65、狐族の村で
65話です
偽物3人を余裕で倒した姉ちゃんがこっちに歩いてくる。
え!姉ちゃんめっちゃ強くない!
え?なに今の初めてみたんだけど。
いきなり変な空間を剣で作ったと思ったら、いつの間にか背後に回って両断してたんだけど!
え!これがいわゆるチートって奴なん。
「終わったよいっくん、ネリーちゃん。」
「流石ですねナツキさん。」
「何あれ姉ちゃんあんな技あったの。」
「え?あぁーあれは神様が私にくれた能力だよいっくん。」
な、なんてことだ俺なんて毎日のようにフェンリルのしごきを受けてここまで来たのに。
ふっ、不公平だ。
あのポンコツ駄神め俺には何一つくれなかったくせに!
「おい!何処に言ってたんだよお前ら?」
目の前にククモの姿があった。
「幻術魔法をかけられたんだよ。
俺達を敵だと思ったんだろうよ。」
「え?だから急に居なくなったのか。」
ククモが納得といった顔をしていた。
「何納得してんだよ!さっさと敵じゃないって伝えてもらえないとまた喰らったらどうするんだよ!」
俺はククモの首根っこを捕まえて目の前に持ってきた。
慌てたククモが足をバタバタさせながら説明してくる。
「そう怒らないでよ!幻術かけられて出てこれたんでしょ!
それならもうかけてこないと思うよ、だってこの幻術はカグヤ様がやってるはずだから。
もし負けても気絶させて森に放り捨てられるだけのはずだから。」
ほんとかよまったく、今回は姉ちゃんが居たから良かったようなものを。
俺は仕方なくククモをしたに下ろした。
「早く村に連れていってくれよ。」
「そうあせんなってすぐそこだからさ。」
ククモが再び先頭を歩き俺達はそのあとをついていった。
しばらく代わり映えしない洞窟を進んでいると鳥居のような大きな入り口が見えてきた。
「着いたぜ、ここが俺達狐族の村だ。」
村は古風な作りになっていた。
武家屋敷のような家が洞窟の中に沢山建っている。
1番奥の階段の上に神社のような大きな建物が建っていた。
ふぇー、洞窟の中にこんな村があったんだ。
鳥居を通って村の中に入っていく。
「おーい、みんな帰ってきたぞ!」
ククモが村の方に声をかけて仲間に声をかけていた。
「うわ!人間だ!」
「1人は獣人だけど2人は人間だ!」
「おいククモ!誰だそいつら!」
村の人たち?いや狐たちが俺達を見て驚いていた。
みんな体は狐だけど喋っている。
ファンタジーな世界だから動物が喋るのも当たり前なんだろうけど、何とも言えない違和感があるな。
俺達の目の前に狐達が沢山は集まってくる。
いったい何匹住んでんだよこの数は101匹ワンちゃんなんてもんじゃないぞ。
「おい、みんな落ち着いてくれ!」
ククモが狐達の前に立って両前足をバタバタさせて促している。
そんなに人が珍しいってどれだけ他と交流がない種族なんだよ。
「皆さん、静まりなさい!」
狐達の奥から凛とした声が響き渡り全員が一斉に声のした方に顔を向けた。
赤い袴の巫女服を着て顔に狐の仮面を付けた二人の付き人を従えた、赤く綺麗な着物を身に纏い、頭に大きな狐耳を付けた美しい女性がこっちに黒い下駄をならしながら歩いてくる。
付き人の白い狐面の方は唐笠をさし、黒い狐面の方は提灯を持っている。
日が当たらないのに傘の意味があるのか?
狐達が俺達の通り道を作り端に避けていく。
あの赤い着物を着ている人がカグヤさんなのか?
