52、カスピ王国に泊まります
52話です
カスピ王国、王座の間
[ポセイドン王]
王座に座りくつろいでいた、正直王と言うのは何か決断を迫られたときに答え、実行するのが主な役目であり通常はそこまで忙しくもなかった。
今日も平和な1日であるだろうと思っていた。
するといきなりドアが開かれて誰かが入ってきた。
よくみると青い髪の少年がこっちに向かって歩いてくる。
私の弟のリヴァイがだった。
うん?頭に大きなコブが出来ておるがこいつはいったい何を仕出かしたのだ。
「珍しいな、弟よどうしたのだいったい、普段はここに寄り付きもしないくせに。」
「兄貴1つ聞きたいのだが、氷の魔神を見たことがあるか?」
といきなり弟がそんな事を聞いてきた。
何故いきなりこんなことを聞いてくるのか、不思議に思ったがとりあえず答えた。
「1度だけ見たことがあるぞ、ここに訪れたからな、とても小さな可愛いお人であったぞ、それがどうかしたのか?」
「いや、俺が海で泳いでいたときにさ、海面を飛び回っていた怪しい奴がいてよ。
そいつが氷の魔神って名乗っさ。
そしとら水の魔神に会わせろって言ってきたんだけど。
えっと姿は、水色の長い髪の小さな獣人だった。」
弟がその時の事をぽつりぼつりと、思い出しながらとんでもないことを言っていた。
今、この馬鹿は何ていった。
それにあの頭のコブはまさか!
「お前まさか戦ったのか!」
「あ?あぁー、負けたから仕方なく通したけど。今ごろどっかにいるんじゃないかな。」
私は思わず弟に絶句した。
この、愚弟は魔神様と戦った、なんと失礼なことをしでかしたんだこいつは、機嫌を損ねて国を破壊されたらどうするつもりなのだ。
「この馬鹿が今すぐここに案内して差し上げないか!!!」
と私が弟を怒鳴り付けたその時。
再び門が開かれて警備の者が中に入ってきた。
「申し訳ありません国王様、城に怪しい者が尋ねて来たため、牢にぶちこんでおきました。」
私はそれを聞いた瞬間嫌な汗が止まらなかった。
頼むぞこれ以上神様に無礼を働くでないぞおまえら。
「おい!」
「はい、何でしょうか。」
「まさか、それは獣人ではなかったか。」
私は警備者に尋ねた。
必死に心のなかで祈りながら願う。
氷の魔神様でありませんように、氷の魔神様でありませんように、氷の魔神様でありませんように。
「え!はっはい、水色の長い髪の小さな狼の様な獣人でしたが。」
私はこれを聞いた瞬間固まってしまった。
終わったー。この国はもう終わった。
私は全力で叫んだ。
「この馬鹿どもが!!すぐに牢から出し、直ちにここに連れて来い!!!
もうこれ以上決して失礼なことを仕出かすないいな!!!!!!」
「は、はい!!!申し訳ありませんでした。」
警備の者が慌てて扉へと向かっていった。
私は頭を抱えて王座でうなだれてため息をついた。どうしようこれ、下手したら国が滅んじゃうよ。
「お、おい兄貴大丈夫か?」
弟が私に何か言ってきたが答える元気はもうすでに無かった。
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[ミツキ]
俺は両手を後ろに縄のような物で、縛られた状態で牢屋の中でミルネと一緒に捕まっていた。
「捕まっちゃったね、ごめんねミルネ、何か迷惑かけちゃって、もし危なくなったらここの壁破壊するからさ。」
俺と一緒に捕まってしまったミルネに、申し訳なかったので取り敢えず謝った。
「気にしなくていいよミツキ、別に殺されたりはしないだろうから。
せいぜい何日か捕まってから、外にすぐに出ることが出来るよ。」
と首を横に降って気にしている様子がなかった。
それにしても牢屋に入れられたけど暇だな、何もすることが無いや。
それに、何かビキニでこんなとこにいるの何か落ち着かない上に恥ずかしいのだが。
逃げようと思えば逃げられそうではあるし、いざとなったら勝手に逃げればいいや、そんな事を考えながらベッドの上に横になっていたら。
さっき俺を牢屋に入れた奴が焦った様子で帰って来た。
あれ?どうしたんだ?
