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今、合流のウサギとリス

「よし、いまだ! みなのもの、かかれー!」


 ボーリスさんの勇ましい号令に合わせて、うわーっ! とノームさんたちが走ります。

 そこにいたのは、魔女の家の周りをぐるぐるまわっていた獣人。

 びっくりして目が真ん丸になってます。


「な、なんだおまえらー! うぐわーっ!?」


 びっくりしたところに、ノームさんたちがドングリのついた棒でぺちぺち叩きます。

 効いてる効いてる!

 そして、耳に虫をいれ、お鼻に辛い木の実を粉にしてかけました。


「うおおー! 鼻が、耳がー!!」


 獣人がじたばたと地面を転がります。


「今じゃ、ボーリス殿!!」


「こころえた! えいやー!」


 ぴょーんとボーリスさんが飛び出していきました。

 松ぼっくりの槍で、倒れた獣人をつんつんつんっと突っつきます!


「ば、ばかな、俺がノームとリスにーっ! うぐわー!」


 悲鳴を上げながら、獣人はビスケットになってしまいました。

 これに気付いて、次々に獣人が集まってきます。


「さあどんどんこい! おまえたちをけちらしたら、つぎはまじょのばんだ!」


「番だー!」


 お兄ちゃんがボーリスさんの後ろで腕組みしてます。

 危ないなあ。

 それに、ボーリスさんってけっこう、正面からどーんと向かっちゃうタイプみたい。

 あたしは気をつけながら、周りをキョロキョロしてます。

 獣人が思ったよりもいっぱい来たら、みんなに知らせなきゃいけないのです。


「むむっ、ボーリス殿、なんかこいつら、思ってたより数が多いぞ!」


「まるで、森中の獣人が集まってきてるみたいじゃ!」


「ぬうー。まさか、せっしゃたちのうごきにかんづいていたか! いや、だがふしぜんだ!」


 獣人の数が多くて、ボーリスさん一人だと手が足りないみたいです。

 ノームさんは、虫を投げつけたり、くすぐったりして一生懸命足止めしているけど、とても間に合わない!


「みんな、逃げよう!」


 あたしは周りを見て、そう決めました。

 わーっと叫ぶと、ノームさんたちがいっぺんに戻ってきます。


「うぬ、だがここでひいてしまえば、けいかいされてせめにくくなるぞ! ここはなんとか……!」


 ボーリスさんが下がりません!

 たった一匹で、集まってくる獣人たちの前に立ちふさがります!


「し、ししょー!」


「ぶいー!」


「グレちゃん!?」


 グレちゃんが飛び出していきました。

 そして、ボーリスさんを上に乗せます。


「おお、グレ! ここはいっしょにいくぞ! なに、じゅうじんどものあいだをくぐりぬけ、まじょをやっつけてやればいいのだ!」


「無茶だよボーリスさん! あぶないよー!」


 あたしはハラハラです。

 だけど、そこにパカポコという足音が聞こえてきました。

 なんでしょう。

 なんだか、森の中らしくない足音です。


「ヒヒーン!」


「お馬さんの声……?」


 獣人たちも、びっくりして周りをキョロキョロしました。


「ははは、あいかわらずのちょとつもうしんのようだな、ボーリスきょう!!」


 あっ、可愛い声がしました!

 それも、どこかボーリスさんに似ているような……。


「よーし、突っ込むのですわ、ミルクレープー!!」


「ヒヒーン!」


 パカポコ足音が、どんどん近くなってきます。

 見えてきました!

 それは、真っ白なお馬さんです。

 あたし、畑仕事とか荷車を運んだりするお馬さんしか見たこと無くて、それはもっとずんぐりしてて茶色んです。

 だけど、あのお馬さんは真っ白。

 まるで、お菓子のクリームみたい。

 そしてお馬さんの上には、二人の女の子。

 真っ白な鎧の、お姫様みたいな子と、黒い鎧のメイドさんみたいな子。

 それからそれから……。


「とあー!」


 あっ!

 真っ白なお馬さんの上から、さらに真っ白なふわふわしたものがジャンプしました!

 背中にオレンジ色の何かを背負ってます!

 あれは……ニンジン!


「む!! そ、そのこえは!」


 ボーリスさんが振り返りました。

 そして、ジャンプしてくる白いふわもこなものを見て、その名前を呼びました。


「ナイトリーダー! ぶじであったか!!」


 ボーリスさんの横に、すたっと着地するその影は……ウサギさんです!

 ウサギさんはお鼻をひくひくさせながら、ゆっくりと背負ったニンジンを抜きました。


「さいかいをよろこぶのは後にしよう! いまは、このばをかたづけるのだ。ついてこれるか、ボーリスきょう!」


「せっしゃをだれだと思っている! むろんでござる! うではなまっておるまいな!」


「わがキャロンダイトの技に、いっぺんのくもりはない。いくぞ!」


「おう!」


「ぶいー!」


 ウサギさんとボーリスさんが、背中合わせになって身構えました。

 周りには、たくさんの獣人!

 でもなんででしょう。

 ぜんぜん、負ける気がしません!


「ししょーと一緒にいる、あのウサギなにものなんだ……!」


 お兄ちゃんが思わず呟いたら、白馬に乗ったお姫様みたいな子が、えへんと胸をそらしながら言いました。


「ピョンスロット卿ですわ! 我がボンボン王国を救った英雄。ウサギの騎士なんですのよ!」


「ウサギの騎士さん!」


 つまりこれは、ウサギの騎士さんと、リスの騎士さんが一緒にたたかうってことなのです。

 けいせいぎゃくてん、というやつです!

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