~謁見の間③~
「ふふふ……表があれば、裏もあるだろう。」
ヴァンに向かって、不適な笑みを浮かべ俺は次の段階へ進んだ。
「ヴァンは行商人の振りをして内通者と連携し、諸外国の情勢の把握、咎人の捜索、それと商売や交渉のノウハウを大臣や事務官に教えてくれ。ギャル子、ブレッド、アイス、は資金稼ぎ及び武器防具道具食料の準備と確保、ローズは仕事を通じて敵の内通者の特定と情報操作、ラスは来るべき時に備えて、ここにいる者達を鍛え、その上で幹部達に固有スキルと武技をマスターさせてほしい。必要な道具や準備物は遠慮なく言ってくれ。それとヴァンには部隊として幹部を3名、兵を10名程度、下に付けたいと思う。もちろん、後の五人にも幹部をつけるから。頼りになる奴等だから使ってやってくれ。」
「ほぉーーー。自分ここまで考えてたんか。」
「ああ、幹部を誰に付かせるまで決めてある。」
ヴァン=スピリタス
・ゼネガー=ビスマルク
・ネロ=シュバァイツァー
・ルゥ
・他10名程度、任意で決定
リップ=デニム
・アルラ=アリアドネ
・イリア=イエンザ
・ファウンロド=アディスン
ブレッド=グラーノ
・ヒルデ=アディスン
・ハルラス=アディスン
・ミリアリア=アズーリ
アイス=ショコラ
・ヂヂ=アームライト
・コスケ
・ヤスケ
ローズ=ダイアモンド
・シェリー=マグワイン
・ラベンダー
・オーガスト=ギュスターク
・ガーネット
ラス=ギャレット
・ブライ=ハイ
・ラゴール=サザンクロス
・ゾル=ホーン
・プリズナー
ジル=ヴァンクリフ
・グレイ=ミーア
・ドルフ=ベイン
大老マツバ
・ダグラス=リングアンドア
「……とまぁ、編成は、こんな感じで考えた。マツバには、護衛も兼ねてダグラスに就いてもらう。ヴァンにさっき言った『しばらく、咎人の捜索をやめないか?』ってのは、仕える者の隠者としての力と戦力を向上させる為ってわけなんだ。勝手に考えてしまったけど、いいかな?」
「ここまでお膳立てしてもろといて、文句なんかあるわけないやんけ。すまん、助かるわ。」
「遠慮は、いらねぇよ。国として俺も助かるんだし。」
話がまとまったと思ったとき、一部の幹部から異論が噴出した。ラゴールとゾルだ。
「旦那ー!!ちょっと待ってくれ!!勝手に納得されたら困るぜ!!」
「そうだ、そうだ!!俺達ゃ、旦那に惚れたんだ!魔王だがなんだか知らねーが、他の奴じゃねぇー!」
いきなり現れた新しい者の下に付けと言われ、不満が出たのだ。
「お前ら、止めんか!主が困るだろうが!」
「ブライはいいのかよ!いきなりこんな風に決まってよ!!」
「主が決めたことに口を出すつもりはない。だがラゴール、お前の気持ちは、分からんでもない。」
「だろうが!!」
俺がその場を収めるため動こうとした時、前を遮るようにラス=ギャレットがラゴール達に向かってある提案をした。
「貴様等の不満も言い分も理解できる………。ならば、こんなのはどうだ………。都合よく騒いでいるのは俺の元に集まる者達だ。俺を貴様等4人で倒せたならば、貴様達の下に付こう………。もちろん憤怒の魔王の称号もくれてやる………。ただし、負けた場合はジルの話を全面的に呑んで貰う……。どうだ………?」
「勝てば魔王になれて、部下も出来るってわけか。良いだろう、その話のったーーー!!」
「魔王になれるのは一人。けど、そんなもん後から決めればいいしな。俺もオッケーだ!!」
「ったくお前達は……。まあいい、魔王の力を試させてもらおう。」
その、4人の中で一人だけその戦いを嫌がっている者がいた。土木組合組合長のプリズナーだ。あからさまにプリズナーの表情は曇っていた。
(この人らと一緒にされるのホント嫌だー。魔王だぜ魔王!!お伽噺にも出るような魔族の長だよ!!そんな方に挑むってバカだバカ!!断ったら絶対ゾル族長キレるし……。もうーーどうすりゃいいんだよーー!!)
プリズナーは、助けてくれと言わんばかりな泣きそうな顔で俺の方を見ている。あまりにも不憫に思えた俺は、プリズナーに助け船を出してやることにした。
「プリズナー、そういやさっき土木部から連絡きてたぞ。至急の用件みたいだったぞ?」
「ほんとうですかい?そりゃ大変だ。すんません大将、すぐに行ってきます。」
「おお、気を付けてな。」
(ありがとうございます大将!!俺、一生大将についていきます!!)
(いいから、いいから。少ししたら帰って来いよー。)
(はい!!)
プリズナーは俺に一礼をし、足早にその場を後にした。どっかで様子を見ながら、頃合いになったら帰って来るだろう。
(しかし、あいつ演技が下手すぎるな………。あんなんじゃ、バレないか??)
それを見た、ラスは残ったラゴール、ゾル、ブライに対して言葉を放つ。
「1対3になったが構わないのか………?」
「俺達の有利に変わりゃしねー!」
「俺一人でもやってやるぜー!!」
「さぁ、憤怒の魔王。始めようか。」
「フフフ………。その意気や良し……。いつでもいい………。かかってこい………。」




