取りを聞いていた6人の魔王がまたもや割り込んできた。


「えっ!!名前!?」

「名付けって言うたら名付け祭りやんけー!!」

「ダッハハハ!名付け親は任せろ!!」

「脳筋にできるか………。」

「怖い男にも無理だよー!」

「騒がしい女もね。」



「何ぃ!!」

「なんや!!」

「何だぁ!!」

「何だと!!」

「何さ!!」

「何よ!!」


先程のやり取りの繰り返しに溜め息しかでない。

見かねたマツバが魔王達に雷を落とした。


「はぁーーーまたかい……。 やめんか!!名前を決めるのはアイスじゃ!!主等の出る幕はありゃせんわい!!そこで正座して、名前が決まるまで待っとれ!!」


「……ほんと、バカ……。」


マツバに叱られ正座しながらシュンとなってる六人の魔王をよそに、赤子の名前を決める。


「どうじゃアイス、何か良い名は思い付いたか?」


「……わたしの名前をあげようと思う……。」


「お主のか?ということは『ショコラ』じゃな。」


「……うん……。……ダメかな……?」


「良い名じゃとおもうぞい。じゃが、アイスの家名は無くなるのじゃが?」


「……お兄ちゃんのを貰う……。」


「はて?お主に兄なんかおったかいの??」


「………ジルお兄ちゃん………。」


「おお、そういうことか。今後は『アイス=ヴァンクリフ』で、この子は『ショコラ=ヴァンクリフ』じゃな。」


「………うん。いい………?」


アイスは、正座しているジルにこの事を伝えるとジルは喜んだ。


「ああ、かまわないぞ。一応形式上、プリスデンの領主である、父シリウス=ヴァンクリフ大公爵に許可を貰わなきゃならないが、それは俺から話を通しておくから今日からそう名乗ればいいさ。」


「……ありがと、お兄ちゃん……。」


「気にすんな。お前達の兄ちゃんだからな、それくらいお安いご用だ。新しい妹も出来るんだし俺としちゃあ頼られて嬉しいくらいだ。」


「……うん……。」


父シリウスに許可を貰えば、アイスとショコラが正式にジルの兄弟になる。それがジルには堪らなく嬉しかった。


「クックックッ。フハハハハー。ということで二番目に抱くのは兄である俺だからな!お前達は三番目以降だー!!」


「くっ!!お前が兄ちゃんなら立場的に俺らも兄ちゃんやんけ!!」


「ちがうな!圧倒的優位は俺にある!!何故なら家名が一緒だからだー!ワッハハハハハハ!!」


「クソがー!!」


強欲の魔王と傲慢の魔王は、またもや抱っこの戦いを繰り広げようとする中、マツバが口を挟んだ。



「まだ、言っとるのかい………。主等二人は周りを見とらんのか……。皆もう抱っこしとるぞい……。」


「あっ!!」

「何しとんねん!!」


「交替しながら抱けばいいだけじゃねーか。」

「名前もアイスが決めるのが筋だしな……。」

「あんたたち二人にかまってるのアホくさくなっちゃったしー。」

「早く抱っこしたかったからね。」


「「 この、卑怯ものぉぉぉぉぉぉ!! 」」


((((お前等二人だけには言われたくねぇわーーーーー。)))))

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