そして牢屋の扉を開けて、敬礼をしはじめた。
「申し訳ありません、国王様がお呼びですので、ご同行願えませんか。」
さっきとは全く違う丁寧な態度で俺達を牢屋から出そうとした。
いったいさっきの間で何があったのだろうか。
俺とミルネは顔を見合わせてから牢屋からでた。
すぐに腕の拘束を外してもらった。
「あーー自由だ。」俺は両手を上げて背伸びをした。
「それでは私に付いてきてください。」
と言われてそいつに付いていった。
しばらく城の中を歩き巨大な門のところに連れてこられた。
デカ、これなにデカイならまさか王さまもデカイのか?
そして扉が開かれて中に向かっていった。
部屋の中はかなり広く、天井も恐ろしく高かった。
すると王座に白い髭を蓄えたガタイのいい人が座って、その横に水色の髪の少年が立っていた。
これ、絶対白い髭蓄えた人がポセイドンだろ。
「警備の者下がってよいぞ。」
「は!」
と言って扉に向かって帰っていった。
そして俺とミルネ、王座にいる2人になった。
そして髭の人が椅子から立ち上り、こっちに歩いてきた。
そして俺の目の前にまで来ると、いきなり震え出した。
あ?どうしたんだこの人は?
「申し訳ありませんでした!!」
と、いきなり土下座をしてきた。
えーーーーーーー!!!!何!何が起きてんの!
俺は心のなかでかなり動揺していた。
見事な土下座をしてきた、しかも頭を地面にこすりつけながら。
俺は若干引いてしまった。
後ろのミルネを見ると、信じられないものを見たかのような顔をしていた。
「本当に申し訳ありませんでした。
我が愚弟と城の兵による数々の無礼、誠に申し訳ありませんでした。
おい、リヴァイお前も謝らないかこの馬鹿が!」
と隣にいた少年にまで土下座をさせようとしていた。
今弟って言ったよね、てことはこいつがさっきのリヴァイアサンで今土下座してんのがポセイドン王なの。
かなりカオスな状況になってきた。
流石に俺はこのままでは不味いと思い、立つように言葉をかける。
「あのーー、立ってもらえないですか、土下座されても困りますしそれに国王が頭をいきなり下げるのもあれですから。」
「ゆ、許してくださるのですか!!」
ポセイドン王が顔を上げて目を見開いて涙と鼻水を流していた。
汚な、こいつ、何でそこまで必死に謝ってるんだ?
「許すも何も怒ってませんから。
それにお願いがあるのでさっさと要件を済ましたいんですが。」
「はい、わかりました、なんのご用でしょうか、私に出来ることならば何でもいたしますので、何なりとお申し付けください。」
何でさっきからかなり下から物を言ってくるんだこの人は。
「あのー何でさっきからそんなに腰が低いんですか。」
「あなた様は魔神様なのですよね。」
「いや、まぁ、そうだけど。」
「え!!」
すると後ろのミルネが驚いた声を上げていた。
俺は後ろを見るとミルネが目を見開いて俺を見ていた。
「ミツキ、いえミツキ様は魔神だったんですか!!」
いきなりミルネが敬語で喋りだした。
何で敬語なんだ?いったいこの場所でさっきから何が起きているんだ。
「え!何で敬語なのミルネ。」
「当たり前です。、魚人族の中で魔神様は神様なのです。ミツキ様はさきほど、私の家で只の学生って言ったではありませんか。」
だって自分から「私魔神です」って恥ずかしいじゃん。何か中二病みたいでさ。
「あのどうしてここに来られたのですか?」
ポセイドン王が再び俺に要件を聞いてきた。
「ジンが水の魔神に会うには魚人族の都に行けばいいって言ったんだけど。」
「そうでございましたか、それならクラーケン様のいる所に私の弟が案内させますので。」
「ちょっと待てよ!兄貴何で俺がそんな事をしないといけねーんだよ。」
さっきまで黙ってみていたリヴァイアサンが、慌ててポセイドン王に抗議をしていた。
「この愚弟が魔神様の手伝いをせぬか!」
「うっせー、クソ兄貴がさっきから愚弟愚弟言うなこの馬鹿が。」
何か目の前で兄弟喧嘩を始めだした。
