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Magic of OZ~天性持ちの転生者~  作者: 赤間 そあ
~第三章 国境都市編~
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~傲慢の遊戯①~

斥候や密偵それに諜報員。それらの部隊を作るためゼネガー、ネロ、ルゥそれとジルが見繕っていた16名の兵士が傲慢の魔王ルシフェルであるヴァン=スピリタスの元に集い、練兵場で泊まり込み日夜汗を流していた。当初、兵達は10名の予定だったのだが見込みがありそうな者を自らヴァンがスカウトし総勢ヴァンを含め20名の部隊となる。

その隊には足に自信のある者、偵察経験のある者、敵地において死地を潜り抜けた者。そういった闇に隠れ人気を忍んで生きてきた者達が集められ、剣術や体術を研鑽したり、深翠の森で隠密訓練や飛竜の背に乗り飛行訓練などをしていた。


練兵場ではネロ=シュバイツァー含めた7人が鍛練しており、緊張感が漂う訓練が永遠と続いていたのだが、ある者の気の抜けた一声がその緊張感を切り裂いた。


「おー。皆お疲れさん。頑張っとるかー?」


サングラスを掛けたヘラヘラした関西弁の男。この部隊を預かっているヴァン=スピリタス。その人だ。


「ちょっとヴァン様!いきなり数日も訓練ほったらかしでどこいってたんですか?!」


ヴァンが何処からか帰ってきた早々にネロが優しく怒鳴った。


「かまへんやん。厳しい訓練で皆レベルアップしたんやから。後は自己鍛練と経験積めば、そこそこ良いとこまでいくと思うで。」


「では、集団訓練も今日で終了ですか?」


「んにゃ。皆にこの訓練の締め括りとして卒業試験をしてもらう。合格した奴だけ終了や。」


「卒業試験?何するんです?」


「まぁ急かすなって。説明するさかい皆集めてくれや。」


「わかりました。この者たちに、別の場所にて訓練している者達を呼びに行かせます。行け!」


「「「はっ!!」」」


ネロは訓練場にいる者たちに声を掛け返事をするや否や直ぐ様6名の練兵場にいた兵達は、まるで突風のように散り散りに他の者達を呼びに向かった。


「皆、頼んだでー。」


ヴァンは呼びに向かった部隊の者たちに向かって手を振っていた。


「で、卒業試験はともかく。一体どこをほっつき歩いていたんですか?」


「ん?ああ。ジルのとこ行っててん。」


「ジル様の?」


「ちょっと欲しい物があってな。それを作ってもろてたんや。」


「なんですかその物とは?」


「そりゃ内緒や。卒業試験と関係するしな。」


「また良からぬ事を企んでるんでしょう?」


「だから内緒やて。って言うかネロ。お前だんだんブライに似てきたで。目くじらを立てるブライと瓜二つやで。」


「お陰さまで最近、ブライさんの気苦労がよーくわかるようになりましたよ。」


「うわ!嫌味を言うとこもそっくりやわ!」


「私とブライさんよりも、ジル様とヴァン様のほうが似てますけどね。」


「そうかぁ?似てへんやろ??ワイのほうが男前やしな。」


「何言ってんですか!無茶するところや悪巧みが大好きなところなんかそっくりですよ!!」


「まぁ、そう言われればそうかも知れへんなー。今度ゆっくりジルと話してみよかな。またぎょーさんおもろいこと思い付くかも知れへんし。」


「ダメですよ!!あんたら二人が揃って変な事したら、ろくなことにならないんですから!!それに他国に密偵に行かなきゃならないのにそんな暇無いでしょう!!何言ってんすか!!」


「冗談やん。そないに怒らんでも……。」

(ほんまにこいつブライに似てきよったわ…。ジルがブライに叱られるみたいに、近いうちにワイもネロに叱られる気がする……多分………。)


部下に叱られる日々を予感していたヴァンの元にいち早く現れた者がいた。

風を切って駆けるように現れた斥候のゼネガー=ビスマルクだ。


「よぉ、傲慢の旦那。何かあったのか?」


「おっ。やっぱ一番乗りはゼネガーやな。」


「まだ、ひよっ子達には負けねぇよ。」


「ははは、そりゃそやな。ルゥもまだ来んし、あいつもまだまだやな。」


「そうとも限らんぜ。」


「ん??」


ゼネガーはヴァンに見ろと言わんばかりに顎で空を指した。すると地面に小さな影が映り、その影は日差しを遮りみるみる大きくなっていく。


「おーーーい!」


飛翔竜(ハイバーン)のコクウに跨がって空から降りてきたのは魔獣使いのルゥだった。だが一人ではなくコクウの背には他にも誰か乗っていた。


「到着っと!!魔獣使(ビーストテイマー)のルゥただいま参上ーー!!」


「ははは。ご苦労さん。中々テイマーも、様になってきたなー。」


「ほんとですかー!へへへっ。嬉しいですー。この子達も大分成長しましたからねー。」


コクウの背から降りてきたルゥの横には4匹の魔獣がいた。

風鼬(ウィンドウィーズル)林梟(フォレストオウル)火狐(ファイアフォックス)山狼(サンウルフ)

魔獣の中でも最強種に入る獣で別名『風林火山』と言われている。山狼以外の三匹は以前、ジルに倒されたザザン=ダンの妖術『魔獣傀儡』で操られ衰弱していたのだが、ルゥの献身な治療と愛情により今ではルゥにすっかりなついていた。山狼はジルの傍にいつもいる幻狼フェンリルのカムイに従っていた山狼集団の一匹で、本来ならば灰色の毛並みだが傍にいる山狼は茶色だった。茶色の山狼はルゥに心酔し共に行動しているらしい。


「そういや、名前は決めたんか?」


「決めましたよー。『風鼬のフゥ』『林梟のリン』『火狐のヒィ』『山狼のサン』です。どうですー?いい名前でしょー!!」


「お、おう………。」

(まぁた、こいつは安直な名前付けよってからに…………。なんで火狐だけ" ヒィ "やねん………。そこは" カァ "やろが…………。)


ルゥと話が終わる頃、気がつけば徐々に外に出ていた部隊の者達が集まり、いつの間にか練兵場に全員集合していた。

それを確認したヴァンは、皆に向けて説明を開始する。


「皆、集まったな。ほな、卒業試験の説明を始めよかー!!」

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