「あなた方は何ゆえこの村に来たのですか?」
「僕達はこの山にいるドラゴンを見つけに来ただけだ。
そのときに倒れていたククモを助けただけだ。」
「そうなんだよカグヤ様こいつらがあのドラゴンを追っ払ってくれるんだよ。」
「ククモ貴方は黙っていなさい。」
「ご、ごめんなさいカグヤ様。」
「そうですか、ククモを助けてくれたことには感謝いたします。
ですがこの村は秘密の村決して他の種族に知られてはいけない村なのです。」
「あぁ、そうなのかそれは悪いことしたな。」
「あなた方はいったいどなたなのでしょうか?」
「僕は氷の魔神だよ。」
俺の言葉を聞いたとたんにカグヤ様が表情を変えた。
何故今一瞬だけ険しい顔をしたんだ。
「わかりました。
寺院の中に案内しましょう、ついてきてください。
ククモ、貴方も付いてきなさい。」
カグヤ様が背を向けゆっくりと奥の寺院に向かって歩きだした。
「ミツキさん、何か雰囲気が良くない気がするのですが。」
「何か歓迎されてない雰囲気だよねいっくん。」
「僕が氷の魔神って言ったとたん一瞬だったけど険しい顔したから逃げ出せるように警戒しといて。」
3人で小声で話し合いいつでも逃げ出せるように警戒する。
ククモは怒られたせいかしゅんとしてとぼとぼと前を歩いていた。
提灯が端に立てられて、道を明るく照らしている。
カグヤ様の後を付いていき、寺院がどんどん近づいてくる。
大きな門の前に警備している人形の狐が一礼してから門を2人で方扉ずつの取っ手を引っ張り開いていく。
門を通ってなかを眺めてると日本庭園のような庭が辺り一面に広がっている。
中は正面と左右に大きな赤い寺院が1つはずつ建てられており、庭の真ん中に大きな鐘が釣り下がっていた。
そのまま、まっすぐにカグヤ様が正面の寺院に向かって歩いていく。
この村で人形になれている狐とそうじゃない狐がいるけど何なんだ?
だが人形の狐はカグヤ様以外みんな狐面をつけているし何なんだこの村は。
寺院の扉が付き人の2人によって開かれカグヤ様とククモそして俺達の3人だけが中に通された。
中は暗く中に何があるのかよくわからない。
大丈夫なのかこの中、何でこんなにも暗い部屋なんだよ。
『バターンッ!』
勢いよく扉が閉められて何も見えなくなってしまった。
くそ、暗い何か明かりは無いのか!
俺は焦りながら気配を探っていく。
おかしい、ネリーと姉ちゃんの気配が無い!!
「ネリー!!姉ちゃん!!何処だ!」
俺は慌てて叫び辺りをは必死に見渡すが真っ暗で何も見ることはできない。
くそ、やっぱり罠だったか!
すると目の前にいきなりもう1人の俺が姿を表した。
またか、いったい何の目的があってカグヤの奴が俺達を敵視しているかわからないがやるしかない!
「「《氷を纏え》」」
偽物が俺と同じ動きと身体強化を始める。
「この偽物がーーー!!」
俺が飛び込んで偽物の俺に向かって真っ直ぐに拳を振り抜く。
だがお互いに顔面に拳を撃ち抜く。
「ぐは!くっ、これならどうだ!」
拳に魔力を纏わせていく。
「「乱打氷撃」」
俺と偽物の拳と拳がぶつかり合い、激しい打撃音と衝撃の余波が横に逃げていく。
こいつ偽物の癖にやりやがる!
何で俺と同じだけの力で魔力を使えてるんだ!
さっきの時の偽物よりももしかしたら強いのか!
一旦攻撃を止めて後ろに後退する。
すると偽物も同じように後退して構える。
戦ってもたぶんらちが空かないぞ!
たしかネリーは幻術魔法に対抗するにはそれ以上の魔力をながせって言っていたよな。
カグヤの魔力が俺よりも多いか少ないかやってやろうじゃねーか!
「はぁぁぁぁーーー!」
俺は周りから魔素を溜め込んでいく。
体が徐々に暖かくなってくる、今4分の1くらいだ。
トーナメント以来フェンリルがアホなことをしてくれたお陰で俺の魔力量がアホみたいに増えたからな。
すると偽物が何かに感ずいたのかこっちに飛び込んでくる。
あいつを相手する必要はない!
足に魔力を纏わせて回避に専念する。
真っ直ぐに顔を殴り付けて来るのを見切り横に避けてすぐさま背後に回る。
いま半分くらい貯まった!早くためないと。
背後に回った瞬間に後ろ回し蹴りが放たれて俺の顔の横に踵が迫ってくる。
俺はそれを、頭突きをする勢いで頭を振り下ろして何とか避けきる。
今4文の3!あと少しだ!体も熱くなってきて体の全身に魔素が駆け巡っていく。
偽物が体を正面に戻した途端に俺の横腹目掛けて蹴りが放たれる・・・。
が俺がギリギリところで偽物の足を掴んで止めた。
やっとフルになったぜ!