うわー、面倒くさいなこいつら。
「ならリヴァイアサンどうすればそこに連れてってくれるの?」
俺はリヴァイアサンに聞いた。
「ふ、もう一度俺と戦え、さっきは油断したが今度は負けない。」
と嬉々として俺に戦いを挑んできた。
だが、ポセイドン王がリヴァイアサンの頭を殴り付ける。
「この愚弟!、魔神様に何て事を言ってくるんだそれにため口など恐れ多いわ。」
「何すんだこの馬鹿兄貴、人の頭を叩きやがって。」
また喧嘩が起きそうになっていた。
俺はため息を付いた。
いい加減早く向かいたいんだけどな。
「わかった、戦うからさっさと準備をしてリヴァイアサン。」
「本当か、なら全力でいかせてもらうぞ。」
「本当に宜しいのですか魔神様、わざわざこの馬鹿の言うことを聞かなくてもよろしいのですぞ。」
ポセイドン王が心配そうな顔をしていた。
だってあんたに任せたら日がくれそうだから。
「大丈夫ですから下がってくださいポセイドンさん、ミルネも危ないから下がってね。」
とさっきから静かに様子を見ているミルネを後ろに下がらせた。
そしてリヴァイアサンと距離を少し取ってお互いに向かい合った。
「俺にまた勝てたら案内してやるよ、氷の魔神様。」
戦えるのが嬉しいのか、テンションが高い。俺はそんな事を気にせずに魔力を練り上げた。
出来るかな、フェンリルがしてたあの身体強化、やってみよう俺は全開まで魔力を練り上げる。
そして体から光が溢れだした。
ここまでが今の限界か、前よりかなり上がっている。
行けるかもしれない、俺はあの身体強化を唱えた。
「《氷を纏え》」
俺の体が水色の光に包まれて全身に力がみなぎっていく。
だが、これを使うのにとんでもない量の魔力を消費する。もって10分かな。
ミルネとポセイドン王が驚きの表情で眺めていた。
「な、何て魔力だこれほどの力とは流石は魔神様だ。」
「ミツキ様のすごいや、あんな力があったんだ。」
目の前のリヴァイアサンが嬉しそうに俺を見ている。
「準備を出来たみたいだな、それならこっちからいかせてもらうぜ。《オールレイズ》」
と言ってそのまま突っ込んでくる。
だが、不思議なことにオールレイズのリヴァイアサンの動きが遅く感じる。
何て身体強化だ、今までフェンリルはこれで戦っていたのか。
リヴァイアサンが俺に突っ込んで来て、顔の横に蹴りを放ってくる。
リヴァイアサンの蹴りを、手を突き出して衝撃を殺し受け止める。
すごい全然いたくない。
「馬鹿な俺の蹴りが受け止められた。」
俺はリヴァイアサンの足を離した。
「くっ、」顔を歪めながら、またもやそのまま突っ込んでくる。
そして再び殴りを連打で放ってくる。
見える全部が手に取るように見える、リヴァイアサンの乱打をすべて避けきった。
「くそ、当たらねー!!」
リヴァイアサンがイライラしながら俺を殴ってくる。
そろそろ魔力ももったいないから終わらせるか。
俺は乱打をしてくるリヴァイアサンの懐に入り込む。
「地獄のような特訓をして出直してきな。」
俺はリヴァイアサンの腹を半分の力で殴る。
そのままくの字に折れた状態で吹き飛ぶ。
王座の間にある柱を壊し、奥の壁にぶつかって止まった。
「あ、やり過ぎた。」
俺はすぐにポセイドン王に謝った。
「すいません、ポセイドンさん、柱を壊してしまって。」
「いえ、むしろ我が愚弟を死なせなかったことに感謝しかありません魔神様。」
まぁ、ポセイドン王がそういうならいいか。
俺はぶっ飛んだリヴァイアサンの所に近寄った。
上の壁が凹み、その下の床に座った状態で力尽きて気絶していた。
あちゃー、気絶しちゃってるよ。
「ごめんなさいポセイドンさん気絶してるんですけどどうすればいいですか?」
「申し訳ありません、出発は明日にしてもらえませんか、その代わりおもてなしはいたしますので。」
仕方ないか案内が居ないとどうしようも出来ないし、それに気絶させたのは俺だしな。
「わかりました、では申し訳ありませんが1泊だけさせてもらえませんか。あ!、ちなみにミルネも一緒でいいですか?」