体に入りきらない分の魔素が漏れ出してキラキラと輝き出した。
俺は掴んだ足を両手で掴んで勢いよく体を振り回す。
偽物のお前に新たな技をフルパワーで試してやるぜ!
「ぶっ飛べこのくそ野郎が!」
俺が何処が壁かもわからない空間に放り投げてから俺も飛び出して追いかける。
するといきなり何もないところで偽物がぶつかり壁にヒビが入った。
あそこが壁か!!右拳に魔力を纏わせていく。
「喰らいやがれ!《浸透氷撃》」
偽物のお腹に真っ直ぐに拳を振り抜いた。
一瞬だけ時が止まったかのように静寂が流れる。
次の瞬間『バリッ』と何かが割れるような音がして、更にどこかで破壊音が響き渡る。
暗い空間にどんどんヒビが広がって砕け散っていった。
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[カグヤ]
ふふふ、まんまと罠にはまりおって愚かな人間どもよ。
寺院の庭でお焚き上げを中心に狐達が踊るようにしてぐるぐると周りを回って、太鼓や笛、時折鐘の音が鳴り響いている。
幻術結界の中で疲弊したところを一気に潰して見せしめにしてやる。
この山に入ってくる人間ども恐怖に叩き落としてやるわ!
すると意気込んでいる最中にククモが横から現れた。
「姉様本当にあの3人を殺すのですか。」
「何だ!ククモお前のせいなのだぞこの村に人間を入れるなど愚かな真似をしたのは!」
「でも、それなら気絶させて麓に下ろす方法もあります。」
「この山に入る人間によって我らの同胞が殺されたのをお前も知っているであろう!この山に人間が入らないようにする方が早いのじゃ。
もうよい、ククモをここからつまみ出せ!」
私の命令によってククモが捕まりこの庭から追い出されようとした時だった。
『バリッ』と何かが割れるような音がした。
「うん?何の音じゃ?」
正面の寺院の方に向き直るといきなり扉が吹き飛び中から結界に閉じ込めたはずの獣人が現れた。
そんな馬鹿な!村の魔力の高い者を集めて行った魔法なのに。
たった1人の獣人の魔力に劣るじゃと。
「お!やっと外に出れた!」
『ザンッザンッ!』と右側の寺院の方から斬撃音が響き渡り扉がゆっくりと倒れて中から巨大な剣を持った女が出てくる。
「いっくんとネリーちゃんは無事かしら?」
『ドゴーンッ!』爆発音が左側の寺院から響き渡り、扉が庭の外にへとぶっ飛んでいく。
最後に鎌を掴んだ女が姿を表した。
「けほっ、けほっ、少し調整を失敗しましたね。」
結界で閉じ込めていた人間すべてが突破して外に出てきた。
「あ、あり得ぬぞ、何なのだこいつらはいったい何も!!!」
そうだ獣人のチビが、「僕は氷の魔神だ」と不穏な事を言っていた事を思い出した。
あのときは嘘を言っているのかと思っていたがもし本当なら。
私はとんでもない相手に手を出したのかもしれない。
そう、噂で聞いた氷の魔神は暴君と呼ばれるほど恐ろしいと聞いた事がある。
気に入らないことがあると破壊され何も残らないと。
私はこの事を思い出し嫌な汗が全身から流れ落ちる。
やってしまったのじゃ。
我が国が滅びを迎えようとしている。
「おい!、カグヤとやらよ。」
「ひぃー!」
魔神が私の顔を睨み付けてくる。
たったそれだけの事なのに生きている心地が全くしない。
すでに心臓を手で捕まれているかのような錯覚に陥った。
「どういうつもりか知らねーけど覚悟出来てんだよな!
俺達を敵に回すってことわかっててやってんだよな!」
魔神がゆっくりと階段を降りながら拳の骨をポキポキ鳴らしながら近づいてくる。
あまりの恐怖に我は失神した。
風邪ひいて死んでましたごめんなさい。