「それはもちろん構いませんぞ、おい!誰か居ないか。」
とポセイドン王が手を叩いて、呼びつける。
すると大きな扉が開き女の人が入ってきた。
「なんのご用!!」
と入ってきた、女性が驚いていた。
「国王さま、リヴァイ様はいったいどうしたのですか!!」
「気にするなヒルデ、氷の魔神様から稽古をつけてもらっただけだ、弟にはいい薬になっただろう。それよりはこちらの御2人を客室にお連れしろ、最高のもてなしをするのだよいな。」
「了解いたしました。
では御2人様私に付いてきていただけませんか。」
とヒルデさんがこっちを向いて誘導し出した。
俺が向かおうとしたら、ミルネが付いてこない事に気がついた。
「どうしたの、ミルネおいでよ。」
「いやー私は家に帰ろうかと、魔神様に失礼があったらいけないですし。」
いや、ミルネの家でやったことですでに手遅れのような気もするが、俺はミルネに近づいてそのまま手を掴み引っ張った。
「ちょっと、ミツキ様のお許しを、お家に帰らしてください。」
と何か後ろでわめいているが、俺は気にせずにヒルデさんのあとを追っていった。
そしてヒルデさんに客間らしき所に連れてこられたのだが。
部屋には海中で泳ぐ魚を一望できる窓に、本物の魚が泳いでいるウォーターベッドそれに綺麗な珊瑚の机にとお洒落な内装になっていた。
「ご用があれば何なりとお申し付け下さい。後でお食事が出来しだい呼びいたしますので、しばらくお待ち下さい。」
と言ってヒルデさんが部屋から居なくなった。
ミルネは相変わらず、固まっていた。
「ねえ、ミルネいい加減普通にしてくれない、敬語で話されるの気持ち悪いよ。」
「え!でも、魔神様に失礼だし。」
「これから敬語で話すの禁止だからねミルネ。」
「えぇー!そんな私みたいな平民が魔神様にため口は駄目ですよ。」
あーもう、じれったいな。
俺はミルネに飛びかかって脇腹をくすぐった。
「ちょっ、あは、ミツキさま、あはははは、くすぐったいです、あはは、やめ、やめて、あはは。」
「ミルネが敬語をやめないと僕も止めないからね。」
「あはははは、わ、あっ、くふ、わかりました。や、あはは、やめて、ミツキ。」
よし、やっと敬語を止めたか。
ミルネが肩で息をしながら呼吸を整えていた。
「もう、ひどいよミツキ何でこんなことしたの。」
「敬語を離したのはミルネじゃん。」
「だって、ミツキが嘘ついてたじゃん、只の学生何て!」
と言ってミルネが怒っていた。
俺は笑いながら
「ごめんごめん、だって、僕は魔神ですって言うのおかしいじゃん、それにこの見た目だしね。」
「まぁ。ミツキを見ていると愛でたくなっちゃうし、もしミツキが「魔神です」っていったら頭撫でてるかも。」
とミルネが笑いながら肯定してきた。
だよね、この見た目じゃやっぱり信じないよねみんな。
「でも、何でミツキは私まで部屋に連れてきたの。」
「え?だって一人は嫌じゃん、こんなところに居るのは。だから、巻き込んだの。」
「もう、ひどいなミツキは。」
と言いながらも、ミルネは笑っていた。
「ミルネも何だかんだ言って嬉しそうだね。」
「それはお城は女人魚の憧れだからね、ポセイドン王とリヴァイア様は女性に人気がすごいんだよ。その人達を土下座させたり、戦って蹴散らすミツキはとんでもないんだから。」
と笑っていた。
いやーー、俺もポセイドンさんの土下座にはビビったけどさ。
それにリヴァイアサンと戦うつもりも無かったんだけど。
そんな話をしていたら、ドアからノックが聞こえてきた。
「どうぞー!」
「失礼致します。
お食事の準備が整いました。
国王様もお待ちしております、また付いてきて頂いてもよろしいでしょうか。」
「わかりました。ミルネ一緒に行くよ。」
「わかったよミツキ、でもこんなこと初めてで緊張してるんだから焦らせないでよ。」
俺はじれったいミルネの手を掴んで、再び引っ張ってヒルデさんのあとを付いていった。
ミツキが強くなってきましたね。




